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記憶の中の女達〜(40)“ナナハンレディース”の二人-第84話



作家名:淫夢
文字数:約3810文字(第84話)
公開日:2022年5月13日
管理番号:k057


この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。



挿絵の官能小説画像

私は亮子のフェラチオを遮って圧し倒し、勃起で膣粘膜を貫いた。

「ああ、す、すごいっ、か、感じるっ」

亮子が私にしがみつき、両脚を大きく拡げて掲げ、私の腰に絡めた。

亮子の膣粘膜が熱い愛液で潤って蠢き、私の勃起を締め付ける。

「い、良いっ、ああ、そこっ、い、良いのっ」

亮子が熱く喘ぎ、裸身が痙攣し始めた。

亮子が快感を貪る様子を眼にして、やっと射精感が湧き起こる。

「中に出して良いか?」

「だ、出してっ、中にっ、イ、イクわっ、イ、イクッ、イクイクイクーッ」

私にしがみついて痙攣する裸身を静止させ、エクスタシーの絶頂を極めた亮子の膣粘膜奥底に、精液を噴出させた。

これほどまでに淡白で気が乗らないセックスは、過去ほとんどした記憶がなかった。


「どうしておれを?」

翌朝、早めに新宿に出て、喫茶店でコーヒーを飲む。

「前から係長と一度してみたかったの」

亮子が恥ずかしそうに俯いた。

まただ。

本当に一度だけしてみたかったからなのか、私のセックスが淡白で不満を感じたからか、その後、社内で何度も貌を合わせても、亮子からのアプローチはなかった。

しかし、私自身も、もう一度亮子とセックスしたいとは想わなかった。


亮子とセックスして半月ほど経ったある日の帰り途、久し振りに行き着けの鮨屋で飲もうと、新宿駅の西口を出た処で企画部の由美子と出遭った。

由美子はコーディネート課の主任で、私と同い年、美人というほどではなかったが、鋭いと感じる程整った貌立ちと、背が高くすらりとした容姿が、社内の男どもの間では人気があった。

「デートですか?」

由美子が意味ありげな含み笑いをした。

「そんなんじゃねえよ」

「じゃあ、着いて行っても良いかな」

含み笑いを浮かべたまま小首を傾げる。

「良いよ。鮨屋だぞ」

「お鮨、大好きよ」

由美子がやっと普通の笑貌を視せた。

さっきの含み笑いは何だったのだろう?


「おー、お久しぶり」

懐かしい板長の笑顔が私を迎えた。

カウンターに掛けようとした私の腕を取って、由美子がテーブル席に誘った。

「松井さん、日本酒で良いか?」

「はい。松井さん、って止めて下さい。同い年だし、上司なんだから」

「でもあなたの方が先輩だぜ」

「由美で良いです」

「じゃあ、あなたもタメ口で」

「判ったわ」

セクシーコスプレ02

日本酒とお任せで頼んだ刺身と握りが来る。

「美味しいわ」

「素敵なお店ね」

由美子が酒に強いのは、何度かの成績発表会の後の二次会、三次会で知っていた。

美味しい刺身を摘まみ、握りを堪能しながら、二人で冷酒を一升近く飲んで一時間程経った。

色白の由美子の貌がほんのり染まっていた。

少し開き加減で酒に濡れた唇がひどくセクシーに視える。

会社の男達が由美子とセックスしたいと言っているのが判らなくはない。

しかし、由美子は私の好みのタイプではない。

鋭さを感じさせる貌立ちもだし、背が高いのも苦手だった。

と想った瞬間だった。

「係長、亮子とセックスしたでしょう」

由美子が上目遣いに私を視て、先刻観せた含み笑いを浮かべた。

あの含み笑いはこれを意味してたのか。

「何でそんな事知ってんだ?」

全く、女って、どうして男とセックスした事を話すのか?

「亮子とは親友なの」

例え親友でもだ。

私は過去交際った女性とのセックスを誰かに話した事は一度もなかった(現在、これを書いてはいますが)。


「私もして」

由美子が上目遣いのまま、真貌で言った。

やっぱりだ。

あの子とセックスしたのなら私もして、と言われたのは初めてではない。

過去にも何度かあった。

女というのはそんな風に考えるものなのか?

他の男は知らないが、私は、女性に対して、あの男とセックスしたならおれともしてくれ、などと言った事もないし、考えた事もなかった。

「良いよ。どうせ一度だけ、だろう?」

「そうね」

由美子が躊躇もせず応えた。


タクシーを拾い、何時も使う新宿2丁目のラブホテルに入る。

「あら、久しぶり」

何時ものおばちゃんが何時ものセリフを吐いた。

それしか、おれにいうセリフはないのか!

由美子がクスッと笑った。


部屋に入って由美子を抱き締めキスを貪る。

由美子は亮子より男性経験が豊富なようだった。

由美子は積極的な女性らしく、裸身にも自信があるのだろう、キスを交わしながら自分で洋服を脱ぎ始める。

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それを視て、私も洋服を脱ぐ。

確かに、グラビアなどで視るヌードモデルのような、豊かで型の良い乳房、絞ったように括れた腰、引き締まった尻肉、しなやかで長い脚をしていた。

黒のレースのブラジャーとショーツも自分で脱いでベッドに横たわる。

それでも恥じらいを現すかのように、乳房と恥毛の叢を両方の腕と掌で隠していた。

官能を覚えないうちから積極的で、自分から全裸になるような女性も好みではない。

ないが、しかし、ここに至って止める訳には行かない。

終電に間に合うように終わらせて帰りたい。

片腕で抱き締め、キスを繰り返しているうちに熱く喘ぎ始めた由美子の裸身を眺めながら、何時ものように、豊かではあるが引き締まった尻肉の下から伸ばした両掌で乳房を揉み立て、女性器全体を口に含んで吸い、女陰の襞とクリトリスを舐め、吸い立てる。

既にセックスを期待していたからであろう、開いた女陰の襞から流れ込んで来た愛液の淫猥な味が口一杯に拡がる。

「ああ、か、感じるわ」

由美子が乳房と女性器を私の愛撫に向かって突き出す。

私は由美子の裸身を逆向きに抱き上げた。

私の勃起がすぐに由美子の熱く蠢く口腔粘膜に包まれた。

フェラチオに馴れているのだろう、勃起のポイントを唇と舌で刺激して来る。

技巧的なフェラチオは好みではないが、勿論、快感がないはずはない。

眼の前で、滴り溢れた粘り気のある愛液に濡れ光り、蕩けて妖しくうねる女陰の襞が開いて愛撫を求めていた。

「ね、ねえっ、い、良いのっ。い、良いっ」

指で膣孔の縁を擦り立て、勃起したクリトリスを擦り立てると、由美子がしなやかな裸身を仰け反らせて勃起を吐き出し、指で扱きながら何度も熱く喘いだ。

膣孔に挿入した指で膣粘膜を擦り立てると、女陰の襞が蠢きを繰り返し、それに呼応して、剃り残されたままの疎らな恥毛に縁取られた茶褐色の肛孔がひくついていた。

由美子が、込み上げる快感に堪え切れず、勃起を完全に吐き出して指で扱きながら、裸身を仰け反らせる。

尚も愛撫を続けると、太腿と尻肉が痙攣を起こし始めた。

「い、いやっ、も、もうイクっ、イ、イクイクーッ」

由美子が裸身を折り畳むように悶えさせ、エクスタシーの絶頂を極めた。

少しの間、余韻を愉しんでいた由美子が再び唾液塗れにして私の勃起を愛撫する。

さっきより大きな唾液の濁音が響く。

夢中になった由美子のフェラチオも上手かった。

その物理的、生理的刺激だけで射精感が湧き起こる。

「中で出して良いのか?」

「な、中はっ、だ、だめっ」

私は急いで由美子を仰向けにし、太腿を大きく拡げて抱え、膣粘膜奥底まで貫いた勃起を激しく出し挿れさせた。

「す、すごいっ。ま、またっ、イ、イッちゃうようっ、ああっ、イ、イクッ、イクイクイクーッ」

シーツを両手でわし掴みにして裸身を痙攣させ、由美子がエクスタシーの絶頂を極めるのと同時に、私は愛液に滑る勃起を抜き出して由美子の乳房の上に跨り、由美子の美しい乳房の上に精液を噴出させた。

由美子は裸身を痙攣させ、眼を閉じて熱く喘ぎながら、精液を塗り込めるように自分の掌で乳房を撫で、揉み立てていた。


由美子とも、亮子同様、一度だけで終わった。

そんな、それ程想い入れもなかった、成り行きだけでセックスをした二人が、何故“記憶に残る女達”なのか、と言うと、二人とは後日談があるからだ。


33歳で結婚した浩美と3年後に別居し、離婚調停中だった私は、生涯を共にしようと決心した女性と出遭う。

現在の妻である。

翌年、課長に昇進した8月に知り合ってから週に2、3度も彼女と逢っていた淫蕩な私が、5ヶ月もの間手も握らず、彼女を視詰め続けて、生涯を共にするのはこの女性しかいないと決心し、クリスマスイヴの夜、彼女に告白して初めてセックスした。

翌日、私の住んでいたワンルームマンションに引っ越しさせて同棲、愛に充ち溢れた日々を満喫していた。


ゴールデンウィークのある日、私は彼女と山梨にドライブに行き、PAでコーヒーを買って、ベンチに掛けていた。

まもなくして、5台の750ccのオートバイが爆音を立てて走って来て、私達の傍に停まり、私達に向って歩み寄って来た。

黒の皮のツナギにフルフェイスのヘルメット。

どう視ても暴走族だ。

私は彼女に危害を加えられないかと、背後に庇った。

しかし。

「課長、こんにちは」

「珍しい処で遭いますね」

その5人がヘルメットを外した瞬間、私は胸を撫で降ろした。

5人とも私が勤務している不動産会社の女性社員だったのである。

社内で、“ナナハンレディース”と称して、女子社員の数人が、休日に750ccオートバイでツーリングしているという話は、聴いた事があった。

しかし、予断は許されなかった。

そのうちの二人は、亮子と由美子だったからだ。

案の定、亮子が、彼女に向かって微笑んだ。

「課長に何時もお世話になっています」

そして、由美子が私に微笑んだ。

「素敵な方ですね?羨ましいわ」

二人の笑顔に、意味ありげな色はなかったように記憶している。

5人はそれぞれトイレを済ませ、自販機で飲み物を買い、再びヘルメットを被って走り去った。


彼女は、その後はずっと、その出来事に関して何も言わないが、何か感じ取ったりしなかっただろうか?



(続く)





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