記憶の中の女達〜(35)最初に結婚した女-第73話
作家名:淫夢
文字数:約4360文字(第73話)
公開日:2022年2月25日
管理番号:k057
この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。
しかし何なんだろう?
「一度だけセックスしたい」と言い、本当に一度セックスしただけでいなくなる。
「結婚するから」その前に私とセックスしたい。
私とセックスして「人生をやり直す決心が付いた」。
「初めてのセックスは恋人とする前に上手な男性としたい」。
そして、そのほとんどが、私が一度だけで終わらせたくない女性ばかりだった。
“おれの気持ちはどうでも良いのかよ!”と叫びたい。
そして、今回の、数人のセックスフレンドの、突然の、一気の、心離れ。
女心というものが、数十年経った今でも判らない。
ホテルに行って互いに洋服を脱がせ合い、お湯を浴槽に張っている間に、彼女の裸身を抱き寄せる。
「ひと月も女に触れなくて、良く気が狂わなかったわね?」
私にしなだれかかった浩美のしなやかな裸身に触れ、乳房が胸を掠めただけで勃起してしまう。
彼女の乳房は小振りだが引き締まった砲弾型で、初めてセックスした頃より、随分膨らみを増していた。
それに気付いた彼女が勃起を握り締めて軽く扱いた。
「お前の写真のおかげでどうにかな」
私も彼女の乳房を揉み立て、既に滴った粘り気のある愛液に塗れた女陰の襞を指でなぞった。
「あんな恥ずかしいバカな願いを叶えてあげて、今日はあなたがおかしくなる前に抱かれに来てあげたのよ。感謝しなさい」
「はい」
頷いた私の貌を視て悪戯っ子のように微笑み、私の脚元にしゃがみ込む。
「おいたしないで、良い子ちゃんしてたのね?えらいわ。ご褒美よ」
彼女が緩やかに扱きながら、眼の前の私の勃起に囁き、いきなり咥え込んだ。
久しぶりに勃起が熱く濡れた口腔粘膜に包まれ、舌で翻弄される。
彼女も勿論久しぶりだろう。
彼女が私以外の男性とセックスするなど、想像も出来なかった。
美貌に恥じらいを浮かべ、しかし、夢中で舐め上げ、唾液塗れにして吸い立てる。
それだけでもう官能に塗れ、熱い喘ぎを洩らし始めた。
私も、彼女の美貌が勃起を愛撫する度に歪むのを視ているだけで射精感が込み上げて来る。
「浩美、出るぞ」
彼女は先端を咥え直し、幹に添えた指で扱き立てた。
痛みを感じる程強烈な射精が起こる。
私は彼女の頭を抱え、彼女の口を膣粘膜に見立てて腰を前後させ、夥しい精液を噴出させた。
彼女はくぐもった呻きを上げながら、喉を鳴らして飲み込んだ。
向かい合ってお湯に浸かりながら互いの性器を愛撫し合う。
「一泊だけか?」
「うん。ずっと一緒にいたいけどね」
「そうか。仕方ないな」
「大体ねー、あなたが、飲みまくりヤリまくりの生活してるから、私が寂しい想いをするのよ。これで少しは懲りてよね」
彼女はそう言うと、半分怒り貌で微笑みながら私の勃起を捻り上げた。
「わ、判った」
私も愛液に潤んだ膣粘膜に挿入していた指をしゃくり上げた。
ソファに掛けて冷えたビールで喉を潤す。
ふと彼女がベッドに横たわり、膝を立てた脚を大きく拡げた。
「み、視せてあげるから、退所するまで我慢してね」
本当に!
オナニーして視せてくれるのか。
彼女とセックスする関係になって一年以上経つが、オナニーをするのを視るのは初めてだった。
私はベッドに上がり、彼女の大きく拡げた脚の間にしゃがみ込んだ。
「い、いやっ、そ、そんな近くで視たら、は、恥ずかしい」
何時も口で女性器を愛撫する時はもちろん至近距離で視るので、ひどく淫猥に感じるが、この時は全体を一目で視る事が出来た。
「なあ、写真撮った時、感じてたんだろう?オナニーしたのか?」
「い、いやっ、い、言わないでっ。は、恥ずかしいっ」
からかうつもりで言ったのではなかった。
純真で直向きに私に想いをぶつけて来る彼女なら、オナニーしたはずだ。
「だ、だって、あ、あんな写真撮って、あ、あなたに送って、あ、あなたが視て、オ、オナニーするの、想像したら、た、堪んなくてっ」
彼女への愛おしさが込み上げて来る。
彼女は、一層熱く喘ぎながら片手で乳房を揉み立て、溢れ滴る愛液を頻りに塗した指先でクリトリスを揉み込み、妖しく開いた女陰の襞を擦り立てる。
女性器と肛孔の周囲を囲むように生えた恥毛が白い肌にへばり付き、肛孔の窄まりまで愛液が滴った。
「は、恥ずかしいけど、か、感じちゃうっ」
細かく痙攣し始めた裸身を捩り、快感を譫言のように熱く喘ぐ彼女が、堪らなく愛おしくなった。
女性器を口で愛撫しながら眺める光景も淫猥で刺激的だが、膝の間に蹲って、美貌と裸身全体と恥部の蠢きと両方眺めると、女性の美しさがさらに魅き立つ。
尻肉が少しずつ浮き上がり、さらに脚を大きく拡げ、愛撫している女性器を私に向かって突き出す。
「ね、ねえっ、い、良いっ、み、視てるのっ、ああ、イ、イクわっ、イ、イクイクイクッ、イクーッ」
ベッドの上でバウンドするようにのけ反り、エクスタシーに絶叫する。
尿孔から愛液が噴き出し、何度も飛沫いた。
彼女は、さらに大きく女性器を突き出し、クリトリスと女陰の襞を何度も擦り立てると、さらに夥しい愛液が間欠泉のように何度も噴き出していた。
余りに妖艶で美しい彼女の虜になった私は、痙攣を続ける彼女の裸身を抱き締めた。
熱い喘ぎを忙しなく吐き続ける唇を貪り、乳房を揉み立てる。
「オナニーでも潮を噴くようになったのか」
「は、恥ずかしい。あ、あなたが教えたのよ」
浩美が、熱い喘ぎを洩らし続ける唇を震わせた。
「そんなに感じたのか」
「す、すごかったっ、あ、あなたが視てるから。は、初めてよ。ひ、人前で、オ、オナニーなんてっ」
熱く喘いで、私に抱き付く。
「き、綺麗だった」
興奮で声が掠れた。
「ほ、惚れ直したでしょう?」
官能を浮かべて微笑む彼女の唇をもう一度貪り、乳房をきつく揉み立てる。
バンドを解散し、毎日酒を浴び、自由気ままに暮らしていて、数人のセックスフレンドがいる私を。それを知ったうえで凝りもせずに愛してくれている。
私のバカな要求に応じて、女性器の写真を何度も撮って送ってくれた。
挙げ句に、こんな遠くまで私に逢いに来てくれて、オナニーまでして視せてくれた。
愛おしさが込み上げる。
「あ、愛してるっ」
「う、嬉しいっ、初めて、愛してるって、言ってくれた」
彼女が涙を溢れさせた。
ふと気付く。
数えきれない程の女性と交際ったが、「愛してる」と告げたのは彼女が4人目だった。
蓉子、優依、千尋、そして彼女。
「ねぇ、し、して」
オナニーでのエクスタシーの痙攣が収まった彼女が私を促した。
彼女に覆い被さると、彼女は脚を折り曲げて宙に掲げ、私の尻肉に踵を宛がった。
彼女の唇を貪り、乳房を両手で揉み立てながら、彼女の妖艶なオナニーを視ていきり立った勃起で女陰の襞を開くと、彼女が勃起を操って先端を膣孔に導いた。
腰を進めて勃起の根元まで一気に貫く。
「ああっ、い、良いっ。う、嬉しいっ」
彼女は小さく喘ぎながら、根元まで咥え込んだ勃起をさらに奥まで咥え込もうと、尻肉を浮かせ、女性器を突き出し、踵で私の尻肉を引き寄せようとする。
「ああ、す、すごいっ」
挿入して抽送するまでもなく、彼女の膣粘膜がうねるように弛緩収縮を繰り返し、勃起を扱き立てた。
これが、女性の感情と快感が最高潮に達した時にだけ起こる膣粘膜の妖艶な蠢きであろう事を、過去に、蓉子、圭子、優依、志織のセックスで体験していた。
医学的根拠を調べた事はなかったので、私の想い過ごしかも知れなかったが。
ただこの現象が起こると、激しい動きは不要であるのは知っていた。
その膣粘膜の蠢きに意識を集中するだけで、私も彼女もエクスタシーに達する事が出来るはずだった。
「な、中が、う、動いてるっ。へ、変なのっ。か、勝手にっ、う、動いてっ、擦れてるっ」
彼女と数限りなくセックスしたが、初めて起こった。
彼女もこの初めて経験する自分の膣粘膜の妖しい蠢きを知って戸惑っていた。
「良いんだ。このままで動かなくても。お前も、おれもイクから」
私は彼女を諭すように静かにキスを繰り返し、髪を撫でてやった。
「ねぇ、わ、私っ、イ、イキそうよっ」
彼女の裸身が新たに痙攣を起こし始めた。
愛らしい唇が込み上げる熱い喘ぎに閉じる事が出来ない風情だった。
「おれもだ。中で大丈夫か?」
「だ、大丈夫っ。ほ、欲しいっ。な、中にっ、い、いやっ、す、すごいっ。イ、イクイクッ、イクーッ」
彼女が私にきつく抱き付き、エクスタシーの大波に飲まれた。
裸身が強烈な痙攣を繰り返し、愛液が止め処なく噴き出し、私の恥毛の叢と勃起の付け根に飛沫いた。
私も愛おしい彼女の妖艶な痴態に怺え切れず、彼女の膣粘膜奥底に夥しい精液を噴出させた。
三カ月後、無菌が証明された私は、退所する際、医者にひと月の自宅療養を指示されたので、良い機会だと想って運転免許を取り、オーナーの処に戻った。
オーナーは私に、“R/Z”は閉めて、自分の跡を継がせるから営業の仕事を覚えろ、と言った。
ロックの世界に挫折していた私は、オーナーのアドヴァイスに従って、人生をやり直そうと決め、英会話教材の販売会社に入社し、27歳にして生まれて初めてスーツとネクタイ姿になった。
浩美に“愛してる”と告白したものの、今までのように、週に一度程度しか来なかったので、今までのセックスフレンドのイメージが拭えず、生来の淫蕩の虫が蠢き出して、再び暴淫暴色の生活に戻っていた。
勤務先が新宿だったせいで、以前のセックスフレンドとばったり再会する事もあったが、もう彼女達と再び交際う気はなかった。
その後、英会話教材の販売会社が倒産して、失職した私は、営業の仕事の楽しさを知り、すぐに不動産会社に就職して二年、33歳になった。
浩美も高校、短大を卒業してM生命に就職、25歳になり、美しさを増していた。
不動産会社での営業が順調になった頃から、浩美が頻りに結婚を催促するようになった。
青春期、姉の死のショックで抱いた結婚に対してのこだわりはあったが、請われてする結婚は幸せになれるという俗説を聞かされ、オーナーや友人達の勧めもあり、彼女との結婚を決意する。
処が。
故郷から上京して来た両親を連れて、挨拶に彼女の家庭を訪ねた時、初めて知ったとんでもない格差。
浩美をTJ高校、短大に通わせていたのを、推して知るべきだった。
父親は「超」の付く大手企業の役員、母親はカルチャースクール経営、親類縁者も一流企業の幹部クラスばかり。
私に結婚を急かし、今回の私の決心を手放しで喜んだ母親でさえ尻込みする程だった。
それでも、私は友人達の羨む「逆玉」を信じて眼を瞑り、盛大な結婚式を挙げ、「マスオさん」になった。
しかし、やはり名家に、田舎の漁師町で生まれ、奔放に育ち、放蕩の限りを尽くしていた私の居場所はなかった。
石の上に座して3年我慢したが、涙を流す彼女を抱き締め、「幸せにしてあげたかったんだ」とだけ言い残し、ギターと着替えを詰めたバッグを担いで家を出た。
「愛してる」はずだった。
(続く)
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