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記憶の中の女達〜(35)最初に結婚した女-第72話



作家名:淫夢
文字数:約3230文字(第72話)
公開日:2022年2月18日
管理番号:k057


この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。



挿絵の官能小説画像

26歳の6月、それまでの暴飲と暴淫暴色が祟って、肋膜炎を患ってしまった。

医者が、肺結核かも知れないから、すぐに療養所に入れと言う。

“R/Z”のオーナーが、新宿での淫蕩生活を離れて“何もない処”!で、少しのんびりしろと言ったので、良い機会だからと考えて、勿論女浸りの生活に未練があったが、女浸りの生活だから病気になったのだと観念して、新宿を離れ、故郷の療養所に入所した。


療養所で、培養検査を毎月続け、陰性が三ヶ月続けば退所出来るようだった。

療養生活は退屈そのものだったが、それでも、療養仲間と花札や将棋をやったり、暇な時には持って行っていたワープロで小説(このシリーズです)を書き始めたりして、割と有意義に過ごした。

また、ベッドが隣だった広島の広域指定暴力団の幹部のおじさんに気に入られ、九時の消灯後、当直ナースさんの看廻りが済むと、二人で抜け出し、おじさんの愛人がやっているスナックに飲みに行ったりした。

おじさんは、スナックで働いている女の子で気に入ったのがいたら、金は要らないから抱いても良いと言ってくれたが、三人いた女性のどれも好みではなく、金が要らないというのも、何処か怪しい気がしたし、またヤクザ絡みの女性は、19歳の時、暴力団の組長の娘と警察署長の娘の高校生レズカップルと、組長の家でセックスして懲りていたので、丁重にお断りした。


入所して10日程経ったある日、セックスフレンドから手紙が来た。

名前は浩美。

TJ高校の3年生。

都内で有名なお嬢様高校だった。

嘘か本当か知らないが、朝晩の挨拶は「おはよう」「さようなら」ではなく、「ご機嫌いかが?」「御機嫌よう」と言うのだそうで、彼女はそうではなかったらしいが、ほとんどが自宅からハイヤーか運転手付きの自家用車で通学し、夏、冬、春の休みは、ほとんどが日本にいないという、私のような下々の人間には信じられないような都市伝説があった。


彼女達が高校2年生の頃、同級生達と一緒に“R/Z”に来るようになり、やがて常連になった。

浩美は華奢で可愛かったが、言動が控え目で、同級生達の中ではあまり目立つ存在ではなかった。

私が、彼女とセックスしたのは、響子と別れた頃だった。

彼女が時々独りで来るようになり、彼女がキープしたウィスキーを飲ませて貰い、良く話した。

勿論、浩美が“R/Z”に来るようになって1年以上経っていて、私の女癖はとっくにばれていた。

そんなある日。

「どっか連れてって」

かすかに期待してはいたものの、純情そうな浩美の口から意外な言葉が出た。

「どっか?って?ホテルでも良いのか?」

照れ臭くなって冗談半分に言う。

「う、うん、い、良い」

彼女が愛らしい貌を恥じらいに染めて頷いた。

「金ないぞ」

「私が出す」

さすが、TJ高校。


そして、ゲイバーに飲みに連れて行き、そのまま行き付けの2丁目のラヴホテルへ、という、あっけらかんとした成り行きで交際うようになっていた。

彼女は、男性経験は“最初の一人と三回した”と言い、その言葉通り、馴れてはいなかったが、私と週に一、二度セックスして、二月も経つと、自分から言葉にして私にセックスを求める程積極的になっていた。

また、セックスでエクスタシーの絶頂を極めるようになったからか、元々成長過程での要素があったからか、平凡な貌立ちだった浩美は、少しずつセクシーで美しくなって行った。

性格も、最初の頃は控え目だったが、次第に明るく活発になり、“S”に連れて行くと、常連達とも仲良くなり、彼等との猥談さえ平然と交わすようになっていた。

私がかつてセックスし、交際った女性で、彼女ほど貌立ちと性格が変貌した女性はいなかったと想う。

高校2年生、ちょうど女性が心身共に変化する時期になっていたのかも知れなかったが、セックスした他の女性達は、性的、肉体的に成長しただけで、性格までそんなに変わらなかったような気がする。


ストッキング01

蓉子は、私とセックスし、愛し合うようになっていきなり変貌したが、本来の性格を現わすようになっただけで、変わった訳ではなかった。

ソバカスの似合う健康的な少女だった優依も、フランスのファッション雑誌Vのモデルをしていたせいもあっただろうが、セックスするようになって妖艶ささえ感じる程に美貌が変容し、セックスに対する言動も変化したが、性格は知り合った頃からほとんど同じであった。


浩美はオーナーのお気に入りだったから、オーナーに私が入った療養所の住所を訊いたのだろう。

手紙の内容は、女の子らしく、私の病気の経過を心配している、とか、早く退所して戻って来て、とかいう、他愛のないものだった。

暇潰しに、取り敢えず返事を書こうと考えた時、欲求不満気味だった私は、ふと想い付いた。

「オナニーのネタにするから、お前のおま○ことおっぱいの写真を撮って送ってくれ」

計らずも一週間もしないうちに返事が来た。

「すけべ」とだけ大きくなぐり書きした便箋が一枚だったが、一枚のポラロイド写真が同封されていた。

それは真に視覚えのある彼女の女性器と乳房を、女性器の真下から映したポラロイド写真だった。

私は急いでトイレに行き、オナニーをして果てた。

しかし三日もすると飽きて来た。

調子付いた私はもう一度手紙を書いた。

「おま○こに指を挿れたドアップ三枚頼む」

また一週間程経って、同じく「すけべ」と書いた手紙が来た。

注文通り三枚。

一枚は乳房のドアップ。

自分で撮る事に興奮しているのか、形の良い乳房の皮膚が泡立ち、乳首が勃起している。

もう二枚は私の希望通り、女陰に指を挿入しているドアップ写真。

やはり興奮しているのだろう、膣孔に根元まで挿入した二本の指が潤んだ愛液に濡れ光っていて、頂上のクリトリスも勃起していた。

今度は一〇日程満足出来た。


ひと月経ち、培養検査の結果が出た。

陰性であった。

培養検査は三カ月あるので未だ退所は出来ないが、希望すれば外泊出来た。

実家に帰ると母親の愚痴を聞かされる。

浩美が逢いに来てくれないかな?

でも、いくら家が金持ちだからって、往復の旅費とホテル代で5万は掛かるから、無理だろうな。

そう想いながら、ものは試し、最初の手紙に書いてあった番号で電話した。

培養検査の結果が陰性で、外泊許可が出るようになった事を話す。

浩美はすごく喜んでくれた。

チャンス!

「夏休みだろう。写真じゃなくて、逢いに来て、オナニーして観せてくれ」

「何バカな事言ってんの」

浩美が鋭く拒んで、すぐに電話を切った。

やはりだめだった。


5日後、浩美が療養所に面会に来た。

まさか!

セクシーショーツ一覧02

本当に来てくれた。

近くにホテルを取ったと言った。

私は外泊許可を取った。

タクシーで繁華街まで行き、有名な鮨屋で酒を飲み、食事を採る。

ひと月の間、ほとんど病院食だったので、殊の外美味しく想えた。


「他の女に同じ事させてないでしょうね?」

食後にワインを飲みながら他愛ない話をしていると、いきなりワイングラス越しに浩美が私を睨んだ。

「してねえよ。手紙くれたの、お前だけだし」

「知ってるわ。オーナーが、あなたの療養先を訊いたの、私だけだって言ってたから。でも電話でっていう手もあるし」

「電話番号なんて知らねえって」


私は、交際っている女性の電話番号を本当に知らなかった。

私から電話をしなくても、彼女達が“R/Z”に電話をくれるか、直接来てくれていたので、不必要だった。

教えてくれた女性もいたが、メモを持ち歩くのも面倒だったし、自宅で親と一緒に暮らしている女性に電話掛けて親が出るのも厭だったし、独り暮らしをしている女性はほとんど電話がなかった。

長く愛し合った優依、千尋、志織の自宅の電話番号も、所在さえも知らなかったのだ。


「まあ、良いわ。信用してあげる。でも意外に冷たいのね?他の女の子達」

彼女は悪戯っぽく微笑んだ。

「そうだな」

私が健康だった頃は、セックスフレンドがダブる程“R/Z”に来てくれていたのに、病気になって、遠くに離れたとたんに音沙汰なしだ。

感染の恐れがある疑似結核という肋膜炎に罹ったからだろうか?



(続く)





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