記憶の中の女達〜(33)「明日の朝まで私だけのものになって」-第68話
作家名:淫夢
文字数:約3990文字(第68話)
公開日:2022年1月21日
管理番号:k057
この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。
どっちにしても久美子とセックスは出来るようだ。
しかし、女性に洋服を脱がされるのも、女性より先に全裸になるのも、ほとんど経験した事がない。
男根を未だセックスした事のない女性の視線に曝すのも、妙に居心地が悪い。
久美子が全裸にした私をベッドに圧し倒す。
私の貌を両掌で挟み、啄むようなキスを見舞って来た。
興奮し始めたのか、軽く喘いでいる。
久美子の唇を吸おうとすると逃げ、戻って来た唇の狭間に舌を挿入しようとすると逃げる。
何なんだ!
啄むようなキスを繰り返しながら、久美子が馴れない手付きで洋服を脱ぎ始めた。
しかし、不慣れなのであろう、片手ではなかなか洋服を脱ぐことが出来ず、久美子が私から離れて立ち上った。
想像していた通りの華奢な裸身、血管が青く透けるような白い肌、ピンクのブラジャーから弾けるように飛び出した、小振りだが引き締まって型の良い乳房、愛らしい小粒の乳首、ピンクのショーツから現れた、清楚な美貌からは想像出来ないほど、ショーツの縁からはみ出して淫猥に生え繁った恥毛の叢、引き締まった尻肉、しなやかな太腿。
久美子の美しい裸身を眼にしただけで、私は完全に勃起してしまっていた。
久美子が、再び啄むようなキスを繰り返した。
やはり、唇と舌を蠢かせようとすると唇を離し、抱き締めようとすると手を払い除ける。
私は、久美子のしたいようにさせて、成り行きを視る事にした。
少しして、今度は私の頸から肩へ、胸から腋、脇腹から腰骨へ、少しずつずらしながら手指と唇で愛撫する。
そして、腰骨から勃起へ来ると想った私の期待に反して、勃起を一瞥しただけで太腿に移動した。
私の全身を愛撫しようとしているのか。
女性に対して、乳房と女性器には触れず、全身を手指と口で愛撫した事は何度もあったし、そのお返しで同じように愛撫された事もあった。
しかし、女性から先に愛撫されるのは初めてだった。
男という性は、いや、私だけかも知れないが、局部への愛撫でしか性欲が湧かないものなのだ、と愛撫されながら何時も感じていたが、やはり、今久美子に全身を愛撫されていて、軽い心地良さがあるだけだった。
それでも、夢中で私の全身を愛撫してくれている久美子の裸身の蠢き、熱い喘ぎを洩らし始めた美貌、美しく揺れる乳房、自分で興奮して来たのだろう、垣間視える、滴った愛液に塗れ光る女陰。
私の性癖なのだが、それを視ているだけで、性欲は込み上げて来ていた。
勃起の付け根の奥で射精感が生まれる。
何時も私が女性の全身を愛撫し、女性が官能の坩堝に陥った処で、女性器を口に含んで愛撫したり、勃起で貫いたりしただけで、女性がエクスタシーの絶頂を極めていた。
今は、真に私がその立場にあった。
久美子の裸身を抱き締め、圧し倒して愛撫したい。
勃起を咥えさせて口の中に射精したい。
しかし。
久美子が今度は私を俯せにして裸身の裏側を愛撫し始めた。
何時も私が女性を性欲の虜にさせようとする際の愛撫の方法だった。
それまでは、久美子が意識的に、自分の乳房や恥部が私の裸身に触れないようにしていた。
今度は久美子の口と手指が這い上がって来るに連れ、乳房や恥毛の叢が私の脹ら脛や太腿を擦る。
久美子の裸身が私の上に重なり、唇が頸まで戻って来た。
私の勃起は既に、先端から滴った淫液が根元まで濡らし、触れなば陥ん状態にあった。
さらに射精感が強くなる。
久美子がやっと私を仰向けにした。
“久美子っ、ち○ぽ”
言葉が出そうになった私の唇を久美子の唇が塞いだ。
今度はさっきと違って、貪るようなキスだった。
さっきよりはるかに鼻息を粗くして呻いていた。
経験が豊かではないのが判る、ぎこちないキスであったが、夢中で私の唇を貪る久美子の官能に塗れた美貌が私の性欲を刺激する。
しかし、私が久美子の肩を抱き、乳房に触れようとする、その手を久美子がやはり払い退ける。
「だめっ」
久美子が、熱い喘ぎで閉ざす事が出来ない唇を震わせ、官能に塗れた美貌で私を睨み、再び私の唇と舌を貪り、吸う。
そして。
射精を堪えながら為すがままになっていると、久美子が裸身をずらし、やっと勃起の幹を指で支え、勃起の先端に唇を被せた。
上品で清楚な久美子の美貌が私の勃起を咥えて歪む。
勃起の根元近くまでが久美子の熱く蠢く口腔粘膜に包まれた。
あっと言う間に射精感が爆発した。
「出るっ」
私は久美子の口に向かって勃起を突き上げ、夥しい精液を噴出させた。
久美子が驚きもせず、幹を指で扱きながら、唇を窄めて吸い立て、くぐもった呻き声を何度も上げ、鼻息を荒げ、喉を鳴らして精液を飲み込む。
尚も勃起を扱き続けていた久美子を圧し倒そうとすると、今度も私の手を払い退けて、久美子が私の腰に跨がった。
激しく喘ぐ久美子が裸身を軽く震わせて太腿を大きく拡げ、自ら勃起の先端で女陰の襞を別け、膣孔に宛がうと、ゆっくり尻肉を沈めた。
「ああっ、す、すごいっ。イ、イクわっ、イ、イクイクーッ」
私の勃起を根元まで膣粘膜に咥え込んだ瞬間、久美子が激しく痙攣を起こした裸身を仰け反らせ、エクスタシーの絶頂を極めて叫んだ。
私の裸身を口と手指で愛撫し続け、そしてフェラチオを施して精液を飲んだ久美子も、極限まで昂まっていたのだ。
私の勃起を膣粘膜奥底まで咥え込んだまま、熱い喘ぎを洩らし続け、官能に塗れた美貌を逸らし、静止させて反らした裸身が何度も痙攣する。
「ああ、す、すごいっ。い、良いのっ、こ、こんなっ」
私の太腿に密着した尻肉がわずかに蠢くだけで裸身が痙攣し、その度に、久美子の膣粘膜が収縮弛緩を繰り返して勃起を翻弄する。
「ああっ、ま、またっ、イ、イッちゃうっ。だ、だめっ、イ、イクイクイクーッ」
久美子がわずかに尻肉を蠢かしただけで、小さなエクスタシーの波が連続して久美子を襲っているようだった。
その妖艶な久美子の痴態に、私は再び性欲に見舞われ、久美子の腰を抱えて下から勃起を衝き上げようとした。
「だ、だめっ、あ、あなたはじっとしててっ。わ、私が、す、するんだもん」
そうか!
そうだったのだ。
久美子が私に“私だけのものになって”と言った意味がやっと判った。
久美子は、私と単にセックスしたいだけではなかったのだ。
彼女は、私を自分の想い通りにしてセックスしたかったのだ。
私に愛撫されて性欲を充たされたいのではなかった。
自分の性欲のままに私を愛撫し、そうする事で性欲を充たしたかったのだ。
私は久美子の本意を理解して、再び久美子の為すがままになった。
暫く小刻みにエクスタシーの絶頂を愉しんでいた久美子が、再び湧き起こった性欲に導かれるまま、私の胸に両掌を着き、深さを変え、速さを変え、角度を変えて、尻肉を前後左右上下に振り立てた。
「い、良いのっ。す、すごいっ。こ、こんなっ、ああ、い、良いっ」
時折、裸身をうつ伏して、私の口に汗塗れの乳房を圧し付けて来る。
乳房を愛撫されたいのか。
応じてやろうと唇に含もうとするが、官能に潤んだ眼で私を睨み、すぐに離して眼を閉じ、熱い喘ぎを忙しなく洩らしながら、再び尻肉を振り立てる。
「ま、またっ、イ、イクわっ、イ、イッちゃうっ。イ、イクイクイクーッ」
「い、いやっ。イ、イクイクッ。だ、だめっ、す、すぐっ、イ、イクわっ。イ、イクイクイクーッ」
「わ、私っ。す、すごいのっ。こ、こんなのっ。い、良いーっ。イ、イクイクイクーッ」
何度エクスタシーの絶頂を極めたのだろう、最後には絶頂の叫びも声になっていなかった。
まるで窒息しそうな様で、眦から涙が滴り、熱い喘ぎに閉ざす事も出来ない唇の端から涎が滴った。
そして、私が二度目の射精を訴えるまで、幾度となくエクスタシーの絶頂を極め、私の射精と同時に失神していた。
翌朝目覚めると、私の腕の中の何時も視る久美子の上品な美貌が、カーテンを透かして挿し込む光を浴びて輝いていた。
今度は久美子を私の想い通りに愛撫してやりたい。
昨夜の、久美子の官能に塗れた美貌、エクスタシーの波に痙攣するしなやかな裸身、私の勃起を咥え込んだ愛液塗れの女性器が、脳裏に浮かぶ。
静かな息遣いに起伏する乳房に触れると、久美子が目覚めた。
軽く唇を啄む。
久美子が唇を開いて私の唇を受け容れ、吸い立て、私の口の中に舌を挿し入れて絡めて来る。
首の後ろから回した手で乳房を愛撫し、久美子の女性器を掌に包んで揉み込む。
「ああ、ほ、欲しくなっちゃうからっ、だ、だめっ」
久美子が熱く喘いで唇を震わせ、女性器を覆った私の手を払い除けて、太腿を閉じ、私の胸に貌を寄せた。
「今度はおれがしてやりたい」
乳房を強くわし掴みに揉み立てた。
その手を、また久美子が払い退け、腕枕を解いた。
「あ、あなたにされたら、わ、私、だ、だめになっちゃう」
払い退けられた手のやり場に困って髪を撫でてやる。
「良いじゃないか」
これから、久美子と何度でもセックスしたい。
「だめよ。私、来週結婚するんだから」
結婚?
もう久美子を抱けない?
いや、結婚しようと何しようと。
しかし、恋人がいる女性、セックスする相手が存在する女性とセックスするのは厭だった。
かつて、私とセックスして、それで踏ん切りを付けて恋人と別れた女性は何人かいた。
私とセックスした女性が、その後恋人ともセックスするのは、厭なのだ。
まして結婚するなら、尚更厭だ。
「結婚なんて止めろよ」
しかし、一週間後なら、無理だろう。
「結婚する前に一度だけで良いから、あなたと私の想い通りのセックスをしたかったの」
まただ。
一度だけ。
「想い通りにって?」
「私の勝手な想像だけど、あなたは女性とセックスする時、自分の想い通りにするでしょう?私は他の女性と同じようにされたくなかったの」
「何で?」
「あなたが私の事を忘れないように、よ。独りだけ、自分勝手なセックスをする女がいたな、って」
確かに、あれから40年経った今も、久美子の美貌と裸身、エクスタシーを極める痴態ははっきり憶えている。
(続く)
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