記憶の中の女達〜(26)美人姉妹-第52話
作家名:淫夢
文字数:約3470文字(第52話)
公開日:2021年9月24日
管理番号:k057
この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。
6月の初め、美穂という女性が常連になった。
3月末に沖縄から出て来て、昼間は喫茶店でバイトしていると言った。
ブロンドに染めたストレートヘアを肩まで伸ばしていて、何時も潤んでいるような切れ長の瞳と輪郭のはっきりした濡れたような唇がセクシーだった。
私より4歳年上だった。
“R/Z”はロック好きの沖縄の友人から聴いて来たと言った。
何度か来て馴染みになり、ボトルをキープした美穂からご馳走になるようになったある日、仕事を終えてからも暫く一緒に飲んでいると、美穂が言った。
「私、東京でここしか知らないの。何処か連れて行って」
“R/Z”や“S”で飲んでいる時、知り合った女性に“何処か連れて行って”と言われるのは、珍しい事ではなかった。
そして、飲みに行き、その後、大抵の場合セックスに至ったので、それは“セックスして”と同じニュアンスのように感じていた。
その言葉に何時も対応するように、冗談交じりで美穂に言った。
「その1、行き付けのジャズスナック、その2、行き付けのゲイバー、その3、行き付けのラブホテル」
美穂が楽しそうに眼を丸くして笑った。
「ゲイバーって興味ないわ。そうねえ、ラブホテルもお金要るから、私の部屋に来れば良いじゃない。取り敢えずジャズスナック行こう」
私の部屋!?
いきなりの美穂のあからさまな言葉に、私の方が驚いた。
美穂は恥じらって眼を伏せたが、微笑んでいても真貌だったし、酔った勢いでもなさそうだ。
美穂と連れ立って“S”に行く。
相変わらずのメンバーがいた。
「おー、今日は新顔だなー?」
奥で仲間達と飲んでいたHが大声を挙げた。
「お前ら、おれが連れて来る女の貌、みんな憶えてるのかよ」
美穂に、私の女癖がばれると、冷や汗を覚える。
奥で挙がる笑い声に反論しながら、楽しそうに笑っている美穂を隣に座らせてカウンターに腰を下ろす。
「このお兄ちゃんはねー、女一杯いるんだよねー」
カウンターに立っていたFが、私のボトルを出しながら、美穂に囁いた。
おい、何をぬかす。
“S”の連中は、不思議な事に、私が大切にしたいと想う女性と、ただのセックスフレンドの女性を嗅ぎ分けているようで、大切にしたい女性に対して、私の女癖を暴露するような発言はした事がなかった。
私の素振りで判っていたのだろうか?
それとも、女性の雰囲気で対応を変えていたのだろうか?
確かに、美穂は、私が恋人にするようなタイプの女性ではなく、セックスフレンドのイメージだった。
「そうみたいね。知ってるわ」
美穂が平然とした表情で、くすっと笑った。
ばれていた。
「あっ、ご存じなんですか?」
照れ臭さもあって笑ってごまかす。
それでも私とセックスするつもりなのか。
「四人くらい、視たわ」
「あっ、そうすか」
最近は“R/Z”でも“S”でも、優依の話は誰もしなくなっていた。
小一時間ほど皆でわいわい騒ぎながら飲んで“S”を出る。
さあ、どうするんだろう?
新宿駅中央口の切符売り場まで一緒に歩き、立ち止まった美穂の表情を窺う。
「来るでしょう?」
美穂が潤んだ瞳を私に向けた。
「良いのか?」
冗談交じりとは言え、最初に言い出した私の方が緊張している。
「最初に言ったでしょう?ホテル代に、ビール買って」
美穂が私の腕に抱き付いた。
華奢に想われた肢体の割りには豊かで引き締まった乳房が当たる。
「良いぜ」
美穂のアパートは高田馬場から5分ほどの処だった。
駅前の自販機でビールを買い込む。
時々訪れてセックスしているレズカップルの部屋と同じく、バスユニット付きの1DKで、奥の部屋に、畳んで重ねた布団が二組と洋服ダンス、DKには4人掛けのダイニングテーブルと冷蔵庫、テレビとステレオ、本棚とレコードラック。
違うのは、勉強机が無いくらいか。
喫茶店でアルバイトしている割りには豊かな生活をしているようだった。
「誰か一緒に住んでるのか?」
男の気配ではなかった。
「妹の玲子ちゃん、今頃は彼氏とデートじゃない?そのうち帰って来るわ」
妹がいるならセックス出来ないじゃないか。
妹が帰って来たからと言って、途中で止められるか。
妹が帰って来るまでに、急いで済ませるか。
美穂とのセックスを想像してジーパンの中の男根は力を漲らせていた。
「玲子ちゃんの事は気にしなくて良いわよ」
美穂がレコードラックからJames Taylorの“Mad Slide Slim”を取り出して掛けた。
「気にするよ。おれはナイーブなんだ」
美穂と隣り合わせに並んで缶ビールを開けると、美穂が笑って缶ビールを口に運んだ。
缶ビールを半分も飲まないうちに、美穂が私の肩に頭を預けて来た。
肩を抱いて美穂を視ると、眼を閉じて濡れたような唇を半開きにしていた。
その唇を貪るように吸い、舌をそよがせると、美穂も私に抱き付き、鼻を鳴らして舌を絡ませて来た。
美穂も、妹が帰って来るまでに済ませようと想っているのか。
妹が帰って来たら、その時はその時だ。
美穂が気にしないで良いと言ったのだ。
覚悟を決めよう。
セックスの真っ最中に帰って来たとして、視られても良い、という事だろう。
また、妹も、美穂が私とセックスしていても気にしない、という事だ。
今までも、他の男とそうした事があったのだろうか?
ふと、美穂が濡れた唇を離す。
「マスターが、初めてよ」
私の心を見透かしたように美穂が言うと、再び私の唇を吸い立てた。
キスは歳相応に巧みだった。
私は美穂のティーシャツを脱がせピンクのブラジャーを外した。
張りのある乳房が弾けるように飛び出して揺れた。
指で触れると、淡い茶褐色に色着いた乳輪の膨らみの頂上で、少し大き目の乳首が勃起していた。
私は両掌で乳房を揉み立て、乳首を吸い、舌先で弾き、転がした。
美穂が熱い喘ぎを洩らしながら私のティーシャツを脱がせる。
美穂のジーンズのミニスカートの裾が腰まで捲れた。
ピンクのショーツの中心をずらし、女陰に触れると、滴り溢れた愛液に塗れていた。
指先に軽く力を込めただけで、二本の指が滑って膣孔に吸い込まれる。
「ああ、い、良い」
美穂が手探りで私のジーパンのファスナーを降ろす。
私は一旦愛撫を中断し、美穂のミニスカートとショーツを脱がせ、ジーパンとパンツを脱いだ。
「お、奥、お布団で」
美穂が、再び愛撫しようとする私の手を引いた。
その場に洋服を脱ぎっぱなしにして奥の部屋に入り、美穂が忙しなく敷布団を拡げると、仰向けに横たわった。
美穂を逆向きに抱き上げると、すぐに勃起が美穂の熱い唇と舌の感触に襲われた。
キスの上手さから、セックスの経験もそれなりだろうと想っていたが、想像通り、巧みなフェラチオだった。
“S”での猥談に近い会話の受け応えに馴れているのは、そんな場面に何度も遭遇したからだろう。
彼女の妖艶な美貌も、セックス経験の豊富さに拠るものかも知れなかった。
美穂の女陰が私の口の中で蕩け、滲み出た粘り気のある愛液が口に流れ込んで来る。
美穂が、私の唇と舌がクリトリスと女陰の襞を掠める度に、勃起を愛撫している口を離して熱く喘ぐ。
しかし、私の方も、勃起の奥底に射精感が生まれる。
年上であろうが、初めてセックスする女性に対して、エクスタシーを極めさせるより先に射精するのは本意ではない。
腹に触れる豊かな乳房を揉み立てながら、愛液に濡れ光る美穂の女陰の襞を吸い立てて舌でなぞり上げ、指先でクリトリスを刮ぎ、揉み込む。
美穂が私の勃起を口に含んだまま、くぐもった快感の呻きを上げる。
女陰の襞が柔らかく蕩け、口を開けた膣孔に二本の指を挿入してクリトリスの裏側の、ざらっとした感触の膨らみと、その奥の柔らかな窪を交互にしゃくり上げる。
「い、いやっ、な、何っ?」
美穂が異様な快感に、初めて勃起から口を離し、怯えた喘ぎを洩らした。
経験はないようだったが、愛撫を続ければ潮を噴くだろう。
ふと、妹が隣に寝るのであれば、潮を噴いて布団がびしょ濡れになるのは、美穂が恥をかくのではないか。
美穂とのセックスがこの一度だけで終わらなければ、美穂に潮を噴かせて愉しむのは何時でも出来る。
私は、美穂が潮を噴きそうなポイントを愛撫するのは止め、普通に指で膣粘膜を擦り立て、クリトリスを吸い立てた。
「ああ、い、良いっ、か、感じるわっ」
美穂が込み上げる官能に再び喘ぎ始め、堪え切れなくなったのだろう、フェラチオを止めて唾液塗れの勃起を握り締めたまま、裸身を仰け反らせて引き締まった尻肉を浮かせ、私の指に向って頻りに女性器を突き出す。
指を抽送する度に愛液の淫猥な濁音が響き、私の指を咥えた膣孔から粘る糸を引いて溢れ、私の顎の辺りに滴った。
一気に激しい痙攣を起こした裸身が静止し、膣粘膜が強烈に収縮弛緩を繰り返す。
(続く)
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