記憶の中の女達〜(18)琴を弾く女-第37話
作家名:淫夢
文字数:約3570文字(第37話)
公開日:2021年6月11日
管理番号:k057
この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。
「良いのか?」
美郷がやはり眼を閉じたまま、頷いた。
私は、間抜けな問い掛けをしたことを恥じた。
キスを貪ると、美郷も応じて来た。
しばらくして唇を離すと、美郷が掠れた声で言った。
「あなたのお陰で、納得の行く演奏が出来るようになったわ」
「まさか、そのお礼か?」
そんな事で、セックスしたりはしないだろう。
「ううん。あなたに抱かれてみたかったの」
「恋人、いないのか?」
美郷ほどの女に、恋人がいないはずがない。
「来年の3月に学校を終了したら、故郷に帰って結婚するの」
「結婚?」
「許婚がいるの。もう10年近く前に決まってた」
「10年前って、未だ中学生だろう?」
「うん。両方とも古い家柄で、親同士が決めたんだけど、子供の頃から一緒に遊んだ人で、嫌いじゃないの」
「そんなの、止めちゃえよ」
私は、美郷を奪われるような気がした。
しかし、奪おうとしているのは、私の方だ。
「だから、結婚は止められないけど、でも、あなたを好きになって、抱かれたいって」
美郷が恥じらいを隠すように、唇をぶつけて来た。
もう一度キスを貪り合う。
美郷が想い出したように唇を離した。
「私みたいな女、ふしだらだと想うでしょう?」
「何で?」
「婚約者がいて、その人が好きで、セックスもしていて。でも結婚する前に、他に好きな人が出来て、その人と」
処女じゃないわけだ。
美郷が最後まで言い終わらないうちに、私は身体をずらし、美郷の美しい乳房を揉み立て、愛らしい乳首を吸ってやった。
「ああ、い、良いっ」
美郷が、言葉を継ぐ間もなく、悦びの声を上げて、私にしがみ付き、私の口に乳房を圧し着けた。
「ふしだらだとは想わねえよ。おれだって、女と交際っていても、良い女と出遭ったら、多分抱きたいって想う」
しかし、私は、蓉子と愛し合っている間、他の女には見向きもしなかった。
男だけでなく、女もやはり恋人がいても、恐らく結婚していてさえも、良い男だと感じたら抱かれたいと想うのだろう。
それは、ホモサピエンスの発祥から連綿と続く性の存り様ではないだろうか。
それが、人類が増え続け、発展し、現代に至った所以であろう。
昨今も、新聞や週刊誌、テレビなどで「不倫」「不倫」の見出しの大安売りだし、本やドラマのテーマでも氾濫している。
ただ、その性欲を「恋人だから」「結婚しているから」という縛りで抑え込んでいるだけなのだろう。
「うん。良いよね」
美郷が恥ずかしそうに微笑んだ。
当事者の私が否定するはずもない。
勃起した、それでも米粒のような美郷の乳首を啄み、舌で転がしながら、美郷のフレアスカートのホックを外して脱がした。
淡いブルーのブラジャーと同じデザインのパンティが顕わになった。
前面に施された刺繡を透かして、美郷の上品な美貌からは想像出来ない程淫猥に生え茂った恥毛の数本が、刺繍の隙間からはみ出して伸びていた。
「ああ、ね、ねえ、明るいから、は、恥ずかしい」
美郷が譜面を観ながら演奏するので、店の照明を一杯に点していた。
「だめだ。美郷の身体、おっぱいもおま〇こも、ちゃんと視たいんだ」
「ああ、は、恥ずかしい」
美郷が諦めて、眼を閉じた。
パンティを脱がそうとすると、美郷がしなやかな脚を拡げて尻肉を浮かした。
その瞬間、大きく寛げられた女性器が私の眼の前に突き出された。
男性経験の少なさを現すように、大陰唇はふっくらとしていて、小陰唇は、細長く狭かった。
太腿を拡げると、ぴったり合わさっていた小陰唇の襞が粘る愛液の糸を引いて開いた。
外側から深い紅色、淡い紅色、オレンジ色、濃いピンク色、淡いピンク色、様々な肉色に彩られた女陰は、滴り溢れる愛液に塗れて、鮮やかに色着いていた。
「ああ、そ、そんなに視ないでっ、は、恥ずかしいっ」
美郷が美しいしなやかな裸身を捩り、太腿を閉じようとした。
私はその太腿をさらに拡げ、女性器全体を口に含んで吸い立てた。
「ああーっ、い、良いっ、か、感じるっ、す、すごいっ」
性感は鋭いようだった。
美郷が裸身を激しく仰け反らせ、女性器を私の口に向かって突き出した。
太腿を抱き、引き締まった尻肉の下から伸ばした両手で、乳房を揉み立てながら、女陰の襞を吸い、舐め上げ、勃起した小さなクリトリスを舌先で弾き、擦り立てる。
「ね、ねえ、い、良いよう。か、感じるっ」
美郷がしなやかな裸身を反らして乳房を突き出し、尻肉を浮かして女性器を突き出し、官能に歪む美貌を仰け反らせて、火を吐くように熱く喘ぐ。
すぐに、美しい裸身が細やかな痙攣を起こし始めた。
「す、すごいの、か、感じるわっ、ああ、だ、だめよっ」
愛撫を一気に強く、速めてやる。
「だ、だめっ、イ、イクわっ。イ、イクイクイクーッ」
美郷が激しく痙攣する裸身を大きく仰け反らせて静止させ、エクスタシーの絶頂を極めた。
清純で上品な美郷の妖艶な痴態に、射精感が湧き起こる。
美郷に覆い被さり、熱い喘ぎを洩らして閉じる事が出来ない風情の唇を貪り吸う。
美郷が、くぐもった呻きを上げながら、応じて来た。
「ああ、わ、私っ、こんなに早くイッて、は、恥ずかしい」
息苦しくなって唇を離すと、美郷が官能に塗れた美貌に恥じらいを浮かべた。
「感じ易いんだな?婚約者が羨ましいよ」
私は本音を吐いて、乳房を貪り吸った。
「ああ、き、気持ち良いっ。彼の事は言わないで。い、今は、あ、あなただけっ」
美郷が未だ痙攣の名残りの残る裸身を仰け反らせて乳房を突き出した。
そうだな。
他の男の話は禁句だ。
「うん。判った」
元より、セックスする時は、二人だけの世界だ。
「ね、ねえ、も、もう、い、挿れて」
新たな官能が湧き起こったのか、美郷が挿入を催促した。
清楚で美しい美郷がエクスタシーの絶頂を極める時の美貌を至近距離で視ていたい。
私は美郷を抱いたまま、手探りで勃起を握り、先端で美郷の女陰を開き、膣孔に宛がった。
美郷が太腿を大きく拡げて掲げ、踵を私の尻に宛がった。
ゆっくり、勃起を膣粘膜に沈める。
「ああ、い、良いっ、か、感じるっ」
美郷が私の勃起を迎えいれようと、尻を浮かして女性器を突き出した。
そのまま根元までめり込ませて、膣粘膜奥底まで貫く。
熱く蕩け切った狭い膣粘膜が収縮弛緩を繰り返して、私の勃起を翻弄する。
眼を閉じて熱い喘ぎを洩らし、快感を貪って淫靡に歪む美郷の美貌を視詰めているだけで、射精感が込み上げて来た。
美郷の裸身が再び漣のような痙攣を起こし始めた。
「ね、ねえ、わ、私っ、ま、またっ、イ、イッちゃうよう」
もうだめだ。
限界を悟った私は、初めて勃起の抽送を始めた。
「中に出して良いのか?」
「うん、だ、出してっ、ああっ、イ、イクわっ、い、一緒にっ。ああ、イ、イクイクイクーッ」
美郷が激しく痙攣する裸身を折れそうな程仰け反らせて、エクスタシーの絶頂を極めた。
私は、勃起を激しく抽送させ、美郷の膣粘膜奥底に夥しい精液を噴出させていた。
美郷の裸身に覆い被さったまま、妖しく蠢く美郷の唇を貪っていて、私の勃起を愛撫しながら官能に歪む美郷の美貌を視たくなった。
「美郷、してくれ」
私は、仰向けになって美郷の貌を下半身に誘った。
膣粘膜から抜け出て萎え掛けていた男根が、美郷とキスを貪り合っている間に勃起していた。
美郷が裸身を起こし、私の勃起の根元を指で支え、眼を閉じて先端を咥えた。
勃起は、私の精液と美郷の愛液に塗れて、濡れ光っていた。
膣孔で射精した後の勃起をそのままフェラチオされたのは、蓉子以来だった。
蓉子は、私が望む事を何でもしてくれた。
いや、望まなくても、蓉子が自分で望めば何でもした。
美郷もやはり、婚約者にした事があるのだろうか?
美郷が躊躇もせずに、白い精液と愛液の絡む勃起の幹を夢中で舐め、しゃぶり、熱く喘ぐ美しい唇で咥えて窄め、美貌を歪めて扱く。
その美しくも淫猥な表情に、射精感が生まれ、一気に爆発した。
美郷がくぐもった呻き声を上げながら、私の射精を唇で感じ取っても離そうとせず、一層深く咥えた勃起を指で扱く。
私は美郷の口を女性器に見立てて、激しく尻肉を突き上げていた。
「私、あなたのギター、好きよ」
洋服を身に付けながら、美郷が私に言った。
「世界一流のギターだからな」
「違う。あなたの弾くフレーズが好きなの」
美郷が膨れっ面をして、唇を尖らせた。
セックスの後で官能の色が消えた美郷の美貌は、子供のように愛らしかった。
「あなた、自信持って良いわよ。私なんかが言うの、変だけど」
「そうかな?」
「うん。私、あの二人みたいな、譜面を追っかける形式ばった演奏より、あなたみたいな感性に従った演奏の方がずっと好き」
美郷が照れ臭そうに微笑み、背伸びして、もう一度私にキスをねだった
抱き締めて永いキスを貪る。
その美郷の美貌を視たのはそれが最後だった。
「美郷はバンド辞めるって」
美郷は、次のスタジオリハーサルに姿を現さなかった。
私は美郷の言葉を信じて、二人と訣別した。
(続く)
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