記憶の中の女達〜(14)有名俳優の愛人-第29話
作家名:淫夢
文字数:約3460文字(第29話)
公開日:2021年4月9日
管理番号:k057
この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。
今まで体験した女性の比ではなかった。
あの男に仕込まれたのであろう。
いや、それ以前から、セックス体験が豊富なのか。
再び嫉妬に近い性衝動が湧き起こった。
私は、紗子の女陰の襞を吸い立て、舌でこそぎ、親指で勃起して包皮から剥き出しになったクリトリスを転がし、揉み込んだ。
紗子が私の上で裸身を悶えさせるが、勃起を口から離そうとはせず、尚も窄めた唇と指で扱き立てた。
余りの巧みな刺激に、射精感が込み上げる。
紗子の裸身も、エクスタシーの前兆で、小刻みに痙攣し始めた。
私は尚も愛撫を続けた。
“イクな”
「出すぞ」
エクスタシーの絶頂を極めた紗子が獣のようにくぐもった呻きを上げ、裸身を大きく仰け反らせて静止させた瞬間、私は紗子の口の中に夥しい精液を噴出させていた。
二人の粗い呼吸がゆっくりと収まって行く間、私は尚も紗子の女性器を口に含んで吸い立て、紗子も私の勃起を咥えたまま吸い立て、しゃぶっていた。
「お湯、溜まってるわよ。行こう」
紗子が掠れた声で言い、裸身を起こした。
一緒に浴室に入る。
初めて紗子の裸身全体を視た。
やはり美しかった。
初めてセックスしようとする妖艶な大人の女性だった。
この美しい裸身を、あの男が。
また嫉妬が湧き上がるが、そもそも私の愛人ではない。
しかし、一度セックスしてしまうと、自分の女であるように錯覚してしまう。
紗子が浴槽の縁に置いてあった髪留めを手にして、長い髪をアップに纏めた。
汗でほつれ毛が貼り付いた項が酷くセクシーだった。
私は紗子のしなやかな片脚を抱えて浴槽の縁に立たせ、片手で腰を抱いて、乳房を口で愛撫しながら、二本の指を紗子の膣孔に潜らせた。
「ああ、か、感じるっ。それっ」
紗子が小さく叫んで、裸身を捩り、私の指に向かって女性器を突き出した。
私は、紗子の膣孔の、クリトリスの裏側にあるざらっとした起伏を指の腹でゆっくりとしゃくり上げた。
「そ、そこっ、すごく感じる。やっぱり、吉田くんって上手なのね?さ、さっきも。わ、私っ、あ、あんなに早くイクなんて」
私は無言で愛撫を続けた。
ふと、さっきの私の愛撫で一気にエクスタシーの絶頂を極めた紗子の反応が、今までの女性ほど反応しない事に気付いた。
私は、少し焦ってしゃくりを強くしてみたが、紗子は私の指のしゃくりに併せて尻肉を振り立てて快感を貪っているだけで、「潮を噴く」気配がない。
指をしゃくる度に鳴る淫猥な愛液の濁音も粘り気のあるまま、しなやかな裸身を悶えさせるが、痙攣を起こす気配もない。
「あ、ああ、わ、私に、し、潮を噴かせたいのねっ。い、良いわっ。そ、その、も、もう少し奥よ、し、してっ」
紗子が焦れたように女性器を突き出した。
紗子に促されるまま、私は何時もしゃくり立てる起伏の奥、指を付け根まで潜らせて折り曲げた指先に触れる柔らかい窪みをしゃくってみた。
「ああっ、そ、そこよっ、そこされると、私っ、へ、変になるのっ」
紗子の裸身がいきなり、感電したように震え、一気に小刻みに痙攣し始めた。
すぐに愛液の濁音が水音に変わった。
紗子の裸身が激しい痙攣を起こし、紗子の尿孔から、愛液が噴き出し、私の掌に飛沫いた。
「い、いやーっ、イ、イクーッ、イクイクーッ」
紗子がエクスタシーの絶頂を極め、女性器を私の愛撫に向って突き出し、静止した裸身を何度も痙攣させた。
その度に尿孔から間歇泉のように愛液が噴き出し、私の掌で飛沫いて私の身体や紗子の太腿、さらには乳房にさえ降り注いだ。
女性が「潮を噴く」のは、クリトリスの裏側の起伏だけではなかった。
その奥の柔らかい窪みをしゃくって「潮を噴く」女性もいるのだ。
私は尚も紗子の膣粘膜の奥の柔らかい窪みをしゃくり続けた。
「ああ、ま、またっ、で、出ちゃうよーっ、いやーっ、で、出るっ。イ、イクッ、イクーッ」
紗子が子供のように甘えた声で叫び、静止した裸身を激しく痙攣させ、何度も愛液を飛沫かせた。
私は紗子の脚元にしゃがみ込み、紗子の女陰とクリトリスを舌で愛撫しながら指をしゃくり続け、噴出する愛液を飲み込んだ。
紗子がついに裸身を崩して浴室の床に倒れ込んだ。
私は、紗子の女性器を掌で弄りながら、紗子に覆い被さり、熱い喘ぎを洩らして閉じる事の出来ない紗子の唇を塞いで、口に含んだままの紗子の愛液を注ぎ込んだ。
紗子が一瞬驚いたが、眼を閉じて鼻を鳴らしながら愛液を飲み込んだ。
紗子を抱き起こして一緒に湯船に浸かる。
後ろから抱いて乳房を緩やかに愛撫し、女性器を掌で包んで揉み込んでやる。
紗子が熱く喘いで私に抱き着いた。
「あなたって、若いくせに、真面目そうなくせにいやらしいのね?」
紗子が後ろ手に未だに勢いを失わない勃起を握って緩やかに扱いた。
紗子に、若い、と言われても、何故か子供扱いされている気はしなかった。
私が、紗子を大人の女性だと認識していたからか。
「ああ、おれはいやらしいんだ」
「お店の常連の女の人と付き合ってるでしょう?二人も。だから、多分上手だろうなって想像してたの」
紗子が私を誘って、立ち上がった。
身体を拭いて、全裸のままソファーに掛けて抱き合い、ヘネシーを飲みながら、互いの性器を愛撫し合う。
紗子の女陰が新たに溢れ滴った愛液に潤んで私の指が滑り、私の勃起の先端の媚孔から淫液が滲み出て、紗子の掌が滑る。
ヘネシーを一気に煽ると、抱き合ってベッドに行く。
ベッドに振り撒いているのであろうセクシーな香水が、二人を包んだ。
腋毛を伸ばして、そのせいで匂う腋臭を隠すためにオードトワレを遣っていた女性を想い出した。
あのオードトワレの薫りは爽やかだったが、この香水はもっと性欲を刺激するような薫りだった。
このベッドで、あの男が紗子を抱いて。
私は再び湧き起こった嫉妬に駆られて、紗子に覆い被さった。
紗子がしなやかな脚を宙に掲げ、太腿を開いて女性器を晒した。
私はその中心に勃起を突き立て、熱く潤って蠢く膣粘膜奥底まで貫いた。
紗子が、大きく拡げて宙に掲げた両脚の踵を私の尻肉に充て、自分の性欲のままリズムを取るように屈伸し始める。
自分の快感の昂まりに併せて、私をリードしている。
かつてセックスで自分が女性をリードして女性を絶頂に導いていた私は癪に障ったが、紗子は私より経験豊富な大人の女性だ。私は為すがままになって併せた。
紗子はさらに、前後左右上下に浮かせた尻肉を振り立て、美しい裸身を悶えさせ、熱い喘ぎを洩らして快感を貪る。
「ねえ、も、もう、イ、イクわっ。い、一緒にっ。な、中に頂戴っ」
紗子の蠢きが一気に速まった。
「だ、出すぞっ」
余りに妖艶な紗子の痴態に煽られた私は、勃起を紗子の膣粘膜奥底までめり込ませるようにして、夥しく射精した。
「ああ、で、出てるっ。い、一杯っ。イ、イクっ。イクイクイクーッ」
紗子が私にしがみ付いて極限まで尻肉を掲げ、女性器を私の勃起に向って突き出し、痙攣する裸身を静止させた。
「私、あいつと別れて、故郷に帰るわ。仕事も辞める。もう一度人生をやり直すの」
翌朝、紗子がさっぱりした表情で私に言った。
また、あの腋臭の女性を想い出した。
彼女も私とセックスして、同じ事を言った。
私は、過去、「一度だけで良いから、セックスしてみたかった」と女性に言われてセックスした事が数限りなくある。
そして、そのほとんどが例外なく、私の本意、不本意に拘らず、本当に一度だけで終わってしまっていた。
何故、女性が私に対して、一度だけで良いからセックスしてみたいと感じるのか、そして何故、二度目がないのか。
私とのセックスに幻滅したからだろうか?
正直な処、そうは想いたくないし、実際、ずっと交際った女性が何人もいる。
私は、女性との出遭いは比較的ぶっきらぼうだが、セックスの中身に関しては丁寧だと自負している。
また、私とセックスして「人生をやり直す」「故郷に帰る」と決めた、という女性も数人いた。
「結婚する前に、一度だけ、貴方と」という女性も何人かいた。
それも何故なのだろうと想うが、判らない。
「人生をやり直そう」と考えていた時、たまたま私がいて、その踏ん切りとして私とセックスするのだろうか?
他の女性も、他の男性と「一度だけで良いからしてみたい」とセックスして、二度目を求めなかったりするのだろうか?
「人生をやり直したい」と、考えている時に、その際、気に入った男性とセックスして、それを最後に吹っ切れて、本当に新たな人生を歩み始めるのだろうか?
それも判らない。
訊いてみても、恐らく応えてはくれなかっただろうし、応えてくれても、真実は知る事が出来なかっただろう。
未だに、判らないままである。
(続く)
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