記憶の中の女達〜(14)有名俳優の愛人-第28話
作家名:淫夢
文字数:約3560文字(第28話)
公開日:2021年4月2日
管理番号:k057
この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。
“R”が、有名俳優や著名人の常連客が多かったせいで、老舗並みに流行っていたからであろう、“R”が店仕舞いするという話は、あっと言う間に新宿2丁目を駆け巡って、連夜、狭い店内が満席になっていた。
ある夜、オーナーが疲れたからと言って、先にマンションに帰り、私とオーナーの恋人の二人で店を回していた。
「店仕舞いするって知ったら、皆やって来るね。オーナーの策略だったりして」
恋人クンが、含み笑いしながら言った。
彼は、ホモの常連客達とは違って、「おねえ言葉」は遣わなかった。
オーナー自身がそもそも「おねえ」系じゃなく、好みも若い普通の男の子だったからである。
「そうだな。オヤジ、キレるからな。一年中閉店、閉店って貼り紙してやっとけば良い」
私も、同感であった。
2時近くなってやっと客足も絶え、恋人クンはオーナーの待つマンションへ、私は今夜は“S”に飲みに行こうと、閉店の後片付けを始めようとしていた。
そんな時、ドアが開いて紗子が珍しく独りでやって来た。
「もうお終い?ちょっと飲ませてよ」
紗子がカウンターの私の前に座った。
「良いよ。おっさんはどうした?どっかで飲んで来たのか?」
私は彼女のパトロンのボトルと水割りのセットを出して、水割りを作ってやった。
「もう、知らないから」
紗子が呟き、不貞腐れた表情で水割りを一気呑みした。
「どうした?紗子がそんなになるなんて珍しいな」
お代わりを作って出してやる。
「あいつ、他に女がいたのよ。悔しいわ。許せない」
「へえ、何で判ったの?」
「さっき“L”に行ったのよ。店休んで友達と飲んだ帰り。あいつと何度も行って、ボトルもあったから。今日は独りで。そしたら、あいつがいて、ボックスで若い女を抱いて飲んでたの。まさか、私が独りで来るとは想ってもいなかったみたい。慌てて離れたけど、手遅れよね?」
「ばっかだなあ。あのおっさんも」
“女を連れて行く行き付けの店に他の女を連れて行っていちゃつくなんて”
と、後の言葉は飲み込んだ。
私も、これを「他山の石」にしなければならないと悟った。
おばちゃんとおねえさんとの関係は別格だった.
「あのおっさん」とは、テレビや芸能界にそれほど興味のない私でも、何度かテレビで観た事のある俳優である。
50歳くらいで、二枚目で声もシブく、年代を超えて女性から人気があった。
妻も有名な美人女優で、男性女性ともにファンが多かった。
“R”には、月に2、3度来ていたが、常に紗子を連れ立っていた。
紗子は30歳手前くらいだろうか、何時も胸の開いたドレスか、ワンピースを着ていて、その胸元から覗く谷間が、それ程大きくはないが形の良い乳房を想像させた。
化粧は割と濃かったが、整った下地を壊す程ではなく、また酒の飲み方、立ち振る舞いも上品そうで、赤坂のクラブのホステスだと自分で言っていた記憶がある。
「吉田くん、ねえ、今夜、私と交際って」
紗子がグラスを一気に空けると、その濡れた唇を開いた。
「おれが?紗子と?」
「そう、あいつ、今頃あの女とセックスしてるわ。私も浮気してやるんだ。他の男とセックスしてやるんだ」
紗子の呂律が少し回らなくなっていた。
「おれなんかで良いのか?」
「“R”、店仕舞いするんだってね。そうなったら、吉田くんとももう会えないじゃない。一度吉田くんに抱かれてみたいって、想ってたんだよぉ」
かなり酔っぱらって来たようで、紗子が子供のように口を尖らせた。
「ぼく、先に帰って良い?」
片付けが大方終わったのか、雰囲気を察した恋人クンが、小さな声で私に尋ねた。
「良いよ。おれ独りで大丈夫だから、帰ってオヤジを抱っこしてやりなよ」
純情な恋人クンが頬を染めて出て行った。
他人の女に手を出すのは本意ではなかった。
まして相手が常連客なら尚更だ。
セックスした女が、その後に他の男と一緒に来て、眼の前で仲良くしているのを見せ付けられるのは厭だった。
しかし、こうなると話は別だ。
暫く、素人っぽい女性ばかりが相手で、年上の妖艶な女性と濃厚なセックスしなくなって久しかった。
紗子はかねてより、一度は抱いてみたいと想ってた女だ。
紗子も同様に感じていたなら、申し分のない状況であった。
「おれで良いのか?」
もう一度念を押した。
「吉田くんが良いのぉ。あなたとしたかったのぉ」
「店閉めるから待ってろ」
と言っても、看板を仕舞うだけで、洗い物や片付けは、明日開店前にすれば良かった。
看板を仕舞って戻り、カウンターに座っている紗子を背後から抱いた。
紗子が驚いた様子で、しかし逃れようとはせず、むしろ背中を反らした。
私はドレスの上から乳房をわし掴みに揉み立て、半身になって美貌を振り向けた紗子の唇を貪ると、カウンターの椅子が回転して、紗子が私に向き直って応じて来た。
一気に熱く喘ぎ始めた紗子の妖しく蠢く唇と舌が、興奮を呼び起こす。
広いドレスの胸元から手を挿し入れて、ブラジャーの中に潜らせ、乳房を軽く揉み立てる。
型の良さそうな弾力に富んだ乳房が、私の掌で歪み、乳首が私の掌で転がって勃起した。
「ああ、か、感じるわっ。こ、ここで、するの?」
こみ上げる官能の喘ぎに苦しくなった紗子が、唇を離して震わせる。
「何処でも良いぜ。お前、何処が良い?」
年上の紗子に対しても、何時もタメ口をきいていたせいか、「お前」呼ばわりしても紗子は表情を変えなかった。
「私の部屋に来て。何時もあいつとするベッドで、吉田くんとセックスしてやるんだ」
紗子が少しきつい表情で、きっぱり言った。
店を閉めて、新宿通りまで歩く。
紗子が後ろから私の腕を取った。
さっき掌で潰れた弾力に富んだ乳房が私の肘を圧した。
タクシーに乗り込むとすぐ、紗子が私の肩に頬を載せ、私のジーンズのボタンを外してファスナーを降ろし、パンツの中に手を潜らせて来た。
“おい。ここはマズいだろう?”
私も運転手の耳目を気にしながら、それでも、紗子の首から回した手を紗子のドレスの縁から潜らせ、再び乳房を直接揉み立てる。
紗子の乳房は汗ばんでいて、私の掌にしっとり吸い付くようだった。
勃起している乳首が掌で転がった。
紗子の密やかな熱い喘ぎが私の首筋に噴き掛かる。
私の男根が紗子の掌の中で一気に勃起した。
紗子が勃起をジーンズから取り出して、緩やかに扱く。
当然のごとく、勃起の扱い方も馴れていた。
何時か抱きたいと、何時も想っていた、妖艶な大人の女だ。
その紗子と、今からセックスする。
それを想像するだけで、射精感が込み上げて来る。
「紗子。だめだ」
タクシーの中で射精するなんて、幾ら何でも。
私は、紗子の手を払い除けて、勃起をパンツの中に戻そうとした。
しかし、紗子の手がそれを許さなかった。
「着きましたよ」
しかし、すぐに助け船たる運転手の声がした。
紗子が勃起から手を離し、バッグから財布を取り出して金を払う。
私はほっとして勃起を仕舞い込んだ。
四谷駅前を左折したのは覚えていた。
しかしその先は、それ処ではなかったので、紗子のマンションの所在は判らなかったが、閑静な住宅街の一角にある、4階建ての瀟洒で重厚な造りのマンションだった。
そこの最上階までエレベーターで上がる。
エレベーターの中でも、紗子は私にしな垂れかかり、肩を抱いてやっている私の勃起を、ジーンズの上から撫で擦った。
部屋に入ってリヴィングに通され、ソファーに腰掛ける。
リヴィングの灯りで、奥の部屋の赤いカバーを掛けたセミダブルのベッドが浮かび上がった。
“あのおっさんが、紗子をあのベッドで”
私の恋人でもないのに、厚かましい嫉妬に似た性衝動が湧き起こる。
浴室の方角で、水音がして、紗子が出て来た。
ブランディグラスを二つと、ヘネシーのボトルを手にして、紗子が隣に座る。
私は、グラスにヘネシーを注ごうとした紗子を圧し倒した。
「か、身体、よ、汚れてるわ」
「お前の汚れたおま〇こ舐めてやるよ」
「ああ、よ、吉田くんって、真面目そうな顔していやらしいのね?」
紗子が私に躰を委ねた。
「そう。おれはスケベなんだ」
紗子とキスを貪り合いながら、紗子を全裸にする。
乳房と乳首が透けるセクシーな黒のシルクのブラジャーを外すと、先程掌で確かめた美しい型の紗子の乳房が、仰向けになってもその型を崩さずに揺れた。
黒のパンティを脱がすと、きれいに手入れされた恥毛の叢が申し訳程度に生えていた。
乳房を手と口で愛撫し始めると、紗子が私の愛撫から乳房が離れないよう、器用に私のワイシャツとジーンズを脱がした。
身体をずらして紗子の女性器に貌を寄せると、紗子が私を仰向けにして逆向きに覆い被さり、私の勃起を掌で包んだ。
紗子の女性器を口一杯に含み、吸い立て、舌を戦がせると、溢れ滴っていた粘り気のある愛液が口に流れ込んで来る。
紗子が、時折くぐもった官能の悲鳴を上げながら、唇と舌で私の勃起を愛撫する。
やはり巧みであった。
(続く)
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