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記憶の中の女達〜(13)マンションの屋上で-第26話



作家名:淫夢
文字数:約3250文字(第26話)
公開日:2021年3月19日
管理番号:k057


この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。



挿絵の官能小説画像

ロックスペース探しは難航していた。

不動産屋の薦める物件は全部観た。

同じ物件を2度、3度観た事もある。

それでもなかなか決心が付かない。

これ!という強烈なイメージが湧いて来なかったのだ。


疲れた私は久しぶりに午後から“F”に入り浸った。

煙草を喫いながらぼんやりしていると、一人の女が眼の前に立った。

「座って良い?」

化粧は濃いが、私と同い年くらいか、少し下か?

ここで何度か観掛けた事のある女だった。

「良いぜ」

脚のきれいな女だという印象があった。

ジーンズのタイトミニから剥き出しの女の脚を視る。

女が私の正面に座った。

やはりきれいな脚をしていた。


最近は細くて長い脚がもて囃されるが、私はそうは想わない。

過去、日本で、食事は座卓を囲んで畳に正座して摂っていたが、欧米化が進み、子供の頃からイスに掛けてテーブルで食事をしたり、家庭での勉強も畳の上でなく、脚の長い勉強机でするようになったので、若者の脚が細く長くなったと宣う、〇〇評論家という名札を付けた輩が多くなった。

しかし、当然のように、昔から脚が細くて長く、美しい女性はいた。

中学時代の初恋の同級生、中学高校時代の男子のアイドルであったが、彼女のベッドに潜り込んで残り香を嗅いだり、引き出しを開けて彼女の下着を手に取ったりしていた、1歳上の幼馴染、高校3年の時に告白されて交際した2歳下の美少女。

3人とも、中肉中背だったが、美しい脚をしていた。


大体、脚というのは、細くて長ければ美しい、素晴らしいというものではない。

私の理想の美脚とは、先ず、直立姿勢を正面から視た場合に、両脚の付け根から足首までの中心線が真っ直ぐである事。

そして、側面から視た場合も同様に、骨盤の張りから足首までが真っ直ぐである事。

一直線である事はほぼあり得ないのだが、ほぼ直線に近い形状であるという事だ。

さらにこれが最も肝心なのだが、太腿と脹脛の内外に適度な肉が付いていて、美しい曲線を描いている事。

このしなやかな曲線を描く肉付きこそが、女性の女性たる美脚の象徴であるのだ。

長い脚が真っ直ぐに近くても、太腿と脹脛の内側が空いていたり、横から視ると曲がっていたりする女性は多い。


“この女の脚はきれいだな”

頼んだコーヒーが運ばれて来て、一口飲むまで、私は女の脚に視惚れていた。

彼女も視せ付けるつもりはないのだろうが、膝頭を併せても太腿の奥のピンクのパンティが覘いていた。

「パンティ、視えてるぞ」

女の脚に視惚れていた私は照れ臭くなって視線を逸らし、煙草に火を点けた。

「あなたに視せてんのよ」

女が微笑みながら嘯いた。

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「おれに?」

「うん。あなた、俊子と久美と三人で、俊子の家でセックスしたんだってね?」

「俊子?久美?ああ、あの二人か」

以前、知らなかったとは言え、暴力団の組長の家で、組長の娘と、そしてそのレズ相手であった警察署長の娘と三人でセックスした。

その翌朝の帰り、その事実を知った時の恐怖が蘇る。

「何で知ってんだ?」

「私、あの二人と同級生なの。何でも話す仲良し」

やはり、未だ高校生か。

「あの二人、最近視ないけど、ここに来てないのか?」

二度と逢いたくないが。

「あの子達、今渋谷で遊んでるわ」

「お前は?」

「私も、大抵何時も一緒だけど、時々あなたとセックスしてみたいって想って独りでここに来てた。そのうち遭えるかなって」

女が、少しはにかみながら微笑んだ。

大胆な事を貌色一つ変えないで平気で言う。

さすが、俊子と久美の親友だけの事はある。

「何で。おれなんだ?」

「あなた、上手なんですってね?あの子達が言ってた」

「そんなの知るか」

「ねえ、私とじゃ、厭?」

化粧は濃いが、貌立ちは多分、そんなに悪くない。

スタイルは抜群だ。

乳房も、厭に感じる程豊かではない。

何と言っても、ここ10日ほどセックスしていなかった。

まして俊子と久美とセックスしておいて、二人の親友だという彼女としないのは不公平だと想う。

求められて応じないのは失礼だ。

「良いぜ。今から?」

「今から」

「何処で?」

「ホテルは厭。外でしてみたい」

「した事あるのか?」

「あるわ。夜だけど、公園で。すっごく興奮したの」

さすが、あの二人にこの女だ。

類は類を呼ぶ、の格言通りだ。

「未だ、昼前だぞ」

「ねえ、どっか探して」

「名前は?」

「敦子」

歩いていたら、何処か想い付くだろう。

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一緒に“F”を出ると、敦子がすぐに腕を絡めて来た。

想像した通り、あの二人程豊かな乳房ではないが、引き締まった乳房が肘に触れる。

外でセックスなどした事はない。

デパートのトイレでした事があったが、所謂、純然たる「外で」ではない。

敦子の言う「外で」とは、あくまでも屋外の事であろう。

取り敢えず、新宿御苑に行こう。

そして人目の少ない処で、場合によっては日が暮れるのを待っても良い。

新宿通りを歩いていて、ふと想い付いた。


オーナーのマンションの屋上。

オーナーのマンションは12階建てで、当時の新宿でも高層の部類だった。

周辺に高い建物はないから、周囲からは視られない。

エレベーターの塔屋の陰に入れば、住人が上がって来ても視られる心配はない。

以前、その夜、流星群が観られると、ラジオでニュースが流れ、オーナーのマンションの屋上に上がって観た事があった。

「良い処がある。行こう」

私は敦子を誘った。


最近は、防犯上、或いは管理規約で、ビルやマンションの屋上は利用出来ないケースがほとんどだが、当時のマンションは、住人が布団や洗濯物を干すのに利用していて、部外者でも簡単に出入り出来た。

今でも、管理組合の管理規約で定められていなければ利用出来るマンションは多い。

マンションのエントランスを急いで入る。

オーナーは未だ恋人とベッドにいるだろうし、出遭っても、私が女連れであっても驚く事はない。

エレベーターで12階まで上がり、階段を上がって屋上に出る。

「わあ、すごい、新宿が一望だわ」

敦子が走ってフェンスに駆け寄り、周囲を観回す。

当時、新宿の高層建築物というと、京王プラザホテルしかなかった。

遠くに、そのホテルが観えた。

良い天気にも拘わらず、布団も洗濯物も干してはいない。

朝干して、もう取り込んだのか。

「ねえ、あなた、良くこんな処知ってるわね?あなたが住んでるの?」

「友達の親が住んでるんだ」

「へえ、でも、この景色すごいわ」


後年、永い間マンションの販売に携わったが、高層建築物など珍しくもなくなっていて、高層階からの眺望を売り物にするマンションも何度か販売した。

付加価値を付けて、低層階より数百万高くした部屋を、眺望が気に入って購入した客に、後で訊くと、一月程で飽きたと自嘲していた。

当然だろう。

毎日のように、何か眺望に動きがある訳でもないし、日常は大抵カーテンで遮っているのだ。


「こっちだ」

私は敦子の腕を掴んで、塔屋の陰に入った。

「ここなら誰にも視られないだろ?」

私は敦子を抱き寄せ、キスを貪った。

敦子がすぐに鼻を鳴らして応じて来た。

さすがに俊子、久美の仲良しである。

高校3年生、どれだけの男とセックスして来たのだろう。

あの二人も同様だったが、おばちゃんやおねえさん並みのキスのテクニックであった。

私は敦子とキスを貪り合いながら、敦子のティーシャツを首までたくし上げ、背中に回した指でピンクのブラジャーのホックを外す。

巨乳ではないが、豊かな乳房が、緩んだブラジャーから飛び出して揺れた。

“でも、やっぱデカいな”

敦子の乳房は、洋服の上からでは伺い知れなかったが、巨乳と言うより、裾野の面積が広かった。

乳房の頂上で既に勃起した乳首も大粒で、乳輪が盛り上がっていた。

未だ記憶に新しい、横浜の美少女の、愛らしい引き締まった乳房が懐かしい。

と、失った女性を求めて後悔しても仕方がない。

と、言うより、眼の前の、腕の中の女だ。

片手で乳房を揉み立て、乳首を口に含んで吸い立てながら、ジーンズのタイトミニスカートを腰まで捲り上げ、ピンクのパンティを摺り下げて片脚を抜き、片脚の膝に引っ掛けたまま、女性器全体を掌で包んで揉み上げる。

「ああ、感じるわ。昼間から外でなんて」



(続く)





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