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記憶の中の女達〜(12)横浜の美少女-第25話



作家名:淫夢
文字数:約3600文字(第25話)
公開日:2021年3月12日
管理番号:k057


この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。



挿絵の官能小説画像

ライターをかざす手が震えた。

「私も」

一瞬、加奈子が私の指から火の点いた煙草を指で取り上げた。

おい、おれが咥えてた煙草だぞ。

加奈子は自然に愛らしい唇に咥えて喫った。

喫った事がないのだろう、加奈子が愛らしい美貌を歪めて、激しく咽る。

「まずいーっ、良くこんなもの喫うね」

咽て咳込む加奈子の腕を取り、背中を叩いたり、擦ったりしてやる。

「お前が自分で喫ったんだろう?」

一瞬、左の手の甲が加奈子の乳房を圧し潰した。

その時、彼女を抱き締めようと想えば出来たが、初心な私は出来なかった。

加奈子が水筒を取り出して冷えた紅茶をキャップに注いで、私にくれた。

飲み干して返したキャップで加奈子も紅茶を注いで飲む。

知ってか知らずか、やはり、私が口を付けた処に唇を宛てて飲んだ。

そうして、陽が西に傾く頃まで、ずっと二人で海を眺めているだけだった。


夕方、バスの時間が来て、加奈子をバス停まで送ってやる。

「嬉しかった。ありがとう」

加奈子が私を振り返って微笑んだ。

泣いている?

まさか。

昨日、初めて遭った時から、微笑んでいない時は泣きそうな瞳をしていた。

その瞳は潤んではいなかった。

「東京の大学に行くんでしょう?東京に来たら必ず電話してね」

頷く私を視て、加奈子はやって来たバスに乗り込んだ。

二日間の恋は、加奈子の清楚な美貌と女性器を包んだピンクのパンティの想い出だけを残して終わった。


私は、故郷の母が送ってくれていた冬物の洋服を紙袋に詰め、兄の部屋を出て駅まで行き、公衆電話でメモに書かれた番号をダイヤルする。

母親であろう女性が出て、すぐに加奈子に替わった。

「ばかっ。東京に来たら連絡してって、言ったのに」

懐かしい「ばかっ」であった。


翌日の夕方、横浜の元町の有名なカフェで待ち合わせる。

二年振りの加奈子はその分だけ大人びて、相変わらずの清楚な美貌にわずかな艶香を漂わせていた。

乳房の膨らみが、一昨年の夏よりも豊かになっている気がした。

「髪伸ばしたんだね?」

「ああ、ロックやるんだ」

「へえ、カッコ良い!」

現在はバンドをやっているとか、ロックギターをやっているとか言っても「ああ、そう」程度の反応だが、当時は、ロック人口も僅かであった。

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運ばれて来たアイスコーヒーを飲みながら、ひと時の沈黙がある。

加奈子も、もしかしたら、あの夏を想い出しているのだろう、時折私を視詰め、視線を空間に投げた。

「ねえ、あの時、浜辺で、私に何もしなかったね?交際ってる女の子、いたの?」

加奈子が悪戯っぽい笑貌で私を視た。

「いたけど、関係ねえよ」

「私、魅力なかった?」

「いや、そんな事ない。ただ、そんな気になれなかっただけだ」

私は慌てて否定した。

「わ、私、よ、良かったのに」

加奈子が恥じらって俯いた。

うそっ!

私は絶句して、加奈子の美貌を視詰めた。

「私ね、彼氏いたの。同級生。今でも交際ってるわ。でも、あの時、あなたなら良いかな、って」

加奈子が恥じらって伏し眼がちになりながら、一言一言、区切った。

今更言うなよ。

「お前、海が観たいって言ってたから、邪魔しちゃ悪いかなって」

私の的外れな答えに加奈子が言葉を被せた。

「ば、ばかっ」

再び続く沈黙が続き、想い出に浸っている私を加奈子が誘った。

「出よう。公園に行こう」


辺りは、既に夜の帳が降りようとしていた。

加奈子が後ろから私の腕を取った。

歩く度に加奈子の柔らかな乳房が私の肘に触れる。

横浜では、公園と言うと、「港の見える丘公園」の事を指すらしかった。

歩いているのも、ベンチに腰掛けているのも、カップルばかりだ。

大胆に、抱き合ってキスを交わしているカップルもいる。

加奈子はその気なのか?

そう想いながら歩いていると、公園の端の柵の傍で、加奈子が立ち止まって私を振り向き、身体を寄せて来た。

「私、今日、遅くなるって、親に言って来た」

加奈子が俯いたまま、美貌に恥じらいを浮かべた。

私とセックスするつもりなのか。

先程、2年前のあの時に「しても良かった」と言った。

それを、今。

「お、お前、彼氏、いるんじゃないのか?」

「いる。でも、一度だけなら、あなたに抱かれたい。あなたは?厭?」

「い、厭な訳ないだろ」

言い終わらないうちに加奈子が私に抱き着き、背伸びして私の唇を塞いだ。

私も加奈子を抱き締め、キスを貪る。

彼氏がいる割には、それほど巧みではなかったが、情熱的なキスだった。

尤も高校3年で恋人が出来て、今でもその一人とだけしか交際っていないのであれば、経験が浅いのも推して知るべしだった。

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19歳で、女性泣かせのテクニックを体得した私の方が異常と言えば異常だったに違いない。

暫くキスを貪り合い、公園の入り口まで戻り、タクシーを拾う。

タクシーで降りたのは、場所は判らなかったが、ラブホテル街のような処だった。

恐らく恋人と利用しているのだろう、その一つに入る。

金を払って部屋に入るなり、加奈子が抱き着いて来た。

言葉など必要なかった。

私はキスを貪り合いながら、加奈子が来ているワンピースを脱がせる。

ピンクのブラジャーのホックを外すと、型良く引き締まった乳房が弾け出て、その頂上で愛らしい乳首がつんと上向き、震えながら愛撫を待っていた。

乳房を片手で揉み立て、二つの乳首を交互に吸い立て、舌先で転がし弾きながら、ピンクのパンティの中に手を挿し入れる。

清楚な美貌に不似合いな程、夥しく生え茂った恥毛の叢が掌で戦ぎ、女性器を包んだ掌の中央に濡れた女陰が触れた。

ブラジャーもだったが、、パンティの生地が、あの時視た木綿ではなく、シルクだった。

「ブラジャーとパンティが、おねえさんらしくなったな?」

「ば、ばかっ」

からかってやると、握り拳を作って可愛らしく私の胸を叩く。

私はそのまま加奈子をベッドに圧し倒した。

裸身に絡んでいたブラジャーとパンティを脱がし、キスを貪り合いながら、自分で洋服を脱ぐ。

私の男根は、想い出の美少女とセックス出来る悦びで、とっくに勃起していた。

「し、して」

しなやかな美しい裸身を恥じらいに捩る加奈子が、両手で私の肩を抱き寄せようとしながら熱く喘ぎ、両膝を軽く立て、震える太腿を軽く開いた。

いきなりするのか?

加奈子の裸身を手と口で愛撫しながら、快感に悶える美しい裸身を愛で、フェラチオをさせて、その美貌が淫靡に歪むのを眼でも愉しみたいという私の欲望は裏切られた。

しかし、20歳。

恐らく一人の男性しか経験しておらず、その男性が同級生。

バリエーションを愉しむレベルでは、未だないのだろう。


私がテクニックを駆使して加奈子を虜にして、とも考えたが、加奈子は「一度だけ」と言ったし、恋人がいる純真な20歳をそのままにしておきたい、という、らしくない謙虚な想いが私の心を占めた。

何と言っても、加奈子は“夏の海の、美しい想い出の中の美少女”である。

私の眼の前に全裸を晒してはいても、美しい想い出の中の加奈子に違いはなく、それを汚したくない、というガキじみた想いもあった。

さらに、これからロックスペースを探してオープンする、という夢の実現の為に、例え美しい加奈子と言えども、女に入れ込んでいる場合ではない、という想いも脳裏を掠めた。

私は加奈子の乳房を口で愛撫しながら、しなやかな太腿を拡げて腰を伸ばし、加奈子の膣粘膜の襞に勃起の先端に宛がった。

加奈子の清楚な美貌が、官能に塗れる。

加奈子の愛らしい唇から、熱い喘ぎが忙しなく噴き出し、閉じる事も出来ないほど興奮していた。

先端が、滴り溢れた粘る愛液で滑り、膣孔に潜った。

私はそのまま、加奈子の太腿を抱えて拡げ、一気に膣粘膜奥底まで貫いた。

「ああっ、き、気持ち良いっ」

やはり、あまり経験がないのだろう、加奈子が瞳を閉じてしなやかな裸身を仰け反らせて叫んだ。

一昨年の夏、二日間で終わった加奈子への想いが遂げられる。

激しく抽送しなくても、加奈子を抱いて、火を吐くように熱く喘ぎ、官能に歪む美貌を視詰めているだけで、私の勃起は、既に爆発寸前だった。

加奈子もただ私にしがみ付いて裸身を悶えさせ、時折尻肉を浮かせて女性器を私の勃起に向けて突き出すだけだった。

「中に出して良いのか?」

加奈子はただ喘ぎながら首を縦に振った。

私は、そのまま加奈子の乳房を想いっ切り吸い立て、膣粘膜奥底に夥しい精液を放っていた。


ホテルを出て、名前も知らない近くの駅まで腕を絡めたまま歩く。

時折、薄暗い人気のない処で、加奈子が立ち止まってキスをねだる。


「今日は嬉しかった。ありがとう」

同じホームだったが、加奈子が帰る電車が先に来た。

泣いている?

一瞬、振り返った加奈子が、あの日の、バス停で感じた様に、泣いているように視えた。

しかし、違っていた。

やはり、あの時と同じ、元々の加奈子の泣き貌だった。

加奈子を離したくない。

失いたくない。

しかし。

煙草を咥えて火を点け、寂しさを紛らわせる。

そして、あの日のバス停と同じように、電車に乗り込み、小さな手を振る加奈子の笑貌を視送った。



(続く)





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