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記憶の中の女達〜(5)オードトワレの薫りの想い出-第10話



作家名:淫夢
文字数:約3310文字(第10話)
公開日:2020年11月19日
管理番号:k057


この作品は、過去、実際にセックスした数百人の女性の中の、記憶に残っている数十人の女性との出遭いとセックスと別れを描写。



挿絵の官能小説画像

口の中にオードトワレの苦味が拡がるが、気にならなかった。

それ処か、唇と舌先に触れる夥しい腋毛の感触が、私を興奮状態に圧し上げた。

「い、厭っ。だ、だめーっ、す、すごいっ」

驚いた事に、彼女が激しく裸身を痙攣させ、乳房を大きく突き出して快感を叫んだ。

「ね、ねえ、き、来てっ。が、我慢出来ないっ」

熱く喘ぎながら、官能に潤んだ眼で私を促す。

黒のレースのショーツを脱がすと夥しく生え繁った恥毛の叢が眼に飛び込んだが、それは視馴れた光景である。

初めて眼にする腋毛の強烈な淫猥さほどではなかった。

「い、挿れてっ」

彼女が脚を大きく拡げて立て、私を抱き寄せようとした。

私は慌ててジーパンをたぐり寄せ、ポケットからコンドームを取り出した。

「そ、そんなの良いから、は、早く来て」

私は再び彼女に覆い被さり、腋を吸い立て、舐め続ける。

彼女が私の勃起を握って、先端を膣孔に宛がった。

そこは勃起の先端が滑る程、粘る愛液に潤んでいた。

腋を舐め上げ、腋毛を口に含んで吸い立ながら、一気に勃起の根元まで貫いた瞬間、彼女の裸身が大きくのけ反った。

「いやーっ、イ、イクーッ、イク、イクイクイクーッ」

激しく叫んで私にしがみ付き、しなやかな裸身を痙攣させる。

それ程までに腋で快感を得られるものだろうか?

浅い私の女性体験では推し量れるものではなかった。

腋という肉体の部分はくすぐったいだけではないのか?

実際、おばちゃんやおねえさんの腋を口で愛撫する事は何度もあったが、二人共くすぐったがるだけであった。

しかし彼女は腋を愛撫しただけで一気に性欲に塗れ、勃起を挿入しただけで一気にエクスタシーの絶頂を極めた。

「そんなに感じるのか?」

この部屋に来て初めて彼女の貌を視詰めた。

余程の強烈な快感なのだろう。

瞳が潤んで眼尻から涙が滴り、震える唇が込み上げる熱い喘ぎに閉ざす事が出来ない風情だ。

「腋が感じるのっ。気が狂いそうになる程」

尚も腋を口で愛撫してやると、彼女の膣粘膜が弛緩収縮を繰り返し、私の勃起を翻弄する。

生まれて初めての異様な女性の痴態に、私も射精感が込み上げていた。

腋を唇で愛撫しながら、激しく腰を揺すった。

「出るっ」

「イ、 イクーッ、イクーッ、イクーッ」

勃起が痛い程しなって精液が弾ける。

彼女の膣粘膜が愛液を噴き出し、きつく収縮して勃起を絞り上げた。

二人の呼吸が収まった後も、時折彼女の裸身が痙攣を繰り返し、それに呼応して膣粘膜が妖しく蠢いた。

「わ、腋毛生やしてる女って、厭?」

彼女が私の顔を視詰めて唇を震わせた。

「厭じゃないよ。初めて視てびっくりしただけだ」

今度は、彼女の両腕を掲げさせて、少し冷静に腋毛を視詰める。

真っ白な肌に唾液に塗れた腋毛がへばり付いていた。

「は、恥ずかしいから、あ、あんまり見ないで」

畳もうとする彼女の腕を掲げ直す。

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腋の真っ白な地肌に真っ黒な毛根が食い込んでいる。

視れば視る程淫猥な光景だった。

ふと、青臭い匂いが漂った。

これは?

腋の匂いか?

中学、高校の頃、夏に、女生徒が傍にいると、同じ匂いがした記憶が蘇る。

太陽に焦がされて乾燥した野原の、草いきれに近い匂いだったように想う。

当時、恋した3人の美少女も、同じ匂いがした記憶が蘇る。

あれは汗をかいた腋の匂いだったのか。

彼女達も当時は腋毛を生やしていたのだ。


オードトワレの薫りが消えたからだろう。

彼女も自分の腋の匂いが漂い始めたのに気付いたようだ。

「わ、私の腋の匂い、き、きついでしょう?腋毛生やしてるから、余計きついの。厭?」

「それで香水付けてんのか?厭じゃねえよ。腋毛の匂いも、なんか興奮する」

私は正直に言った。

「良かった」

彼女が恥じらいを浮かべて微笑み、私の胸に貌を埋める。

熱くうねる膣粘膜が再び私の勃起したままの男根を膣粘膜で締め付けた。

「腋毛生やしてんの、誰かに言われたのか?」

ふと、彼女の店のオーナーの顔が浮かんだ。

「ね、もう1回」

私の質問には応えずに彼女が尻肉を揺すった。

今度は彼女を横抱きにし、脚を交差して勃起を挿入し、首の後ろから回した手で乳房を揉み立て、クリトリスを揉み込み、角度と深さと速さを変えながらゆっくり抽送する。

もちろん彼女の腕を宙に伸ばして露わになっている腋を激しく、優しく口で愛撫する。

さっきより青臭い腋の匂いと味が濃くなった。

それが一層私を興奮させる。

「ああ、こ、こんな格好でっ?は、初めてっ。い、良いっ、す、すごいのっ、ま、またっ、へ、変になっちゃうっ」

抽送する度に結合部から鳴り響く愛液の淫猥な濁音を掻き消す程、熱く喘ぐ彼女の裸身が一気に痙攣し始めた。

「あ、貴方、子供のくせに、すごいっ、こんなの、は、初めてっ」

「子供って言うな」

カチンと来た私は、腋と乳房とクリトリスを一層激しく愛撫し、勃起の出し挿れを速く深くした。

「ああっ、も、もうだめっ。す、すごいっ。またっ、イ、イクわっ、イクイクイクイクーッ」

きつく抱き寄せていないとベッドから転げ落ちそうな程彼女がのけ反り、裸身を激しく痙攣させて絶叫した。

私は、生まれて初めて視て、触れて、舐めしゃぶった腋毛の淫猥な存在と、鼻孔と舌先を魅了する青臭い匂いと味に、強烈な快感を覚え、収縮弛緩を繰り返す膣粘膜奥底に夥しく射精していた。


寝返りを打った手に彼女の裸身が触れた。

時計を観ると午後3時を回っていた。

私はもう一度腋毛を愉しもうと、彼女の腕を挙げた。

「お、お前っ?」

驚いた事に彼女の腋はつるんと変わっていた。

青白い地肌に残る黒い毛根が、それはそれで生々しかった。

風呂に入ったのだろう、シャンプーか石鹸の匂いがした。

「剃ったのか?何で?」

彼女が恥じらって私の胸に貌を埋めた。

「生まれ変わるの、私」

「生まれ変わる?」

「うん。ずっと考えてたの。お店したくて頑張って来たけど、やっぱ、私には、水商売って向いてないなって想い始めてたの。貴方と遭ってセックスして吹っ切れたわ。普通のOLに戻る事にした。でもお客さんとしたの、貴方が初めてよ」

“客とは初めてか?やっぱ、あのオーナー?おれとセックスして、あのオーナーと別れる決心が着いたって事だな?多分”

「おれは、だしにされただけか?」

「怒らないで。ずっと悩んでて、多分、以前から決めてたんだと思う。貴方は本当に遭った瞬間抱かれたいって想ったの」

彼女の、彼女なりの事情があるのだろう。

ガキの私が口出しする事ではない気がした。

私は彼女が話している間ずっと、ただ青い剃り跡の残る腋を視詰め、乳房を撫でていた。

「また逢えるだろ?」

「だめっ。今日でお終い。遠くに行って、今までの私を誰も知らない処でやり直すの。貴方だって、私に付きまとわれるの、厭でしょう?」

「厭じゃねえよ」

「うそ。他に女がいるくせに」

「何で?そんな事判るんだ?」

「判るわよ。コンドームを持ち歩いてるでしょう?それに子供のくせして、上手過ぎるもの」

「子供って言うな、ったら」

「ごめん、子供じゃないわね。私をこんなに夢中にさせたんだから」

彼女が貌を上げた。

「最後にもう1回して」

青い剃り跡を視詰め、乳房を撫でていて、いつの間にか勃起した男根を扱かれて、性欲が湧き起こる。

私は腋毛の消えた腋に吸いつき、彼女に覆い被さった。


二日後、行ってみると、店は「諸般の事情で閉店しました」との貼り紙がしてあった。

彼女の部屋も空だろう。

訪ねて行って、彼女が部屋にいたとしても、貌も視せてくれないような気がした。

ふと、彼女の名前を聴いていなかった事を想い出した。

私に残されたのは、「もう要らないから」と言って、彼女がくれた使いかけのオードトワレだけだった。

私は、そのボトルが空になるまで自分で使った。

“R”のオーナーもおばちゃんもおねえさんも、私がオードトワレを使い出した事を訝しんだが、理由を話す必要もなかった。

その薫りに包まれている間だけ、彼女の腋毛と強烈なセックスが脳裏に蘇った。


腋毛を生やした女性とは、その後何人か出遭ってセックスした。

生まれて初めて愛した画家の蓉子もそうだったし、今の妻も出遭った時に腋毛を生やしていて、今も生やしている。

それは、私の性欲を酷く刺激したが、彼女のように男性を興奮させるためではなく、単に無頓着であっただけだった。



(続く)





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