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生保セールスレディの秘密-4話



作家名:バロン椿
文字数:約3220文字(第4話)
公開日:2020年11月17日
管理番号:k063


生保レディというより「保険のおばちゃん」と言った方がなじみがあるかも知ません。そんな彼女たちも「はい、今期は2倍が目標ですよ」と高いノルマを課せられ、暑い日も寒い日も、雨の日も雪の日も、「こんにちは!」と明るい笑顔でセールスに励んでらっしゃいますが、それだけでノルマは達成できるのでしょうか? あの手、この手の創意工夫で攻めるが、時には禁じ手の「枕営業」も……



挿絵の官能小説画像


見てはいけないものを見てしまった……浩二は落したペットボトルを拾ったが、「おばさんが男とやってた」と残像が頭から消えない。

家に帰っても勉強どころではない。

ベッドに転がったが、落ち着かなかった。

それは和代も同じだった。

その社長とは一緒に食事もする予定だったが、「顔色が悪いぞ」と心配され、「車で帰りなさい」と言われる始末。

せっかくの枕営業だったのに後味の悪いものになってしまった。

「ただいま」

「お帰りなさい……あれ、元気ないけど、ねえ、どうしたの?」

家に帰ったが、息子の徹と顔を合わせたくない。

和代は「疲れたの」と言って部屋に籠った。

(徹に知られたら、大変なことにある……何としても口止めしないと)

時計を見ると、午後10時を過ぎている。

こんな時間に息子の友達に電話をするのは非常識だが、そんなことは言ってられない。

和代はスマホを取り出すと、浩二に電話を架けた。

「あ、ごめん。勉強してた?」

「あ、いえ」

「そ、そうなの」

「何か?」

浩二も電話が架かってきた理由は分かっている。

和代は口ごもるが、浩二が先に切り出した。

「言わないよ、誰にも言わない」

「そ、それはありがとう」

「だけど、だけど……」

「だけど何?」

あんな場面を見てしまい、もんもんとしているところに電話だから、股間はすっかり硬くなっている。

浩二はスマホを握ったまま、黙っていると、「ねえ、どうしたの?」と声が聞こえてきた。

その瞬間、「ぼ、僕もおばさんとしたい」と口から言葉が出てしまった。

「あ、ち、違います。間違いです」と慌てて取り消したものの、「こ、浩二君……」と和代が息を飲むのが聞こえた。

二人とも動揺している。

言ってしまった浩二は「す、すみません」と直ぐに電話を切ると、頭を抱えていた。

(まずいぞ、怒ってる……真っ直ぐに家に帰らないで、あんなところにいたことをお母さんに言われたら、どうしよう……)

言われた和代は怒っていた訳では無い。

「な、何を言い出すのよ!」と怒鳴りたくなったのは事実だが、社長相手に枕営業をしていた自分が悪い。

それより、浩二が母親に喋ったら、それこそ学校へ行けなくなる。

それならば、口止めしないと……和代はあれこれと考えていたが、

(いいわ。大したことじゃない。仕事で付き合うジジイたちとは違って清潔、そして、なにより浩二君はイケメンだし、息子がお世話になったんだから……)

すーと大きく息を吸った和代はもう一度スマホを握った。

アルコウー、アルコウー……トトロの呼び出し音がなっている。

もどかしい時間、浩二君、お願い、早く出て……と思った時、「は、はい」と彼の声が聞こえてきた。

「分かったわ。いいわよ」

「あ、いや、じょ、冗談です」

「バカ!私が『いいわよ』って言っているのよ」

もう引き返せない。

言ってしまった和代は顔が赤くなっていたが、気持ちが変わらないうちに、「明日、午後5時よ。場所はメールするから」とだけ言うと、「じゃあね、おやすみ」と、浩二の返事も聞かず、一方的に電話を切ってしまった。

ウソから出た真。

その夜、浩二は妄想が頭の中を駆け巡り抜いても抜いても、勃起してしまい、中々寝つけなかった。

一睡も出来なかった。


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息子の同級生との密会

「それではよろしくお願い致します」

「ああ、ご苦労様」

予定していた訪問先を回り終えると、もう時間は午後4時半を過ぎていた。

和代も浩二と同じ、昨夜からあれこれと妄想が浮かび、仕事どころではなかった。

大きいのかしら?

息子のオナニーは何度も見たことがあるから、オチンチンがどんなかは知っているけど、浩二君のは大きいかな?

私の裸を見たら、どんな顔をするかしら?

ジジイたちは「きれい」だと喜ぶけど、浩二君はどうかしら?

あそこを見せたら、どんな顔をするかしら?

ジジイたちは真っ先に見たがるけど、彼、ビックリするかしら?

入れさせたら……

考えれば、考えるだけ、色々なことが思い浮かぶ。

もう5時まで10分程、トイレに寄ってパンティを穿き替える時間はない。

いいわ、最初はお風呂に入るから、と和代は早足になっていた。

浩二は待ち合わせのデパート5階の書籍売り場にとっくに来ていた。

背伸びして紺色のブレザーを着ていたので、余計に落ち着かない。

時計を見ると、もう午後5時を少し過ぎている。

やっぱり、冗談だ。

来ない……と思いかけた時、「お客さんとの話がまとまらなくて。ふぅ…」と和代が小走りで近寄って来た。

弾む息、ハンカチで口元を押さえる。

濃い目のベージュの上着にワインレッドのスカート、母親と同じ43歳なのにとてもきれいで、30代後半と言っても通じる。

「待った?」と聞かれたが、浩二は舌が絡まり、「あ、いえ……」としか言葉は出てこないが、早くも勃起していた。

そんな様子は和代にも伝わる。

こんな時、枕営業なら、手でも握って体を擦り寄せればいいが、息子の同級生だから、そうもいかない。

「行きましょう」と声を掛けると、「うん」と小さな返事。

日は暮れ、ラブホテル街を目指し、人の流れと逆方向に歩くが、浩二は並ぶでもなく、少し離れてついて来る。

程なくして50mほど先に色鮮やかに輝く「ホテル」という看板が幾つか見えてきた。

ここまで来ると、それではかえっておかしい。

和代は浩二の腕に手を掛け、「寒いわね」と体を擦り寄せるが、彼は「あ、うん」と頷くだけ。

ラブホテル街では誰もが目を伏せて歩く。

和代は浩二を押し込むようにして、生垣で囲まれた2軒目の門をくぐった。

自動ドアがスーと開き、正面のロビーには先客、50代のカップルがいたが、彼らは和代と浩二を見て、「まさか」と顔を見合わせていた。

浩二はブレザーを着ているが、どう見ても高校生、そんな「子供」をツーピースの熟女が連れて飛び込んで来たのだから、驚くのも無理はないが、「何よ、あなたたちだって他人に言えない関係じゃない!」と和代の目はそう言い返していた。

しかし、今の浩二にはそんなことを感じ取る余裕なんかない。

フロントも極めて事務的、「502号室、5千円です」と誰が利用しようと構わない。

鍵を受け取った和代は浩二の手を握ってエレベーターに乗ったが、ドアが閉まると、和代が彼を抱き寄せ、チュッ、チュッ……と唇を合せた。

浩二は心臓が爆発しそうで、声も出ない。

間もなく、エレベーターが停まり、ドアが開く。

降りると右手の部屋のランプが「502」と点滅していた。

和代がカギを開け、部屋に入ると、右手がトイレ、左手は洗面所。奥に進むと中央にキングサイズのベッド、壁には大きな鏡が貼り付けられ、ベッド全体がそこに映っていた。

そして、なんと、曇りガラスの壁の向こうに浴室が透けて見える。

そんな「セックス専用の部屋」を目にした浩二はすっかり怖じ気づいてしまい、膝が小刻みに震えている。

イヤリングを外す和代はチラチラと浩二を見たが、彼は入り口近くに立ったまま、じっとして動けないでいる。

(初めてなのよね……)

ベージュの上着を脱いで、それをハンガーに掛けると、白いブラウスのボタンに指を掛ける。

目が合うと、慌てて逸らす。

(お、おばさん……)

もう仲良しの徹のお母さんじゃない。

色っぽい熟女が目の前で服を脱いでいる。

ボタンを外したブラウスが両袖から抜かれ、白いブラジャーが、続いてスカートが下され、黒いストッキングの下に白いパンティが見える。

次は……浩二は唾を飲み込んだが、和代はそのままブラウスとスカートを畳んでソファの上に置くと、「早くいらっしゃい」と脱衣所の方に消えてしまった。

残された浩二はブレザーとズボンを脱いだが、畳んだり、ハンガーに掛ける余裕はない。

そのまま、ソファーに投げ出し、ワイシャツのボタンを外していると、突然、浴室の明かりがパッと光った。

驚いて振り向くと、裸の和代が乳房を曇りガラスに押し付け、コンコンと叩いている。

「は、はい、い、行きます!」

慌ててワイシャツを脱ぐと、シャツも靴下も、全てその場に脱ぎ捨て、パンツ一枚で浴室に向かった。




(続く)





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