アナルファンタジー(5)激変-第7話
作家名:優香
文字数:約3020文字(第7話)
公開日:2020年12月21日
管理番号:k066
亜紀さんのいなくなった学園祭も終わって、日増しに寒くなり、そしてクリスマス。
イヴの前夜、彼が車で私の家の近くまで送ってくれた。
何時もと何処か違う、重い空気が車内に流れていた。
海岸通りの何時もの処に車を停める。
私は、彼が何か言いたい事があるような気がして、車を降りるのを躊躇していた。
私も、彼が何も言動を起こさないのであれば、自分から言動を発する覚悟があったのだ。
想った通り、省吾は沈黙を守ったままで、私が車から降りようとしない事に対しても、言葉を発しなかった。
私は決心して、口を開いた。
「し、知り合って、ず、随分なるのに、な、何もしないんですね?わ、私の事、な、何とも、お、想ってないんですか?」
彼と言葉を交わすようになってから、半年近く経っていた。
私が彼に好意を抱いている事は彼にも解っているはずだったし、彼の言動にも、私に対する好意がその時々に充分顕われていた。
しかし彼は、必然的に、或いは自然の成り行きとして、私の手や身体の一部に触れる事はあっても、愛情表現として私に触れたりする事は一度もなかった。
瞬間、省吾が無言で助手席の私を、覆い被さる様にして抱き締め、唇を塞いだ。
生まれて初めての男性とのキス。
私は亜紀さんと初めて抱き合い、愛撫し合った時の事を脳裏に想い浮べながら、彼の首に両手を回して、彼のキスに応じていた。
男性とのキスは、こんなものなのだろうか?
私は、若衆部屋の漁師達のイメージとして、男性のキスの仕方というのは、もっと大胆で荒々しいものだと想像していた。
私は彼のキスの仕方が亜紀さんに似ているような気がしていた。
彼の手が私の乳房を洋服の上からわし掴みにして、揉み立てる。
久し振りの、そして亜紀さん以外の、男性の愛撫の手に、私は乳房を突き出していた。
「初めて君を知った時から、ずっと好きだったけど、嫌われるのが怖くて、出来なかったんだ」
彼が私の唇に触れたまま、唇を動かした。
「わ、私もっ、ず、ずっと、貴方が好きでした」
今度は、私の方から、想いの丈をぶつける様に、激しいキスを彼に見舞った。
彼は少し驚いたように唇を引いたが、すぐに私のキスに応じて私の舌を吸い込み、舌を絡ませ合った。
彼の右手が、私のセーターの裾から潜り込んでブラジャーをずらすと、乳房を優しく揉み立てた。
彼の掌で私の小さな乳首が、堅く勃起して転がった。
乳房への愛撫も、何処か亜紀さんのそれに似ていた。
永い間、啄ばむような優しいキスと、唇と舌を吸い立てるような激しいキスを繰り返す。
媚肉の奥底が疼き、熱い迸りが女性器を潤し、パンティを濡らしているのが解った。
彼の手が、スカートの裾を潜ってパンスト越しにパンティに触れた。
「ああ、こ、ここでは、い、嫌ですっ」
私は、腰を引いて訴えた。
私自身、すぐにでも彼を受け容れたかったが、男性を初めて受け容れるのに、車の中では、処女の出血の処理など出来ないという事くらいは、想像出来た。
「あ、明日、家に帰らないって、で、出来る?」
彼とはイヴの夜の約束はしていたが、夕方逢って食事して、という程度のものであった。
「だ、大丈夫だと想います。うちは、そういう事に関しては、あまり煩くないから」
「わ、解った。じゃあ、明日、ホテルの予約をして置くよ」
「は、はい」
私の方からもう一度彼にキスをねだり、貪るようなキスを交し合うと、私は車を出た。
彼の車が曲がり角に消えるのを見守ってから、家に入る。
「明日ね、亜紀さんの家でご馳走になってお酒も?むから、そのまま寝ちゃったら、朝帰るわ」
父母がテレビを観ている居間の入り口に立って言うと、案の定、父母は振り返りもせずに、応えた。
他人に迷惑を掛けない事、犯罪を犯さない事、自分の身体を傷付けない事。
親に注意されるのは、その程度で、未成年が正月やお盆、お祭り、誕生日などに外泊したり、お酒を?んだりする事に対しては、私の家だけでなく、町全体が大らかであった。
「明日の夜、亜紀さんの家で食事して、お酒?んで、泊まる事にして」
亜紀さんに電話を掛けると、亜紀さんは私をからかった。
「おお、やっと優香ちゃんの処女喪失の時が来たのね?私、茂樹とセックスする時、優香ちゃんと誰かさんがセックスするのを想像しながら、するわ」
「やだっ。あ、亜紀さん。い、言わないでっ」
「ちゃんと、報告しなさいね?彼をうちに連れて来ても良いわよ。ホテル代がなかったら、部屋も貸してあげるわよ」
「はいはい。そのうちにね」
夕方、駅前で省吾の車に乗り、市内でも有名な高級ホテルに行き、最上階のレストランで食事をする。
高級そうで、勿論美味しいのだろうが、緊張で喉に通らなかった。
ワインのハーフボトルだけが、空になった。
彼も同様らしく、余り食べてなくて、随分と料理を残したまま、私達は席を立った。
エレベーターで客室フロアまで降りて、部屋に入る。
彼が振り向きざまに私を抱き締めて、キスを貪る。私も彼に抱き着き、眼を閉じて永いキスに応じた。
彼が私の肩を抱いたまま、ぎこちなさそうにベッドまで誘い、私を優しく圧し倒した。
「ああ、は、恥ずかしいっ。あ、灯りを、け、消して下さい」
私の洋服を脱がそうとする彼に、私は本心を訴えた。
亜紀さんとの時は、明るさが気にならなかったのは、馴れた相手との、馴れた部屋での事だったからだろうか。
《亜紀さんと初めてした時は、灯りを消して欲しいと想ったりしなかった。ああ、だめだめ、亜紀さんの事なんか、想い出しちゃ》
そんな事を想い出す程、冷静な部分を持ち合わせている自分を、自分で否定した。
彼が立ち上がって室内の照明を消し、ベッドサイドのランプだけを点けた。
「君の身体を見たいんだ。この明るさだったら良いだろう?」
私は応える代わりに彼を抱き寄せた。
彼は私にキスを見舞いながら、全裸になり、私の洋服を脱がした。
「き、綺麗だよ。ずっと、想像してたんだ」
「い、いやっ、は、恥ずかしいっ」
彼の手が乳房を覆い、裾野から硬くしこった乳房が震える頂上まで撫で上げる。
媚肉の奥底に疼きと熱い滴りが生まれる。
「あ、あの、わ、私、だ、男性は、は、初めてなんですっ。だ、だからっ、そ、そっとして、く、下さい」
声が震えて、貌が強張るのが自分でも恥ずかしかった。
《男性は》と言った後、彼に「女性は?」と訊かれたらどうしようと、一瞬想った。
正直に応えないといけないのだろうか?
しかし、当然だが、その心配は無用だった。
彼は少し驚いた表情で私を見つめたが、すぐに優しい眼差しで応じた。
「昨夜、キスが上手で積極的だったから、何度か経験があるのかって、想った」
「あ、貴方は?」
「うーん。どう応えたら、貴方が悦ぶのかな?男性の過去って、気にする方なのかな?」
初めて抱かれる男性に、生まれて初めて抱かれる前にするような質問ではなかった。
言葉にしてしまってから、気付いた。
「ああ、ご、ごめんなさい。へ、変な事訊いて。き、気になるか、な、ならないかって、じ、自分でも、わ、解りませんっ」
しかし、彼は優しいままの表情で、私の乳房への愛撫を続けた。
「初めてだって言った方が良い?それとも女性には慣れてるって応えた方が、嫉妬して、燃えてくれるかな?」
彼が姿勢を変え、乳房を愛撫している方の腕を私の首の下に回して愛撫を続けながら、もう片方の手で恥毛の叢を撫でながら、女性器を指先でなぞった。
「ど、どっちでも、良いです。ご、ごめんなさい」
裸身が彼の指の動きに応じてぴくんぴくんと小刻みに震える。
(続く)
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