バーチャルセックス-第7話
作家名:城山アダムス
文字数:約3030文字(第7話)
公開日:2020年11月9日
管理番号:k064
ひろしの憧れの先生シリーズ第4弾 出会い系サイトで、顔も知らないアリサという女性とバーチャルセックスを繰り返す高校生、ひろし。あることがきっかけで、アリサが、ひょっとしたらひろしが憧れている英語の里沙先生ではないかと思い始める。ひろしはサイトを通してアリサと里沙先生との接点を探す。
次の日、いつものように学校に向かった。
今日の英語の授業で里沙先生は僕を見て、どんな表情をするだろう。
僕の心は、期待と不安で揺れていた。
授業の始まりのチャイムが鳴った。
里沙先生はまだ教室に来ない。
5分過ぎても先生は教室に来ない。
教室がざわめき始めた。
その時、教室の入り口のドアが開いた。
里沙先生ではなく、教頭先生が教室に入ってきた。
「里沙先生は、体調を崩され、今日は学校をお休みされることになりました。その間、代わりに私が授業を担当します。」
教頭先生の一言で、教室はさらにざわめいた。
「きっと、僕のせいだ。」
里沙先生は、昨日、僕がマイクだと知り、動揺のあまり体調を崩したのだろう。
「里沙先生は、どれくらい体調が悪いのだろう?入院したのだろうか?」
僕は心配でたまらなかった。
「詳しいことは、私にも分かりません。でも、君たちはもうすぐ大学受験を控えています。里沙先生の体調を心配してくれるのはありがたいが、受験勉強はこれまで通り、しっかり取り組むように。」
教頭先生は、教室がざわざわ落ち着かない状態であるにもかかわらず、淡々と授業を進めた。
学校が終わり、家に帰るとパソコンを立ち上げた。
「ひょっとして、先生はサイトを退会しているかもしれない。」
僕は心配になって、アリサのプロフィールを探した。
プロフィールは残っていた。
「よかった。まだ里沙先生は、いや、アリサはこのサイトに残っている。」
今日は里沙先生と会えなかったが、このサイトでは、まだアリサと繋がっている。
僕は、アリサにメールを送った。
マイク・・・アリサ。体の具合はどうかな?アリサのことが、とても心配だよ。昨日のこと、気にしなくていいよ。アリサと僕のことは誰にも言わないよ。二人だけの秘密だよ。僕は、アリサが里沙先生だったと知って、とても嬉しいよ。里沙先生のことも、前から大好きだったんだ。アリサ、早く元気になってね。
その夜、アリサから返事はなかった。
「明日は、里沙先生、学校に来てくれるかなあ?」
僕の通う学校は,あと半年後に大学受験を控え、休みなしで毎日授業が実施される。
僕も大学受験を控えているが、このサイトでアリサと出会ってから,まったく勉強が手につかない。
「アリサからメールが来ない夜くらい、勉強しようかな。」
とも思ったが、里沙先生のことが心配で受験勉強どころではなかった。
「はやく。里沙先生が元気になりますように。はやく、里沙先生に会えますように。」
僕は、心の中で必死に祈った。
祈りながら、パソコンの前でいつの間にか寝落ちしてしまった。
目が覚めると朝になっていた。
急いで制服に着替えると、いつものように朝食を流し込み、急いで学校に向かった。
「里沙先生の体調は良くなっただろうか?今日は、里沙先生は来てくれるだろうか?」
学校に着くと、英語の授業が始まるのを今か今かと待っていた。
チャイムが鳴った。
いよいよ英語の授業だ。
教室の入り口のドアが開いた。
「里沙先生だ。」
僕は心の底からほっとした。
先生の顔を見られて嬉しかった。
里沙先生は教壇に立つと、僕に視線を送った。
僕と里沙先生の視線が合った。
里沙先生はにっこり微笑んだ。
「昨日は体調を崩して、急にお休みしてごめんなさい。でも、もう元気になったから大丈夫。授業を始めましょう。」
里沙先生は、いつものようにテンポよく授業を進めていく。
体調は良さそうだ。
時折、里沙先生は僕に視線を送る。
その目は微笑んでいる。
僕は里沙先生から視線を外さないように授業中ずっと里沙先生の目を見つめていた。
授業が終了した。
里沙先生は教室を出ていく。
僕は、すぐに里沙先生の後を追った。
階段の踊り場で先生に追いつくと、先生に声をかけた。
「里沙先生。」
先生は、僕を振り向いた。
先生は優しく微笑み、目が少し潤んでいた。
そして、僕に近づくと、耳元でささやいた。
「マイク。今夜メールで話そう。」
僕が
「うん。」
とうなずくと、先生はサッと向きを変え、足早に次の教室に向かっていった。
夜9時を回った。
僕は、パソコンを立ち上げ、サイトを開いた。
アリサにメールを送った。
マイク・・・アリサ。こんばんは。
すぐにアリサからメールが来た。
アリサ・・・こんばんは。マイク。
マイク・・・先生、やっと返事くれたんだね。嬉しいよ。
アリサ・・・先生はやめて。私はアリサ。あなたはマイク。
マイク・・・アリサ。昨日はどうして学校を休んだの?とっても心配したんだよ。
アリサ・・・おととい、美術館の前で、マイクがひろし君だと分かった時、とてもびっくりしてしまって、あの場を逃げ出してしまったの。マイク。本当にごめんなさい。私、あの後とっても後悔してしまって。どうして逃げ出したんだろうって。あの晩、眠れなくて、昨日は学校を休んでしまったの。
マイク・・・僕も、アリサが逃げ出してとてもびっくりしたよ。
アリサ・・・私、どうしてあの時逃げ出してしまったんだろう。とっても嬉しかったのに。
マイク・・・嬉しかった?
アリサ・・・そう、嬉しかったの。マイクがひろし君だと分かって。
マイク・・・僕でよかったの?
アリサ・・・私、マイクはひょっとしたらひろし君かな?と思っていたの。だって、ひろし君。学校で私に趣味のこと聞いたでしょう。あの晩、マイクも同じこと聞いたよね。だからピンと来たの。
マイク・・・僕も、アリサは里沙先生じゃないかと思ってた。
アリサ・・・私、マイクがひろし君だったらいいなって、心の中で思っていたの。
マイク・・・僕も、アリサが里沙先生だったらいいなと思ってた。
アリサ・・・私、このサイトでマイクと出会ってすぐ、マイクに惹かれたの。心も体もマイクに奪われてしまったの。
マイク・・・僕も、アリサと出会って、一日中アリサのことが頭から離れない。
アリサ・・・私も、マイクのこと思うと、体の芯が熱くなって、自然に濡れてくるの。そして、学校であなたに会うと、同じように体が熱くなって、濡れてくるの。
マイク・・・僕も、授業中、里沙先生を見ていると大きく勃起して、射精しそうになる。
アリサ・・・いつの間にか、私の中でマイクとひろし君が重なっていて、美術館で会うマイクがひろし君だったらいいなって、心の中で願ってた。
マイク・・・だったら、どうして逃げ出したの?
アリサ・・・心の準備ができてなくて。・・・心の中では、マイクがひろし君ならいいなと思っているのに、もし本当にひろし君だったら どうしようって、迷いながらも、マイクに会いたい一心で美術館に向かったの。そして、美術館前にひろし君。あなたがいたの。
マイク・・・でも、逃げ出した。
アリサ・・・本当にごめんなさい。パニックになってしまって。どうしていいかわからなくて。気が付いたら、あなたの前から逃げ出していた。
マイク・・・僕、アリサが里沙先生だと分かった時、とっても嬉しかった。
アリサ・・・私もマイクがひろし君だと分かって、嬉しかった。だから、あの場から逃げ出したこと、とっても後悔したの。どうして逃げ出したりしたんだろうって。
マイク・・・僕と分かって嬉しかったのに、どうして逃げ出したりしたの?
アリサ・・・自分でもよくわからないの。マイクがひろし君だと分かって嬉しい気持ちと、ひろし君とこれからどんな関係を持てばいいのか不安な気持ちがぶつかって、頭の中が真っ白になって、無意識に逃げ出してしまったの。でも、その後とっても後悔して、その日は眠れなかった。
マイク・・・だから次の日は学校を休んだんだ。
(続く)
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