バーチャルセックス-第6話
作家名:城山アダムス
文字数:約2950文字(第6話)
公開日:2020年11月8日
管理番号:k064
ひろしの憧れの先生シリーズ第4弾 出会い系サイトで、顔も知らないアリサという女性とバーチャルセックスを繰り返す高校生、ひろし。あることがきっかけで、アリサが、ひょっとしたらひろしが憧れている英語の里沙先生ではないかと思い始める。ひろしはサイトを通してアリサと里沙先生との接点を探す。
アリサは里沙先生である可能性が高い。
いや、里沙先生であることに間違いないだろう。
僕は目の前で授業を進めている里沙先生を、抱きたいと思った。
里沙先生にキスして、服を脱がせて、先生のきれいな体を眺めたい。
先生の乳房の下のほくろに触りたい。
先生の乳房、乳首、陰毛を触りたい。
そして陰毛の奥の泉に指を入れたい。
泉を僕の指でかき回し、びっしょり濡れた泉に僕のペニスを挿入したい。
里沙先生とバーチャルセックスじゃなく、現実の世界でセックスをしたい。
僕はバーチャルなアリサでなく現実の生身の里沙先生を抱きたいと思った。
「今夜、アリサと会う約束をしよう。」
学校が終わり、いつものように夕食を済ませると、パソコンの前に座った。
マイク・・・アリサ。今日はどんな命令しようかな?
アリサ・・・どんな命令かしら?ドキドキするな。
マイク・・・では、命令する。アリサ。明日、君に逢いたい。
アリサ・・・だめよ。いくらあなたの命令でも、それはだめよ。バーチャルの中で・・・お互いにマイクとアリサのままでいたいの。
マイク・・・バーチャルじゃなく・・・現実のアリサに会いたい。本当のアリサを知りたいんだ。
アリサ・・・現実の私に会ったら、あなたの夢が消えてしまうかも。現実の私は、あなたが描いているような女性じゃないかも。それに・・・私、28歳よ。もうおばさんよ。
マイク・・・そんなことないよ。28歳の女性にはとっても魅力を感じるよ。アリサ。会いたいよ。感じるんだ・・・現実の世界でもアリサが理想の女だと。アリサに会いたい・・生身の・・生きたアリサに会いたい。
アリサ・・・だめよ。バーチャルな世界から離れるわけにはいかないの。
マイク・・・バーチャルな世界でなく、現実の世界で、アリサ、君を抱きたい。君の肌に直接触れたい。君の肌のぬくもりを味わいたい。君の熱い息遣いを直接感じたいんだ。アリサ。僕と会ってほしい。
アリサ・・・そんなこと言わないで。心が揺れてしまう。
マイク・・・心が揺れるってことは、会いたい気持ちもあるんだね。
アリサ・・・自分でもよくわからないの。
マイク・・・だったら会おう。会わなかったら絶対後悔するよ。
アリサ・・・実は、私、正直に言うと、あなたとのバーチャルな世界で、体中が燃えるほど熱く感じ、激しくイッたの。何度も何度も激しくイクうちに、マイク、あなたに抱かれたいって、心のどこかで思ったの。
マイク・・・僕も同じだ。アリサとのバーチャルな世界で何度も何度も激しく射精した。もう我慢できない。アリサ、本物の君を直接抱きたい。会って強く抱きしめたい。
アリサ・・・わかったわ。あなたがそんなに言うなら、あなたに会うわ。
マイク・・・うれしいよ。アリサ。明日会えるかな?
アリサ・・・そうね。明日会いましょう。待ち合わせの場所は?
マイク・・・城山の美術館の前。
アリサ・・・美術館の前?会って絵画でも観賞するの?(笑)
マイク・・・美術館の裏にホテルがある。
アリサ・・・いきなりホテル?
マイク・・・嫌なの?
アリサ・・・ううん。嫌じゃないよ。はやくあなたに抱かれたい。待ち合わせの時間は?
マイク・・・アリサに合わせるよ。
アリサ・・・明日。午後6時に仕事が終わるから・・・6時半に美術館の前で。
マイク・・・午後6時半に美術館の前。早く会いたいな。
アリサ・・・それから、マイクとわかる目印教えて。服装とか・・・持ち物とか。
マイク・・・服装は・・・白いジャケットに、ブルージーンズ。手に白いハンカチ。アリサの目印は?
アリサ・・・水色のワンピース着ていくね。私も手に白いハンカチ。
マイク・・・お互い、気づいたら白いハンカチ振ろうね。
アリサ・・・じゃあ、明日・・・なんかドキドキする。
マイク・・・僕もドキドキするよ。明日6時半、美術館の前で。
アリサ・・・白いハンカチ、必ず振ってね。
マイク・・・必ず振るよ。
いよいよ、明日の夕方、アリサに会える。
アリサが里沙先生であることが確かめられる。
明日、アリサが着てくる水色のワンピースは、きっと3日前の英語の授業で里沙先生が着ていた水色のワンピースに違いない。
僕は気持ちが高ぶり、その夜はあまり眠れなかった。
朝が来た。
身支度を整え、朝食を流し込むと、急いで学校に向かった。
里沙先生がアリサなら、今日は水色のワンピースを着ているはずだ。
英語の授業が始まった。
里沙先生が教室に入ってきた。
僕は目を疑った。
水色のワンピースではない。
白いブラウスに紺のミニスカートだ。
今日、6時半に待ち合わせしているアリサは、水色のワンピースを着ることになっている。
「アリサは里沙先生ではなかったのか?」
僕の心は動揺していた。
「いったい。アリサって誰だろう?どんな女性だろう?」
授業が終わると、僕は急いで家に帰った。
アリサに伝えた白いジャケットと、ブルージーンズに着替え、手に白いハンカチを持った。
家を出ると、美術館に向かった。
「もうすぐ。アリサに会える。どんな女性だろう?里沙先生ではないのがちょっと残念だな。」
僕は期待と不安で、気持ちが高ぶっていた。
午後6時20分に美術館の前に着いた。
10分後に、アリサに会える。
約束の時間まで、まだ10分あるが、僕はアリサにはやく会いたくて、白いハンカチを手に持って、美術館の前に立っていた。
午後6時30分になった。
美術館の道路向かいの横断歩道の前に水色のワンピースを着た女性が立っている。
女性は信号待ちをしている。
道路が広く、女性との距離がかなりあるので、女性の顔を確認できない。
信号が青になり、水色のワンピースを着た女性が美術館に向かって横断歩道を渡ってくる。
だんだん女性の姿が大きくなる。
そして、女性の顔を確認した。
「里沙先生だ。」
里沙先生は横断歩道を渡り終えると、白いハンカチを手に持ちながら、美術館のほうに歩いてくる。
先生は僕の姿を見つけた。
先生は、驚いた表情で、僕を見ると、僕の手元の白いハンカチに目を向けた。
その直後、慌てるように走り出し、その場を立ち去ってしまった。
「里沙先生。」
僕は先生の名前を呼び、すぐ後を追った。
しかし、先生は、後ろを振り向きもせず、横断歩道の方に走っていく。
僕は追いかけようかとも思ったが、今呼び止めても無駄だと直感した。
里沙先生は急いで横断歩道を渡り、人混みの中に消えていった。
僕は、慌てて僕の前から立ち去った、里沙先生の気持ちが理解できた。
「里沙先生は、マイクが僕だとは、夢にも思わなかっただろう。あんな状況で学校の教え子に会ったら、だれでもびっくりし、その場から逃げ出したくなるだろう。」
里沙先生が立ち去って5分ほど過ぎた頃、僕も先生が走り去った横断歩道を渡って、家に帰った。
僕の心は少し弾んでいた。
「やっぱりアリサは里沙先生だったんだ。」
僕はアリサが里沙先生だと確認できて嬉しかった。
憧れていた里沙先生と僕が、急に特別な関係になったように思えた。
僕と里沙先生だけの、決して他人には知られてはいけない秘密ができたんだから。
僕は、これから里沙先生と濃密な関係になりそうな予感がした。
僕は家に帰ると、パソコンを立ち上げ、サイトのアリサにメールを送った。
マイク・・・アリサ。里沙先生だったんだね。
何度もメールを送った。
しかし、その夜、アリサから返事がなかった。
(続く)
※本サイト内の全てのページの画像および文章の無断複製・無断転載・無断引用などは固くお断りします。
メインカテゴリーから選ぶ