家庭崩壊-4話
作家名:バロン椿
文字数:約3060文字(第4話)
公開日:2020年10月30日
管理番号:k063
吹き始めた夫婦間のすきま風。ふと見た夫のスマホに入っていた若い小娘からのメール。夫の不貞を知った妻は、あろうことか、自分の娘より年下のピアノ教室の教え子に手を出してしまった。そして、セックスに溺れる日々。その果てにあったのは家庭崩壊……
込み上げて来るものを抑えきれなくなった和子は「ごめんなさい……」と言って芳樹に抱き付いた。
涙が止まらず、声にならない。
芳樹は「あ、いや、せ、先生」と慌てたが、和子が肩を震わせて泣くのをそのままにしてはおけない。
「先生、先生、泣かないで」と優しく、その背中を撫でると、和子はもう我慢できない。
「芳樹君!」と叫ぶと、彼の唇に吸い付いた。
《勢いのまま、セックス》
先生がそんなことをするとは、芳樹は驚いた。
「あ、あ……」と身を捩って、一旦、唇を離したが、「ダメ……」と引き寄せられ、角度を変え、再び唇を吸い求められた。
「いつまで女子学生やってるのよ」、和子の頭の中では、明美に言われた言葉が蘇り、「見てなさい、私にだって、出来るんだから……」とばかりに芳樹の首に腕を絡め、チュッ、チュッパッ、チュッパッ、チュッ……と何度も彼の唇に吸いついた。
エアコンは効いているが、蒸し暑い梅雨、こんな風に揉みあっていれば、汗ばんでくる。
「あ、ふぅぅ……」と唇を離した和子は馬乗りになったまま、ボタンを外して、ブラウスを脱ぎ捨てると、背中に手を回してブラジャーのホックを外した。
熟れたマンゴーのような豊かな乳房がこぼれ落ち、目の前で揺れている。
ゴクンと芳樹が唾を飲み込む音が聞こえた。
「触るのよ」と彼の手を取り、それにあてがう。
真面目で優しい男の子だが、こんなことをされたら、頭がおかしくなる。
「先生……」と抱き付いてきた芳樹の目は「男」そのもの。
逆に組み敷くようにして和子を床に押し倒すと、手をスカートの中に伸ばしてきた。
このままさせて上げたい……そう思う和子はその手を掴んで、下着の中に入れ、性器に触れさせた。
ごわごわした陰毛が指に絡まり、その先の肉は柔らかくて、しっとりしている。
芳樹は首筋がカアーと熱くなり、和子も異様に興奮してきた。
自分の指を芳樹の指に添え、小陰唇の割れ目に沿って上下に動かし、クッと力を入れて、中に入れさせた。
「あっ……」と芳樹が小さな声を出す。
和子は手の動きを速める。
もう自分でも止められない。
滲み出る愛液が多くなり、ヌルヌルに濡れてきた。
「ああ、芳樹君……」
切ない喘ぎ。
口が開き、顔がだらしなく崩れる。
芳樹は我慢できなくなった。
下着から手を抜き、その場で立ち上がると、着ている物を脱ぎ始めた。
和子も急ぐ。
スカートを脱ぐと、ストッキングをクルクル丸めて下ろしていたが、途中でもどかしくなって、ショーツも一緒に引き下ろした。
そして、まだ、それが足首に絡まっているが、待ちきれない。
「来て……」と裸になった芳樹を迎え入れる。
二人には互いの体しか見えない。
「うん」と頷き、ぎこちなく体を重ねてくる芳樹を、和子は右手を伸ばして硬く大きくなったペニスを掴まえ、抱き寄せた。
その瞬間、「あっ」と芳樹の口から小さな声が漏れ、ペニスは和子の膣に飲み込まれていった。
激情にかられたとはいえ、とうとう和子は一線を越えてしまった。
だが、後悔など無い。
全身を貫くのは、女に戻った悦び。
芳樹も顔は上気して紅潮し、とくに目の周りは真っ赤に茹であがったようになっている。
しかし、16歳の無垢な芳樹には刺激が強すぎる。
和子が夫の時と同じようにちょっと腰を使うと、彼は「せ、先生……」としがみつき、「あ、あ、あああ、あっ……あっ……あっ……」とあっけなく逝ってしまった。
《セックス三昧》
こうして「生身の女」に戻った和子は歯止めが効かなくなった。
彼が来る日は、他の子供のレッスンは休みにしている。
午後3時半過ぎ、もう30分もすれば芳樹が来るが、明美にもらったドリンクを、和子は続けざまに2本飲み干した。
すると、気のせいか、体が火照り、羽織っていたレースのカーディガンは要らなくなった。
後は白いタンクトップにレモンイエローのウエストギャザーのフレアースカート、これなら裸になるのは簡単だ。
じりじりする程、時間の歩みは遅く感じるが、午後4時少し前、「こんにちは」と、芳樹が玄関のドアを開けて、入ってきた。
暑さもあるが、期待からすっかり上気し、ハンカチでしきりに汗を拭っている。
「いらっしゃい。さあ、上がって」と彼を中に招き入れると、ドアの鍵をしっかりと架けたが、これからしようとしていることを思いうかべると、言いようもなく興奮し、エアコンは入れてあるのに、少しも涼しくない。
顔は火照り、体は汗ばんでくる。
もうどうなったって構わない。
「好きよ」と抱き付き、彼の唇に吸い付いた。
芳樹もその気で来ているから、先日とは違って、戸惑うことなく、和子を抱き締め、吸い返し、そのままリビングのソファーの上に倒れ込んだ。
チュッ、チュッパッ、チュッパッ、チュッ……
二人は何度も互いの唇を吸い求めていたが、したいのはこれではない。
「ふぅぅ……」と唇を離した和子はその場で起き上がると、「こっちよ」と彼の手を引き、奥の客間に入った。
第五章 娘の帰省
夏休み、娘の香苗が北海道から帰省してきた。
「あれ、お姉ちゃん、帰ってきたの?」
「芳樹、久しぶり」
ピアノ教室は香苗を教えるために始めたものだが、彼女はピアノが好きになれず、3歳下の芳樹がレッスンに通ってくると、たちまち追い抜かれてしまい、中学生の時には止めてしまった。
しかし、二人は本当の姉弟のように仲が良く、今も芳樹は香苗を「お姉ちゃん」と、香苗は芳樹を名前で呼んでいる。
「芳樹、また背が伸びたみたいね?」
香苗も和子と同じことを言う。
「うん、178cmかな」
「えっ、この間より、また1cm伸びたの?」
まさに育ち盛りだ。
「へえ、3ケ月会わないうちに、なんだか男っぽくなったな、芳樹は」
「そうかな。お姉ちゃんの方こそ、大人っぽくなったね。色っぽいな。ひょっとして、へへ、あれかな?」
「な、何がよ?」
香苗は内心ドキッとした。
実は、先月、大学の先輩に抱かれ、女になったばかりだった。
(まさか、そんなふうに見えるのかな? ママにばれたらやばいから、ここは切り返しとかないと……)
「芳樹の方こそ、なんだか堂々として大人みたいね」
「へへへ、そうかな?お姉ちゃん、分かるの?」
芳樹が自信満々に答えてきた。
「へえ、ひょっとして彼女でもできたの?」
「YES!」
「えっ、誰よ、教えてよ」
「それは言えません」
「じゃあ、どこまでいったのよ?チュウかな、ハグかな?」
「へへへ、言えないけど、違います」
「まさか」
「止めなさい!もう、そんな話は。いやらしい!」
それまで黙っていた母の和子がヒステリックに割り込んできた。
「香苗も芳樹君もいい加減にしなさい」
「ママ、そんなに怒らなくたって」
「香苗、芳樹君はまだ高校生なのよ。分かった?」
「はい」
香苗は芳樹に“叱られちゃった”と目配せをしたが、芳樹は顔が青ざめ、体を固くして下を向いていた。
(おかしい……ママと芳樹に何かあったのかな?)
香苗は芳樹に聞いてみたかったが、?叱られた時は長居は無用?を思い出し、「高校の同級会があるから、いってきま〜す」と外に飛び出していった。
「芳樹、ダメでしょう。香苗には絶対に知られたらダメなのよ」
「先生、ごめんなさい。でも先生の顔を見てたら、硬くなっちゃって、お姉ちゃんにばれそうだったから、それをごまかそうと」
見ると、ズボンが尖がっていた。
「あらら、しょうがないわね」
あの日以来、全てが変わっていた。
薬の力を借りたのは最初だけで、もうそんなものは要らなかった。
「玄関の鍵を掛けてらっしゃい。直ぐにお風呂の支度をするから」
「先生、待てないよ」
芳樹の手が和子のスカートに伸びてきた。
「いけません。鍵を掛けてからよ」
(続く)
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