君江と光男〜故郷に咲いた儚い恋-3話
作家名:バロン椿
文字数:約2920文字(第3話)
公開日:2020年9月9日
管理番号:k056
これは今から30年程前の話です。しかし、当事者が今もご存命なことから、登場人物の名前は仮名としております。ご了解下さい。
初めてのセックス
素直で明るい。
訪ねて来る度に、一緒にお茶を飲み、親しくお話をする。
7月にはキスもした、8月には思いも伝えた。
しかし、光男はちっとも自分に迫ってこない。
だけど仕方がない。
彼はまだ17だから……
暑くて眠れぬ夜、君江は湧き上がる欲情を抑えるため、自分で慰める。
光ちゃんとセックスがしたい……
暑さが峠を越えた9月、その日も朝まで眠れず、下腹部がもやもやして、何をするのも嫌だった。
今日こそは……だから布団も敷きっぱなしだった。
午後4時を回り、やっと光男が来た。
「待っとんたんよ」
「うん、急いだけど、捕まっちゃって」
六畳間に上がった光男はアイスコーヒーをゴクンと美味しそうに飲んだが、君江は一口啜っただけで、「ねえ、光ちゃん、うちら、どないなるん?」と光男に擦り寄った。
「え、どないって?」
君江の思いなど知らぬ光男はグラスを置いて、クッキーに手を伸ばしたが、君江はその手を掴むと、「うちんこと、どないに思っとるんか知りたい」と胸に引き寄せた。
光男は「ど、どうしたの……」と、いつもと違う君江に驚いたが、後戻りなどできない君江は「好きか、嫌いかはっきりさせて欲しい」とにじり寄った。
すると、気圧されたのか、光男は「す、好きだよ、当たり前じゃないか」と後退りするが、「そんなら、なんで何もせんん?」と追い駆け、迫ると、「そ、そんな……」と声を詰まらせる。
男と女のことなど何も知らぬ光男にそれを望むのは無理なこと。
分かっているけど辛い。
だが、抑えきれない君江は「うちは嫌や。うちは、うちは光ちゃんに抱いて欲しい。抱いて体を奪って欲しい」と光男を押し倒した。
ガチャン……と座卓の上のグラスが倒れ、残っていたコーヒーが座卓から流れ落ち、畳に広がっていくが、君江には光男しか目に入らない。
チュッ、チュッ、チュッ……君江は光男に抱き付き、唇を奪い、「光ちゃん……」と、一旦、唇を離して、名前を呼び、チュッ、チュッ、クチュッ、クチュッ……吸い付き、次第に濃厚になっていく口づけ。
君江は唇を小さく開いては閉じ、閉じては開き、顔の角度を変えて、何度も何度も光男の唇を吸った。
光男も君江を抱き締め、唇を吸い返してきた。
いつ終るか分からぬ激しい抱擁だが、その時、外で遊ぶ子供の蹴ったボールがドーンと壁にぶつかった。
「ま、待って」
慌てて起き上がった君江は玄関の引き戸に鍵を掛けた。
そして、光男を奥の三畳間に引き入れた。
寝ていた跡がはっきり残る、シーツが皺になっている布団。
光男は唾を飲み込んだが、君江はカーテンを閉め切ると、ブラウスのボタンを外す。
光男もワイシャツのボタンに手を掛けたが、気ばかり逸って、指先が上手く動かない。
その間にもブラウスを脱いだ君江はスカートを下ろし、ブラジャーを外す。
目の前で乳房が揺れている。
ようやくボタンを外した光男はワイシャツを脱ぎ捨てると、シャツを首から抜き取り、君江がパンティを下ろすのを見て、ズボンと一緒にパンツも引き下ろし、同じように全裸になった。
二人は縺れ合うようにして布団に倒れ込み、再び唇を吸い合ったが、裸だから、肌と肌が触れ合い、気持ちの高まりは先程とは比べものにならない。
光男の陰茎は痛い程に硬くなり、何時弾けてもおかしくない。
君江もとっくに濡れている。
余計なことは要らない。
あとは二人の性器と性器を繋げるだけだ。
「み、光ちゃん……」
体を捩って唇を離した君江は光男の体を押し上げると、両脚を開いて、「来て」と光男を迎え、「うん」と頷いた光男がそこに覆いかぶさると、反り返った彼の陰茎は君江の手を借り、パックリと口の開いた、濡れて瑞々しく輝くピンク色の膣の中に入っていった。
「あっ……」
「あん……」
同時に声が出た二人はしっかりと抱き合い、そのまま動かなかったが、初めての光男に長く持ち堪えられるものではない。
突然、腰の奥の方で疼いていたものが陰茎の根元に向かって動き出し、陰茎が急に太くなったかと思う間もなく、腰がガクガクっと崩れ、「あっ!あっ!あっ!……」の声とともに射精が始まってしまった。
心の底から感じあうセックス
初めてのセックスを終えた二人は浴室にいた。
昨夜の残り湯で体を洗い、交互に湯船に入る。
光男は晴々とした顔をしていた。
夢の中では君江と何度も抱き合っていたが、乳房に触ろうと思ったり、性器を思い浮かべるだけで、たちまち夢精してしまい、それ以上は出来なかった。
それなのに、さっき、本当のセックスをした。
今も、君江と一緒にお風呂に入っている。
夢を見ているようだった。
君江も幸せな気持ちに包まれていた。
だが、光男とは違い、あれだけでは疼きが残り、満足は出来ていない。
裸のまま三畳間に戻った光男が服を着ようとすると、「あかん」と君江はそれを止め、「まだ帰らんでええ」と光男の首に手を回すと、そのまま押し倒すようにして、布団に横たわった。
「光ちゃん……」
「君江さん……」
胸を合わせ、見詰め合った後、上になった君江は親鳥が子を愛おしむように、チュッ、チュッと光男の唇を啄ばみ、下になった光男は乳房に手を伸ばしながらも、親から餌をもらうように、チュッパッと君江の唇に吸い付く。
そして、幾度かそれを繰り返してから、君江は舌を光男の口の中に挿し込み、舌を絡ませた。
好きよ、好きよ、光ちゃん、大好きよ……
僕もだよ、君江さん、大好きだ……
そんな二人の思いが溢れ出る口付けは互いの唾液までも混じり合い激しいものに変わったが、蘇った光男の陰茎が君江の太腿を突き上げてくる。
(もういい、これはもういい……)
唇を離した君江は体を入れ替え、下になると、恥かしいけど、好きな人になら……と両脚を大きく広げた。
豊かな陰毛、ふっくらとした大陰唇、肉は薄いが襞の大きい小陰唇……光男は吸い寄せられるように顔を近づけると、小陰唇に舌を伸ばし、ペロ、ペロと舐め、チュッパ、チュッパとその襞をしゃぶる。
「あっ……」と君江が反応し、舌先をつぼめて中に挿し込み、かき回すと、「ああ、あ、あ、あああ……」と喘ぎ、ヌルヌルした愛液がどんどん滲み出てくる。
夢中で舐める光男は襞をしゃぶり、吸い付き、君江が腰を捩れば、押さえ付け、逃げようとすれば、引き戻し、とにかく舐め続けた。
すると、偶然、その舌先が小陰唇の上の突起、クリトリスを捉えた。
「あっ、あっ、あっ、あうぅぅ……」
君江の反応は早かった。喘ぎが大きくなり、体を捩って逃げようとするが、「ここが女の勘所」と本能的に悟った光男は太腿をがっちり捕まえ、離さない。
そして、そこをしゃぶって、何度も舌で転がすと、君江は光男の髪をかきむしり、「いやあ、あかん、あかん、あかんてえ……あ、あ、ああああああ……」と喘いで暴れ出した。
もう布団は溢れ出た愛液でオシッコを漏らしたようにぐっしょりになっている。
光男が顔を上げると、君江は「はぁ、はぁ、はぁ……」とまだ息が荒く、下腹部が波打っていたが、「来て……」と手を広げた。
「うん」と頷いた光男は膝立ちで君江に近寄り、体を被せていくと、先程と同じように、君江の手を借り、亀頭は濡れてパックリ開いた膣口に押し入り、陰茎が根元まで膣の中に収まり、抱き合った二人は再び一つになった。
(続く)
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