シェアワイフ-第12話
作家名:雄馬
文字数:約3020文字(第12話)
公開日:2020年10月9日
管理番号:k054
●登場人物
森晴彦(もり はるひこ)二十七歳
山根温行(やまね はるゆき)二十七歳
森明美(もり あけみ)二十七歳
山根裕子(やまね ゆうこ)二十五歳
これは危ない。爆発しそうだ。裕子ちゃんの雲鬢花顔(うんぴんかがん)を白濁の粘液で汚してしまう。明日の朝、布団を上げに来た仲居さんが腰を抜かすほどシーツに糊がきいてしまう。耐えなくては。俺に出来るか。気持ちいいぞ。苦しいぞ。ガマンだ。
あ、ちょっと。いけない!いま尻の穴をさわっちゃあ。そんな風に指で揉んだり擦ったりしては困る。ウウ、なんて上手にオルガスムスに誘(いざな)うんだ。山根、教育し過ぎだ。裕子ちゃん、よしなさい。いけません!
ウグググ。これを耐え忍ばなければならないのか。こんなキモ苦しい経験は初めてだ。 駄目だ。限界だ。プランCも已む無し。
で、るっ。
魔羅が吼える。骨盤の止め具が外れた。未だ嘗て経験したことのないエクスタシィ。
あ!裕子ちゃんが「お」の口で受け止めている。こぼさないように、しっかりと小さい口で亀頭に吸い付いている。大丈夫なのか。死に物狂いの我慢をしていたから、大量に、もの凄い勢いで白い飛礫が噴き出しているのに。アメアラレと喉チンコに襲い掛かっているであろうに。嗚呼・・・・・・。
いってしまった。だが裕子ちゃんが口で受けてくれたお陰で取り敢えず凌いだ。しかし口の中の物をどうする。
おや?今、グニュとかゴキュとか聞こえたが。まさか飲んでくれたのか。俺の精液を。しかし、山根と思っているのだから複雑だ。
おお、また口に含んだ。深く咥え込んで、幹の根元から梢に向かって搾り取るように扱いている。その間も舌は絶え間なく亀頭を這い回り、白濁の余滴を拭っている。雁首の襟元まで、鈴口の中まで拭っている。
そして尿道のみならず、精管から果ては精嚢まで、精液を根刮ぎにするつもりかと疑われるほど強く吸いたててくる。ああ、くすぐったい。おしっこ漏れそう。それにしても何て念の入った後始末なんだ。すごく片付けられる女ではないか。
しまった。山根に注意しておくのを忘れた。明美は口に出すと洗面所に駆け込んで吐き出すって言っておかなければならなかった。電気を点けられたら一巻の終わりだ。もっとも酒を飲んで銜えることは、おそらくないから大丈夫だろう。強要しても歯を立てるから、さすがに山根も無理強いは出来まい。
それはそうと、これからどうしよう。俺だけ良い思いをして、これで終わりという訳にはいかないな。セックスは相身互い。風俗とは違うんだ。しかし俺に出来るか。明美をこよなく愛するこの俺に。ともかく計画だから、形だけでもサービスしよう。
裕子ちゃん、こっちにおいで。おっと、面が割れては一大事だ。顔を見られないように体を密着させて。あ!裕子ちゃん、浴衣どうしたの。ブラは!自分で取っちゃったの?俺も全部脱いじゃう。
おお、ぷりぷりした乳首があたる。それにしてもウエストが細い。腕が二重回しになる。丸顔だからぽっちゃりした印象だが、これも新体操の賜物だろうか。知ってはいたが、これ程とは思わなかった。返す返すも見えないのが残念だ。
それはそうとブラはどこへやっちゃった?太ももに残しておいたパンティもなくなっている。足首の方に――無いな。これは見つけられない。でも自分で脱いだんだから、そのままでもいいかな?やりっぱなしのようで山根はいい気がしないだろが、やむを得ない。
それでは、合体しようか。こっちへおいで。ガッシ!
いい。タマラン。すぐに回復してきた。さあ、入れよう。青眼に構えて。あ、しぼんだ。何故だ。真剣のように硬かった一物が、魚肉ソーセージのように軟弱になった。これでは刺さらん。二度目だからか。まさか。俺の一物は一度でへばるほどヤワではない。
結婚前は、デートのたびに二度はした。ラブホテルのサービスタイムには、コンドームを箱ごと持って行ったものだ。古い話ではない。近ごろは嘗ての迸るほどの精力は影を潜めたが、夢にまで見た裕子ちゃんをこの手に抱きながら、疲れていようと酔っていようと、たった一度の射精で燃え尽きるなんてことは有り得ない。
然らば何ゆえ俺の刀はスリミのように萎えたのか。愛だ。明美への愛だ。俺はやはり明美を愛している。俺の刀は明美の鞘に納まるべき物なのだ。これでいいのだ。
そもそも山根は、俺が未だに裕子ちゃんを思い切れず悩んでいるように言うが邪推だ。たしかに裕子ちゃんに寄せる思いがあったことは否定できない。一度はそういう関係になりかけただけに、というのは俺の錯覚かもしれないが、山根に先を越されて悔やむくらいの気持ちはあった。
とにかく裕子ちゃんに対して相当の関心があったのは事実だ。そうだ、関心だ。つまり裕子ちゃんに対する思いは、好奇心のようなものであって愛ではなかった。ある種の愛と言い得るとしても、それは憧れに近いものだ。いま好奇心が満たされたので気が晴れた。いや、好奇心というよりは、俺は裕子ちゃんを初めから妹のように思っていたのだ。肉親に対する愛情と同じだ。
そのため却って恋愛感情と混同したのだ。それが分かったから股間は沸き立たないのだ。これからも裕子ちゃんのことは妹のように愛していこう。肉親の体を愛撫するのは人倫に悖るが、これも今の境地に辿り着くために避けては通れぬカタルシスだったんだ。
ともかく状況は山根が心配するような危機的なものだったとは思わないが、今度の計画は喉に刺さった小骨を取り去る効果があったのは確かだ。とはいえ山根が明美の乳の虜になれば危機が現実のものになってしまうが・・・・・・。
まぁ、そんな事は無いだろう。俺と明美は、見えない極太の赤い糸で固く結ばれているから付け入る隙はない、ハズ。それに山根も裕子ちゃんと別れられる訳がない。これからは何の蟠(わだかま)りもなく四人で友情を育んでいこう。
お、どうしたいんだい。チンコさわりたいの?すまない。一人で満足して申し訳ないけど、俺の一物は明美じゃないと立たないんだ。君は妹だし。分かってくれるかな。おお、大変コスるね。だけどふにゃふにゃだろ。しかたがないんだ。
ん?もう一方の手で――尻を触るのかい?スベスベだろう。山根が慣らしておいてくれた甲斐がある。お陰でバレない。だけど俺のスベスベは天然だよ。え?尻じゃない。割目に沿って・・・・・・はうっ。またそこを。君はプロか!
あ、チンコ立った。なんてこった。愛はどうした。休んでただけか。妹に欲情するとは何て未開なチンコだ。俺は穴があったら入りたいぞ。
しかし裕子ちゃんが求めているのだ。君は明日から妹だ。こっちへおいで。
「チャワンムシおかわり」
また何んか言ってるな。問答無用。ガッタイ。
「あ、ん」
入った。あたたかい。愛液に潤びる襞が包み込むように迎え入れた。終にひとつになった。いま俺の陰茎は獣のように根元まで皮が剥けて赤身が露出しているのではないかと思われるほど敏感になっている。裕子ちゃんを全身全霊で感じる。
今のままでも俺は満ち足りているが、裕子ちゃんを喜ばせてあげなくてはな。山根は変幻自在と嘯(うそぶ)くが、奇を衒(てら)って独善に陥っている可能性がある。俺が月並みでも血の通った男女の営みを教えてあげよう。行くよ、裕子ちゃん。まずは優しく。ブス。
「うう、ん」
お次は、臍下丹田に狙いを定めて突き上げるように。ドスン。
「あっ」
そして、次第に速く。
あたッ。なんだい、この手は。ああ、口を押さえたのか。酩酊しつつも喘ぎ声を聞かれるのを憚るんだな。構わないからその手をどかしなさい。俺が口で塞いであげる。ブチュ。
更に速く、ますます激しく。
「ん、ん、あ」
(続く)
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