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シェアワイフ-第4話



作家名:雄馬
文字数:約3030文字(第4話)
公開日:2020年9月11日
管理番号:k054


●登場人物
森晴彦(もり はるひこ)二十七歳
山根温行(やまね はるゆき)二十七歳
森明美(もり あけみ)二十七歳
山根裕子(やまね ゆうこ)二十五歳



挿絵の官能小説画像

「聞こう」
「よし。放射状に伸びた皺の一筋一筋を―」

「そこは飛ばして」

「そうか?ここは俺の好きなところだから、目に見えるように生々しく活写してやりたい所なんだが、仕方がない、割愛しよう。次にTだが、いわゆる手コキだ。つまり肛門を舐めてもらいながらチンコをしごいてもらうわけだ」

「ううう。で、もう一つのTは何だ」
「そこだ」

「どこだ!」
「最後のTは玉簾のTだ」

「タマスダレ?スナックとかに下がってるやつか」

「俺の知らないところで、森はそんな寂びた店に通っているのか。だがそれは玉暖簾だろう」
「違うのか」

「玉簾というのは―いや、本物はどうでもいいんだ。まあ聞け。ケツを舐めてもらう場合、オムツを換えてもらう赤ん坊みたいに足を上げる奴がいるが甚だ間抜だ。それに疲れる。俺は体が硬いからな。そこで四つん這いになる。するとどうだ、股の間に玉が簾のように垂れ下がる。これが即ち玉簾だ」

「しょうもな」

「しょうもあるわ!徒にブラブラさせてる訳じゃないぞ。目の前に垂れ下がっていれば、裕子のような大人しい女でも無視できない。自然に手が出る、舌が伸びる。口に含まずにいられなくなる」

「そんなハズあるか!」

「それだけじゃない。四つん這いと言ったが、膝は着けず蛙みたいに足の裏を着けてしゃがむんだ。いや、尻を浮かすから蛙よりむしろ相撲の仕切りを思い浮かべると近い。すると俺の尻の穴は豁然(かつぜん)と開き、裕子は更に深く舌を差し入れてくる」

「キタナイ!嘘だ!裕子ちゃんがそんなグロテスクな事するハズない」

「信じる信じないは森の自由だ。だが森は裕子の何を知っている。いくら親しくても、どんなに付き合いが長くても、裕子がお前に見せるのは友人の顔、化粧で飾った偽りの仮面だ。素顔の裕子を森は知るまい。明美ちゃんにだって森にしか見せない顔があるだろう」

「それはある」
「夫婦というのはそういうものだ。さぁ、今度は森のスペシャルを話せ」

「ああ。でも今、山根の話を聞いたら、俺のは大してスペシャルじゃなかった」

「つべこべ言わずに話せ」
「じゃあ話すけど。パイズリはパイズリだ。ただブラウスを着させるんだ」

「ほぉ、ブラウスを。ブラは」
「着けない」

「裸にブラウス・・・・・・。それで」

「ブラウスは小さめがいい。高校に着て行ってたやつが俺のお気に入りだ。今だと胸のあたりがピッチピチなんだ」

「制服か!本物の」
「うん。卒業アルバム見せてもらった時に、コレダ!と思ったんで、実家から持ってこさせた」

「パイズリに使うから持って来いってか」
「そんな具体的には言わない。ただ、夜使うからって」

「そんなんで持ってくるのか」

「いや、持ってこない。だから『つべこべ言わずに持ってこい。さもないと本物の女子高生と遊ぶぞ』って脅して」

「それで持って来たのか。どれだけ信用されてないんだ。で、色は?白か、ブルーか」

「ピンク」
「ピンク!そんな扇情的な着衣を義務づける学校が現実世界に・・・・・・。それから」

「ボタンの間から挿入するんだ。ブラウスが小さいから、手を使わなくても圧迫されておのずからパイズリになる」

「なるほど。それで空いた手で何をさせる」
「何もさせない。後手に縛る。足も縛って一つに括る」

「なんだと!隣の席の先輩社員の名前さえ怪しい入社直後に、単身役員室に乗り込んで、女子社員のお茶汲み全廃を強談したという鬼フェミニストに、そんなサディスティックな態度で臨んでいるのか。凄げぇな。それで縛ってどうする」

「どうもしない。ただ縛ると支配欲が満たされる。それに体の自由を奪われている女を見るのは興奮するものだ。それが俺のスペシャルだ」

「手足を縛るだけか。ブラウスの上から縄を巡らして乳房を際立たせるとか、片足だけ吊るしてアソコを露わにさせるとか、団子を拵えてクリトリスを虐めるとかはしないのか」

「そこまでには至っていない。ただ目隠しをすることがある。あと機嫌がいい時は猿轡を噛ませたりもする。あの穴の開いた練習用のゴルフボールみたいな奴あるだろう」

「そこには至っているのか。しかしよく明美ちゃんが許すな」
「夫婦だからな」


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「しかし猿轡が家にあっていいのか。ローションの方がよっぽどハードルが低いと思うが」

「明美の考える風俗はソープだ。SMや器具を使うプレイは、夫婦や恋人同士がやるものと思っているようだ。実は猿轡は二人でアダルトショップに行って買ったんだ」

「そんな店に二人で行くのか!森といい明美ちゃんといい、人は見かけによらないな。何だか恐ろしくなって来た」

「だけど一朝一夕に縛れた訳じゃない。そこに至るまでには並大抵ではない苦労があった」

「どんな苦労だ」
「まず俺が縛られる」

「ふぅぅむ。やっぱり明美ちゃんは鬼だな」

「だけど単にデモンストレーションのつもりでやってるのに、実際縛られると変な気分になって来るもんだな。相手が気心の知れた明美とはいえ、全裸で手足を縛められるという通常想定し難い無防備な状態に置かれると凄く心細い。

そしてそんな状況で虐待されると、非常な不安感に見舞われる。と同時に、頭の芯が痺れるような陶酔感に襲われて、自分でも不思議だけど、もっとぶって、もっといじめて、もっともっとって――」

「やかましい!その話はいらん。何を一人で陶酔感に襲われてるんだ。キショク悪い」

「じゃあそこは飛ばして」
「森の被虐奇譚(マゾヒストリー)は聞かなくていいぞ」

「じゃあそれだけだけど。明美の方を少し補足すると、猿轡をつけるとヨダレが垂れるだろ。それが乳を濡らしてヌメるから、また一味違った触感が楽しめるんだ。ブラウスが透けて、固く尖った乳首が黒く見えるとソソられるし」

「乳首が固く尖るだと?本当か」
「そりゃあ興奮すれば尖るさ」

「巨乳というと、乳房に引きずられて乳暈も乳首も巨大化し、と言うより乳首は乳暈に埋没して区別が無くなっている印象が有る。とても独立して尖ったりしそうにない」

「そういうのもあるだろう。しかし明美のは違う。乳暈は肥大せず、乳首は形を失わず、桜の花びらを髣髴させる薄桃色を帯びている」

「嘘だろう。黒ずんでシイタケの傘みたいになってるんじゃないのか」

「妊婦じゃないんだ。だいたい巨乳がそんなんだと思っているならなぜ憧れる。デカけりゃ他はどうでもいいのか。それとも望みは黒チクビか」

「そんなことはないが、しかし本当にそんなに綺麗なのか」
「そりゃあもう瞬きを忘れるほどだ。が、山根には虚しい情報だったかな」

「いや、俺だって乳首は薄桃色の方がいいに決まってる。ただそんなのは、蓬莱の子安貝と諦めていただけだ」

「ホー何?また何か分からん事言ったな。台湾料理か何かか?」
「何でもいい。とにかく、デカくてなおかつ乳首が綺麗なら、願ったり叶ったりだ」

「それならなおさら余計な知恵をつけて気の毒だった」
「どういうことだ」

「計画では部屋は暗くて何も見えん」
「ちくしょう!そうだった。いい、電気点けてやる。バレたって構わん」

「落ち着け。想像力で補うんだ」
「・・・・・・・・・・・・・」

「どうだ。補えそうか」
「ダメだ。想像すると黒くなる。そうだ、ケータイにチチの画像があるだろう」

「親父の写真なんか持ち歩かない」
「くだらんダジャレで誤魔化すな。出せ」

「無い。有っても見せん」
「そんなこと言って、本当は黒いんだろう」

「ああ、黒い黒い。明るくても暗くても関係ないくらい真っ黒い」

「ちくしょう、やっぱり薄桃色なんだな。まあいい。何とかする」
「電気は点けるなよ」



(続く)





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