アナルファンタジー(4)激愛-第3話
作家名:優香
文字数:約3050文字(第3話)
公開日:2020年9月7日
管理番号:k055
しかし彼女と何度も繰り返した痴戯のせいで、悠美の性欲が女性を対象とするようになったのは、悠美が意識せずとも事実になってしまっていた。
また、友人との痴戯から発した悠美のオナニー癖は、悠美の性癖に根付いていた。
ほとんど二日と空けず、悠美はオナニーで自らの性欲を充たすようになっていた。
ある晩、悠美はオナニーで充たされた後の女性器の様子を見たくなって、横たわったまま脚を拡げ、手鏡に女性器を映して見た。
大人の女性器と、未だ幼い悠美の女性器を比べようもなかったが、少なくとも友人の部屋で生まれて初めて触れた時よりも、クリトリスも大粒になり、女陰の襞も明らかに発達しているように感じられた。
未だ残るエクスタシーの余韻で裸身が痙攣する度に、妖しく蠢く女性器の中心でわずかに寛いだ膣孔から、膣粘膜に溜まっていた愛液が滴り、肛門の窄まりに流れ落ちた。
ふと悠美は、その肛門の窄まりを見詰めた。
女性器が蠢くのに併せてひく付いている、その不可思議な形状をした窄まり。
排泄という、人間が生きている以上は必ず使用しなければならない器官。
忌わしい不浄の存在であり、何故人間の身体に付随しているのか?
《うんちなんてしなければ良い。どうして人間って、うんちなんてするの?》
子供の頃から腸が丈夫ではなかった悠美は便秘と下痢を繰り返す事が多く、そんな時に必ず付き纏う問い掛けではあった。
何故かその夜、急にその不浄の孔に意識を向けたのだった。
鏡に映しながら、人差し指で触れてみる。
子供の頃、初めて両親と出掛けた磯で触った事のあるイソギンチャクのように、一瞬収縮し、また元に戻る。
また触れてみる。
また収縮して元に戻る。
悠美は、今度は、滴って潤う愛液を塗して指先を少し潜らせてみた。
《ああ、な、何か変な感じ》
何時か、友人の部屋で生まれて初めて女性器に触れた、その感覚を想い出していた。
何故か、不潔だとか汚いという想いはなかった。
ただ、指先を締め付ける肛門の窄まりの感覚が奇妙でそそられただけだった。
指先を第二関節まで潜らせてみる。
滑らかな腸粘膜の感触が指先に伝わって来た。
《お尻の孔の中って、こんなになってるんだ?》
悠美は、その内部の奇妙な感触に興味を抱き、指を恐る恐る、ゆっくりとしゃくるようにして潜らせてみた。
《ああっ、い、いやっ。な、何っ?》
瞬間、全身の肌がざわめき、媚肉の奥底が疼いた。
もう一度、指をしゃくって、さらに潜らせてみた。
指が滑らかな肛門粘膜に包まれ、肛孔が断続的に収縮弛緩を繰り返す。
媚肉の奥底で疼き続ける妖しい官能が、悠美の指をさらに奥まで求めようとしていた。
それはクリトリスや女陰の襞を愛撫する時に生まれる快感とは異なるが、明らかに悠美の性欲を刺激する官能をもたらせていた。
《う、うそっ?わ、私っ?お、お尻がっ?か、感じるのっ?》
悠美は急に怖くなり、慌てて潜らせた指を引き上げ、手鏡をベッドに放り出していた。
《ああ、な、何て事したんだろう?》
悠美は、肛門に指を挿入した事を一瞬後悔した。
しかし、その得体の知れない官能に対する好奇心は、その後悔に勝っていた。
悠美はもう一度、拾い上げた手鏡で映しながら、指を肛門の窄まりに潜らせてみた。
さっきより柔らかく解れ掛けた肛孔が悠美の指をほとんど根元まで咥え込み、きつく締め付けていた。
まるでそれだけが別の生物のように、悠美の指の根元から先をすっぽり掻き消していた。
肛孔が咥えている指の根元だけがきつく締め付けられ、収縮弛緩を繰り返し、指を潜らせた内部はほとんど締め付けがなく、緩やかであった。
悠美は思い切って指先を何度かしゃくってみた。
《ああ、き、気持ち良いっ。か、感じるっ。な、何て事っ?わ、私っ、お、お尻がっ、か、感じるのっ?》
そして悠美は、その異様な感覚が明らかに性的な官能である事を思い知らされていた。
排泄の為にだけ存在する器官であるべき肛門。
悪臭のする醜い汚物を排泄する忌わしき器官。
それが、今自分に愉悦を与え、指先での刺激をさらに求めて妖しく蠢いている。
悠美は、その妖しい誘惑を拒む事が出来ないまま、さらに指をしゃくり、今度は抽送さえしてみた。
《ああ、だ、だめっ。わ、私っ、へ、変態だわっ。お、お尻でっ、オ、オナニーしてっ、か、感じてるっ。な、何ていやらしいっ。ああ、や、止めなきゃっ。こ、こんなっ、い、いやらしい事しちゃっ、だ、だめっ》
理性を取り戻そうとしても、指の動きを求める誘惑は断ち切れるものではなかった。
悠美は一旦指を抜き、今度は唾液を塗して指を二本に増やし、さらにしゃくりながら抽送し始めた。
そうして肛門粘膜をしゃくると、自然に掌が女性器全体を擦るようになる。
その快感も相まって、ついにエクスタシーの波が媚肉の奥底で立ち上がった。
両脚を高く掲げて大きく拡げ、未だ幼いままの乳房を揉み立て、乳首を指で摘んで転がし捻り上げながら、膣粘膜から夥しく滴る愛液の淫猥な濁音を響かせて、激しく抽送する。
火を吐くように熱い喘ぎが込み上げて来る。
異常な快感の虜になる心の片隅で、消える寸前の理性が階下の寝室にいる両親に喘ぎ声が聴こえるのを恐れて、傍にあったパジャマを口に咥えて歯を食い縛る。
乳房への愛撫を止め、その手指で女陰をなぞり上げ、クリトリスを揉み込む。
《だ、だめっ。わ、私っ、な、何て事っ。お、お尻でっ、イ、イッちゃうっ。す、すごいっ。こ、こんなっ、し、信じられないっ。ああっ、イ、イクわっ、イクイクイクーッ》
悠美はついに、生まれて初めて指先に触れたばかりの肛門でのオナニーで、女性器でのオナニーで覚えるよりも強烈なエクスタシーの大波に襲われ、裸身を激しく痙攣させ、ぐったりとなっていた。
《わ、私っ、な、何て事っ、お、お尻でっ、イクなんてっ、へ、変態だわっ》
悠美は肛門から吐き出されるように抜け出た指を見詰めた。
愛液に濡れ光る二本の指は、茶褐色に染まっていた。
悠美は忌わしい物を見たように眼を閉じ、枕元のティッシュペーパーを取って指を何度も拭った。
指先の抜け出た肛門の窄まりを手鏡に映してみると、案の定洞らを開いたように口を開けたその孔も茶褐色に染まっていた。
もう一度ティッシュペーパーを取って何度も肛門の窄まりを拭った。
肛孔が何度も収縮弛緩を繰り返し、綺麗に拭き取った後の窄まりは既に、最初に視た時のように完全に閉ざされてしまっていた。
悠美は恐る恐る起き上がり、トイレに行ってティッシュペーパーを流し、放尿を済ませて、再びベッドに戻った。
階下の両親に喘ぎ声が聴かれてはいまいかと、不安だったが、無用の心配だったようだ。
《わ、私っ、ど、どうなっちゃうんだろう?ま、未だ、セ、セックスもした事がないのにっ、オ、オナニーで、それも、お、お尻で、オ、オナニーして、イ、イクような、い、いやらしい女になっちゃった》
未だ醒めぬ興奮と、蘇った背徳感と自己嫌悪が心に渦巻き、永い事眠れなかった。
その夜の出来事が、翌日から悠美を変貌させた。
悠美は、肛門でエクスタシーを覚える変態になってしまったという負い目から、人目を気にするようになり、それまでの、清楚で上品で愛くるしく、明るくて無邪気で人懐っこい悠美ではなくなってしまっていた。
毎晩のように繰り返す、悠美を支配してしまった肛門の愛撫によるオナニーは、悠美の心に背徳心と孤独感を植え付け、それが悠美の美しさにある種の陰影をもたらせ、友人達の眼にも、孤独感を漂わせ、大人びた悠美の風貌は、近寄り難い存在として映るようにさえなっていた。
(続く)
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