痴れ女の妄迷-2話
作家名:金田誠
文字数:約2890文字(第2話)
公開日:2020年8月28日
管理番号:k053
ウブな男子大学生の手記。年上の女性に手ほどきされる様を、彼の気持ちの変遷を中心に描いています。少し謎めいた彼女は、いったいどんな女性なのか?
駅の改札を出ると、彼女は何かを探しているようだった。
「ここに入ろっか」
そこは、24時間制のカラオケボックスだった。
私は黙ってうなずいた。
彼女の後ろをついていき、受付で2時間分の支払いを済ませるのを見ていた。
店員に案内され、うす暗い照明の狭い部屋に入る。
個室には、小さなテーブルと大きめのL字型ソファがあった。
彼女がまず腰かけて、私はもう一方の場所に座った。
「何か飲み物を頼もうか。朝からビールにしようかな?君は?」
お酒は飲める。
でも、童貞の私は、事至るにあたり不安に思って、ウーロンハイを選んだ。
「きみ、渋いね。お酒は、あんまり好きじゃないの?」
「そんなに強い方ではないので・・・」
うす暗い室内で、お互いの表情を細かく確認するのは難しい。
それでも、ショートヘアのタヌキ顔を間近に見ると、いつもは表情を変えない彼女が、口角の上がったいやらしい口元になっている。
店員が飲み物を運び終わると、カタログから10曲を選んで、彼女は立て続けに登録した。
その不可思議な行動をじっと見ていると、気づいた彼女が
「ムードのある曲を選んでおいたから。それに音漏れしないでしょ」
とグラスを口にしてほほえむ。
1曲目のイントロが流れだした。
サザンオールスターズの『ミス・ブランニュー・デイ』だった。
「ここまで着いてきたのは、期待してるっていうことだよね。時間ないから」
彼女は唐突に喋りだすと、私の手をとって、自分の豊かな胸に私の手のひらを押しあてた。
電車内では、ひじや腕ばかりで手のひらは初めてだった。
私がビックリする間も与えず、唇を突き出すような顔になった彼女は、私の手の甲をぎゅっと押さえ、強く力を入れてきた。
手の中で乳が柔らかく変形していく。
「わたしね、けっこう軟乳なの。もう知ってるか。でも、ブラしてるから、ほんとの柔らかさは、わかんないよね」
言葉の刺激も相まって、もう然と生の感触を味わいたくなった。
話すたびに彼女の吐息が私の頬をなでるので、いてもたってもいられなくなる。
石鹸のいい匂いが、彼女の髪から立ちのぼってきた。
「じかに触ってみる?」
私の心を読むように、彼女はパーカーのジッパーを、私に視線を合わせたまま丁寧に下ろしていった。
透明感のある爪がつやつやと輝き、その指の動きに見とれてしまう。
Tシャツの隆起が徐々に剥き出しになっていくと、青のブラ線がくっきり浮かび上がってきた。
ジッパーをすべて下ろしきり、ゆっくりと前を開いていく。
両腕を閉じるようにして胸をよせると、Tシャツの中央が深い谷間をつくった。
私のズボンの中では、どくどくと濃い血がめぐり、ねじくれた太い幹が痛いほどになっていく。
「緊張してる?私だって恥ずかしいんだから・・・」
言葉とは裏腹にTシャツをたくし上げ、両腕を背中にまわしてホックを外す仕種の彼女が、やや前傾姿勢になった。
たおやかな乳房が一瞬布地から零れんばかりに張りだすと、そのふくれた軟乳がすっとゆるんだ。
肩紐のないブラをとって、Tシャツの中から取りだす。
そして、捲りあげていたピンクの布地をふたたび下げて、上半身を覆った。
双丘の形どころか、乳先の尖り具合まで丸わかりになっている。
「手のひらで、やさしくね」
残る右手で私の手首をつかみ、自らの胸の麓に引き寄せる。
手をお椀のようにして下から持ち上げると、乳突起が上を向いて、ヌンと立つのがわかった。
眼前にある乳先の色合いを、確認したいところだが、うす闇の光が弱すぎてもどかしい。
いつもは受け身の私も、このときばかりは乳房に5本の指を、ぎゅっと埋めていった。
やわらかなくせに尖っているなんて・・・と思っても、股間はすでにはち切れんばかりに張りつめており、これ以上の体積膨張は望めないくらいになっていた。
パンツ中央のひんやりとした冷たさは尋常ではない。
亀頭は早いうちから、大量の先走り液をにじませていたらしい。
意を決して、水蜜桃の先端部を、指でこねるようにいじってみる。
「あっ。あっ」
甲高い声を彼女があげた。
つまんだり倒したりしても、かるく指を弾いてくる。
そのたびに、口を半開いては彼女が短く息をする。
それにしても、こんなに喘ぐだなんて・・・。
電車内では漏れでる声をかみ殺していたのかもしれない。
シャツが張りついているので、ほとんど直に触っているのと同じだ。
その刺激もいっそう強いのだろう。
口内におびただしい量のだ液がにじみ出し、私はゴクリと唾を飲みこんだ。
ロケット乳の先はぷるぷると震え、まるで私を強く誘いこんでくるようだ。
ピンクであろう乳頭を布ごしに、我慢できずちゃぷっとしゃぶった。
「あ、ぁん・・・」
ちゅるちゅると舌でがむしゃらに転がした。
乳房はあれほど軟らかいのに、乳頭は芯が入っているかのように硬く跳ね返してくる。
幾らなぶり倒しても、ぬぬん、ぬぬんっと立ち上がってくる。
こんどは乳頭の根元を舌裏でひねる。
「ンん。あっ」
一段と高い声が上がった。
その甘い声に応じて、亀頭にびくびくと電気が走る。
もう若芽のゆく準備は万端になっている。
ふいに、自分ではない異なる動きを股間に感じた。
彼女が手を伸ばして、私のズボンのジッパーを下げたのだ。
パンツの押さえから解放されたイチモツが、ビンと飛びはねる。
先端の包皮が、自然にニュイっと剥かれていく。
生温かい手のひらの感触。
やさしく触られただけで、むき出された竿の血流がぐっと増した。
軽い握りではあったが、上下にこすられ、カリ首のふちが刺激される。
素早く動かしたり、ゆっくりしごいたりと、リズミカルなようでいて、変則的な動きに翻弄され、勝手に腰が上下に動いてしまう。
夢にまで見た乳頭を吸いながら手コキされているのだ・・・と考えた刹那、腰部奥からツーンと駆け上がってくるものがあった。
たまらず鼻先の桃色シャツを捲りあげ、左の生乳を指で挟みこんで、先端をニュっと引きだす。間髪入れずに、ちゃぷっと飲みこみ、赤ちゃんのように乳輪ごとチューッと強く吸い上げる。
あ、ぁん・・・という女の嬌声が合図となって、堰を切った熱い奔流が、垂直に吹き上がるのを我慢できなかった。
「ううっ」
こんどは私がうわずった声をあげる番だ。
絶頂に向かって急激に押し上げられ、またたく間にびゅびゅびゅっと精液を放った。
一度ではなく数度の貫くような快感だ。
その幾筋かが彼女の腕にかかるのを、私は恍惚とした眼で凝視していた。
母親以外の女性の乳房にしゃぶりつきながら、人に施された処女射精だった。
「出たね。すごい気持ちよかったんでしょ」
私は気だるげに、頭をにぶく縦に振った。
入室して15分も経っていない。
早漏や包茎や人前での射精など、もろもろの恥ずかしさはどうでもよかった。
夢のような瞬間だった。
でも、賢者タイムになって、これは現実なんだと悟ると、もっと快感を味わいたいと思った。
そんな私の心を見透かすように彼女は言う。
「今日はこれでね。また、いつものところで会えるし。時々は、こんなのもね」
私がだらしなくソファで下半身をさらす一方で、彼女は自分の衣服をすでに整えていた。
お互いの名前や素性は、わからないままでいましょうと言われた。
(続く)
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