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アナルファンタジー(1)契機-第11話



作家名:優香
文字数:約3900文字(第11話)
公開日:2020年4月1日
管理番号:k021


挿絵の官能小説画像

奥様が私の方に身体を向けると、またあの妖しい光を帯びた目で私を見つめた。

「私、主人の事務所で初めて貴方を見た時、瞬間的に貴方を抱きたくなったの。勘違いしないでね。私レズでもなんでもないわ。経験もないし。でも、貴方を見た瞬間、私と同類だって感じたのよ」

《同類?同類って?どんな?》
「私ね。子供の頃から仲間とか親友とかを見分けるのが得意だったの。大人になったら同類ね。主人もよ。紹介で知り合ったのだけれど、遭った瞬間にこの人私の性欲を絶対満足させてくれるって感じたの」

奥様はそう言うと私の手からグラスを取り、二つを床に置くと、私の顎に軽く手のひらを宛てて引き寄せるようにし、美貌を近付けて来た。


《ああ、やっぱり。奥様は》
私は、自分で無意識に拒絶するかと想ったが、身体はそう反応しなかった。

私は彼女の為すがままになって眼を閉じ、彼女の唇が触れた瞬間、震える唇を開いた。
生まれて初めての同性とのキス。

彼女は私の唇をいきなり塞ぐような事をせず、上唇と下唇に啄ばむようなキスを見舞い、私が求めると逃げ、引くと追いかけて来て、焦らすようなキスを施した。

《ああ、奥様、もっと》
私が彼女の唇を追い求めた瞬間彼女は私の唇を塞ぎ、貪るようなキスを続け、舌を吸い立て続け、そうかと想うと舌を挿入して来て、舌の付け根から歯茎の裏側まで擦り立てた。

私はそのキスのテクニックの虜になり、知らない間に奥様に抱き付き、キスを貪った。


彼女はそうして私を翻弄しながら、部屋着を脱がし始めた。
私を全裸にすると、再び燃えるようなキスを繰り返しながら、乳房を愛撫し始めた。

生まれて初めての同性の愛撫。
まさぐるように掌で円を描き、指の間に勃起した乳首を挟んで捻りあげながら、乳房を揉み立て、そうかと想うと両方の乳房を片手で寄せて揉みながら、突き出た乳首をもう片方の指で転がし、摘まみ、捻り上げた。

《ああ、奥様、私、堪らなくなっちゃう》
媚肉の奥底が激しく疼き出し、滴る愛液が膣粘膜を潤し、さらに女陰の襞に滲み出るのを感じた。
彼女に一層しがみつこうとした瞬間、彼女は私を突き放した。


「ああ、ど、どうして?」
「私、今朝も言ったけど、貴方が何時もこの部屋で普通に過ごしてるのを観たいの」
「ふ、普通に過ごしてるって?」

「つまりね、私が今ここにいないと想って、今から少しの間過ごして欲しいの。私はただ視てるだけ。だから貴方は何時もし・て・る・こ・と・を・す・れ・ば・い・い・の」

《ああ、ま、まさか、お、奥様は?し、知っていらっしゃるの?》
奥様は戸惑う私の眼を鋭く射抜きながら、ベッドの端に坐り直した。
私はその視線に魅入られて、まるで催眠術に掛ったようになったのだ。


「で、出来ません。そ、そんな事」
私は今更ながらに、奥様は洋服を着たままで、私が素っ裸である事を恥じて、裸身を両手で覆うように抱いた。

「出来ないって?どうして?私に視られたら困るような事をしてるのね?」
「そ、そんなっ」
私は必死でかぶりを振った。
しかし、心の奥底で、彼女になら視られたいという願望が湧き上がっているのを知った。

昨晩、私が覗き視をしているベッドのうえで、アナル セックスで狂おしい程のエクスタシーを貪った奥様に。
私と同じ性癖を持つと判った奥様に。

《何て事を?私》
昨夜二人の痴戯を覗き見した、そのお返しだと想えば良い。
もう一人の私が囁いた。


「視られても困らないのだったら、おやりなさい。視ててあげるわ。貴方が独りで、い・つ・も・な・に・を・し・て・る・か。ど・ん・な・い・や・ら・し・い・こ・と・し・て・る・か、お視せなさい」

彼女のその声色は、あの昨晩の先生の冷酷な支配者のような声色と同じに変わった。
私は操り人形のようになって、震える両手で乳房を覆い、ゆっくりと揉み立て始めた。

《ああ、私、何て事》
「お、奥様っ、は、恥ずかしいっ、み、視ないでっ」
私は震える声で懇願した。

掌で転がる二つの乳首が一気に勃起し、鋭敏な性感を媚肉に電流の様に伝えた。
媚肉が一層疼き始め、新たな愛液が生まれて膣粘膜を潤し始めた。


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「そうよ。私も何時も主人の前でオナニーさせられるの。何時も初めは恥ずかしいけど、その恥ずかしさで余計燃えるの。さあ、遠慮なくなさい。ちゃんとイケたらご褒美に、潮を噴かせてあげるわ」

《潮?ああ、昨夜の奥様の?ああ、私でもあんなになるの?なれるの?》
あんな激しい、強烈な快感を味わってみたい。

その誘惑に負けた私は、ついにベッドに仰向けになり、脚を大きく開いて膝を立てた。
「奥様っ、は、恥ずかしいっ。み、視ないでっ」

足元に彼女がいるのは判っていた。
判っていながら彼女に向かって秘部を晒す自分に驚いていた。
私は、彼女に視られたがっているのだ。

私と遭った瞬間に「同類」だと感じたという彼女に。
知られたがっているのだ。
肛門でのセックスを先生に求め、肛門でのエクスタシーを貪って見せた彼女に。

「早苗さんて、可愛らしい貌に似合わず毛深いのね?おま○こやお尻の孔の周りにも恥かしい毛をびっしり生やして」
「い、いやっ、お、奥様っ、み、視ないでっ」

私は一瞬閉じようとしたが、そのまま視られたいもう一人の自分がいた。

「後で見せて上げるけど、私も腋毛だけじゃないのよ。主人に言われて手入れしてないのは。そう。おま○こやお尻の孔の周りもよ。貴方より生えてるわよ。だって主人と知り合ってから一度も手入れさせられてないんだもの」


奥様の熱い吐息が太腿に降り掛かった。
「あら。早苗さん。お尻の孔が解れて少し開いてるわね?私が来る前に、何かしてたの? うんちしたの?」

「ああ、い、言えませんっ。い、いいえっ」
一瞬否定したが、否定する言葉を間違えていた。
「そう。い・え・な・い・こ・と・し・て・た・のね?」

「ああ、ち、違いますっ」
「いいえ。貴方は私に言えない事してたのね?後でして視せてね?」


そう言うと、彼女は私の開いた太腿にキスの雨を降らせ、舌で何度もなぞり上げた。
《奥様の前で、お尻を自分で》

その光景を想像して、ぞっとするような妖しい官能が燃え上がる。
震える右手を下腹部に伸ばし、指先で女性器に触れる。
女陰の襞は溢れる愛液に塗れて開き、クリトリスは硬くしこっていた。

左手で二つの乳房を寄せてわし掴みにし、指の間に乳首を挟んで捻り、転がしながら乳房を揉み立て、クリトリスを揉み立て、女陰の襞をなぞり上げる。


人前でオナニーをする。
生まれて初めての経験。
眼も眩むような妖しい官能が心身を支配して行く。

熱い喘ぎ声がこみ上げ、唇を閉じる事も出来なくなった。
「い、いや、は、恥ずかしいっ。か、感じるっ。ああ、お、奥様っ、み、視ないでっ」

「視ないで、じゃないでしょう?視て、でしょう?視て欲しいんでしょう?」
奥様が耳元で囁き、勃起した乳首を指先で摘まんで転がした。


「い、いや、は、恥ずかしい。わ、私、ああ、お、奥様、み、視てっ」
心身を支配する異常な官能の虜になった私は、ついに本性を彼女に告げた。

「良い子ね。視ててあげるわ。一杯いやらしい事しなさい。何時も独りでしてるように」
彼女の指が乳首から離れただけ、薄れた快感の隙間を埋めようと、裸身をくねらせる。


うわ言のように喘ぎながら、さらに脚を大きく拡げ、浮かせた尻肉を突き出し、ついに、二本の指を膣孔に潜らせ、膣粘膜を扱き始めた。

夥しく潤った膣内の愛液が指を出し挿れする度に、淫猥な濁音を立てて溢れ、肛孔の窄まりを伝ってシーツまで滴る。

媚肉の奥底に立ち上がっているエクスタシーの波が圧し寄せそうになっては引いて行く。
私は必死になって、その波を被ろうと、乳房を愛撫していた手指を伸ばして、クリトリスを激しく揉み込んだ。


「イ、イキそうっ。い、良いのっ、か、感じるっ、イ、イキそうっ」
しかし、エクスタシーの波は大きくなりこそすれ、私を呑み込みそうで呑み込まない。

裸身のあちこちが小刻みに痙攣を始めるが、強烈に引きつるような痙攣は起こらない。
「だ、だめっ、イ、イケない。イ、イキたいのにっ。も、もう少しっ」

その時、彼女が驚いた事に、私の両手首を握ってオナニーを中断させた。
「ああ、お、奥様っ、ど、どうしてっ?」
私はぐったりとなり、そのまま粗い喘ぎを吐き続けた。

エクスタシーの大波は未だ媚肉の奥底で立ち上がったまま揺らいでいた。
奥様が開いた私の両方の太腿に唇と舌を這わせながら囁いた。


「イケないのは、い・つ・も・と・ち・が・う・や・り・か・た・だからでしょう?」
奥様が、熱く疼き続ける女陰に、息を吹きかけるように妖しく囁いた。

「は、恥ずかしいっ。で、出来ませんっ」

「質問して良い?どうして化粧品の小瓶や乳液の容器が、鏡のある洗面所じゃなくてベッドの傍にあるの?それもどうして四本もあるの?同じのもあるわね?」

何度も泊まって行った健二には気付かれなかった化粧品の容器の意味を、奥様は一瞬のうちに見抜いたのだ。
「い、いやっ、は、恥かしいっ」


《奥様は何もかもご存知なんだわ。私のしてる事。同類だって仰った。だから。そして私の一番恥かしい事も》

「やっぱりね?何時ももっといやらしいオナニーしてイッてるから、今みたいな普通のオナニーじゃイケないんでしょう?さあ、私が視ててあげるから。最初に約束したでしょう?貴方が何時もお部屋でしてるようにしてって」

今度は冷酷な支配者の口調ではなく、恋人のような甘い誘惑の囁きだった。
私の女陰に息を吹きかけるように囁いた彼女は、私の乳房を撫で摩り、乳首を掌で転がし、もう一方の手で私の女性器全体を覆って揉み込んだ。

「こんなにいやらしく濡らして。イキたいのにイケないから、濡れるだけ濡れてるわ」




(続く)





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