アナルファンタジー(1)契機-第10話
作家名:優香
文字数:約5200文字(第10話)
公開日:2020年3月25日
管理番号:k021
それは彼とのセックスで、どんなに求めても満足出来なかった想いが、昨夜心の底からではないけれども、充たされたような気がするからか。
今は、何事もなかったように、何時もの上品で清楚な美貌に微笑を浮かべて私を見る奥様が、いやらしい私と同じように、肛門の窄まりでエクスタシーを覚え、先生に対して、あんなに露骨な言葉で欲求を伝えた、その共感からなのか。
今は本当に心から充たされ、このひと時がいつまでも続けば良いと想った。
「ねえ、早苗さん。気にしなくて良いの。私はね、本当は、貴方に、ここで一緒に暮らして欲しいのよ。昨日事務所でも言ったでしょう?貴方と何時も一緒にいたいのよ。ゆ・う・べ・み・た・い・に。すごく愉しかったわ」
私は意味ありげな奥様の言葉に一瞬驚いたが、すぐに平静を装い、「昨夜みたいに」というのが三人で夕食を摂りながらワインを呑んで、語り合った事だと解釈しようとした。
「ああ、はい。私も、昨夜少し呑み過ぎちゃったけど、すごく楽しかったです。また、泊まりに来ようかな?良いですか?」
私のその言葉は、二人のセックスを覗きながら、オナニーしたいというニュアンスも、無意識ながら多分に含んでいたのを、自分で言葉にした後、恥じた。
「勿論よ。ここは貴方のお家だと想って頂戴。いちいち断らなくても良いから、何時でも帰っていらっしゃい」
彼女はテーブルの上に投げ出していた私の左手を伸ばした両手で取って、何度も握り締めた。
そのあからさまな感情の露呈に私は躊躇した。
「す、すみません。もう部屋に帰って着替えして事務所に行かなくちゃ、幾らなんでも、労働者ですから。美味しかったです。ごちそうさまでした」
私はコーヒーカップを空にして立ち上がり、バッグを持って玄関に向かった。
「早苗さん、貴方の部屋に遊びに行って良い?私独り暮らしってした事がないし、すごく羨ましくて、経験してみたいの。一度お邪魔したいの。その時泊まっても良いでしょう?主人抜きで、二人で、一緒にお風呂に入って、一緒に寝たりしたいの。昨日だって、本当は貴方と一緒に寝たかったのよ」
幸福感に充たされていた私は、ハイヒールを履きながら、背中で奥様の言葉を聴いて振り返った。
「良いですよ。昨夜の程じゃないけど、美味しいワインを買って置きます。奥様程美味しく作れないけど、小篠早苗、一生懸命料理作ります。泊まって下さっても構いません。昨夜みたいに一緒にお風呂に入って、あ、あの、ワンルームだし、シングルベッドなので、あ、あの、い、一緒に寝てっ?」
私は軽くしゃべったつもりが、昨晩の事を思い出し、奥様と二人で過ごす夜が、何故か酷く妖しい夜になるような気になってしまい、言葉を失っていた。
「わあ、嬉しい。主人はね、大学入ってからお前と結婚するまでずっと気楽な独り暮らしだったから、息が詰まってしょうがないって言うのよ。ねえ、約束よ。私が泊まったからって、早苗さんは何時も過ごしているように振舞ってね。私が泊まるからって遠慮したら、私が嫌だから。私も、昨夜貴方が泊まったのに遠慮しないで、ふ・つ・う・に・し・た・わ。ね、お願いね」
奥様が泊まるのに、何時もしているように過ごすのって?
「は、はい。勿論。奥様に気遣いして戴かないように、普段通りにしますので、何時でも泊まりに来て下さい。でも、女の独り暮らしって、大した事ないですよ」
私は最期の言い訳をして、玄関ドアを開けて外に出掛けに振り向いた私を、奥様のあの妖しい視線が貫いた。
「私は、貴方と・い・っ・し・ょ・に・暮らしたいのよ。忘れないで」
真っ青な空と、さんさんと輝く太陽が酷く眩しかった。
私だけじゃないのだ。
美しく上品でしとやかな奥様が肛門でエクスタシーを覚え、尊敬する先生とアナル セックスを愉しむ。
それを知っただけで世界が明るくなったのだ。
その夜、部屋に帰ると着ている物を全て脱ぎ捨て、何時ものように全裸になると、コンビニで買って来たスナックと惣菜を食べながら缶ビールを呑む。
何時も何気なく観ているテレビも今夜は点ける気にならない。
脳裏に焼き付いた昨夜の二人の痴戯を、ビデオを再生するように想い出す。
余りに激しく、余りに淫猥だった昨夜の二人の痴戯を観て、私の人生は変わったのだ。
肛門でオナニーしてエクスタシーを貪っても、恥かしい事ではないのだ。
いやらしい私は、帰りの電車の中で既に、今夜部屋で、昨夜の事を想い浮かべながらオナニーをしようと、決めていたからだ。
缶ビールを一本空けると、トイレに入って排泄する。
最近はオナニーする前に排泄するのが常だった。
指を挿入した時に指や爪、容器もさえが汚れるからだ。
肛門で快楽を得る私だったが、排泄物自体には何時まで経っても興味はなかった。
洋式のトイレでお尻を突き出すようにいきむと、太い大便が、オナニーを毎晩のようにするせいか、すぐに順応して拡がるようになった肛孔を拡げて出て来て、すぐに落下して水音を立てる。
以前は、便秘と下痢を交互に繰り返していた私だったが、ここ一年程、健康的な便が出るようになっている気がした。
また、お化粧ののりも良くなり、顔色も自分で艶やかになって来ているようにも想えた。
排泄を終えると、シャワーのノズルを外し、ホースを肛門内部に挿入する。
一度直腸と大腸の連結部分で止まるが、少し下腹部の力を緩めると、一気にめり込む。
取付口からホースが伸び切る程挿入すると、鈍い抵抗が起こり、そこで止める。
ゆっくり蛇口を開くと、温めのお湯が腸内を充たして来る。
《気持ち良い。感じる》
ホースを肛孔で締め付けたまま、滴り溢れた愛液に塗れた膣孔に指を挿入し、もう一方の手の指でクリトリスを擦り立てる。
エクスタシーの波が一気に湧き上がる。
昨晩の二人のセックスが鮮やかに脳裏に甦る。
私はアナルセックスをしている二人の目の前で、肛門と膣孔を同時に指で擦り立ててオナニーをしている自分を想い描いていた。
お腹がきつくなり、肛門を緩めると、肛孔が開き、ホースとの狭間から腸内に溜まっていたお湯が一気に噴き出し、同時に 尿道が緩んで尿液が噴き出す。
肛孔の独特の破裂音が何度も鳴り響き、異臭が浴室内に立ち込める。
時折排泄しきれていなかった大便の小さな塊が肛孔とホースの隙間から潜り出る。
肛孔を圧し開いて溜まっていたお湯が間欠泉のように噴き出す。
《ああっ、イ、イクッ、お、奥様っ、い、一緒にっ。イ、イクッ、イクーッ》
入って来るお湯と、噴き出すお湯が肛門の内部を強烈に刺激する。
私はクリトリスと膣孔を激しく擦り立ててエクスタシーの波に飲まれた。
しばらくエクスタシーの余韻を愉しむ。
《奥様はお尻でセックスする前に、うんちなさってるのかしら?そうよね。あんな上品で美しい奥様でも、うんちは出るのよね》
上品で清楚で美しい奥様が排泄するなんて想像も出来なかったが、人間どんなに取り澄ましていようが、生きている証として、食べるし排泄するのだ。
だから排泄すること自体、恥ずかしい事ではないのだ。
もし排泄行為が恥ずべき事なら、食べる事も恥ずべき事になる。
そんな私らしからぬ哲学的な事を考えながら、排泄を終え、水を流してからバスタブに立ってシャワーを出す。
私は部屋での排泄の後、肛孔を紙では決して拭かず、シャワーで洗うようにしていた。
その方が気持ち良かったし、時折未だ開き気味の肛孔からシャワーのお湯が入って来たり、腸内に残っているお湯が出て行くのが、何とも言えず気持ち良かったからだ。
《そう言えば、昨晩失神する前に、奥様のお尻の孔に先生がおしっこをしたような事を奥様が叫んでいたけれど、奥様はお尻でセックスする前に、中を洗浄なさるのかしら?私みたいにして?それとも浣腸で?まさか先生が奥様に浣腸をして?ああ、私もお尻の孔の中でおしっこされてみたい》
浣腸は、私の知識の中で、SMプレーに遣われると以前の週刊誌で読んだ事があって驚いたのだが、本来は便秘を直す治療であり、決して恥ずかしい事ではなかった。
まして、数年前に「コーヒー浣腸」というのが少しブームになって、若くて結構愛らしいニュースキャスターが体験する番組のスポットをテレビでやって、本当に彼女が浣腸される場面を流したのだ。
勿論腰から下はシーツを掛けて隠していたので、本当に浣腸したかどうかは判らなかったが、彼女はマイクを片手に「ああ、入って来てます。本当に入って来ました」というように実況していた。
そして彼女は体験した後、恥かしそうにしてはいたが、はっきりと公言した。
「びっくりする程沢山出ました。身体が軽くなったような感じで、すっきりしました」
そんな話で、観て聴いている私が赤面しそうになった記憶がある。
人間の腸は伸ばせば全長一〇数メートルにも及び、内側には無数の襞があり、そこに排泄前にこびり付く便を宿便と言って、それが溜まって増えると腸粘膜の消化活動を妨げるから便秘気味になるのであり、肌荒れや吹き出物の原因になるので、定期的に浣腸をして、その宿便を洗浄排泄した方が、美容にも健康にも良いのだ、とそのニュースキャスターは説明していたが、女性週刊誌にも同様の事が書いてあった。
皆多かれ少なかれ、浣腸をしているのだな、と妙に納得した事があった。
それを健康的な快感と捉えるか、性的な官能を覚えるかは個人によって異なるだろうが。
昨晩の二人の痴戯を脳裏に想い起こしながら、私は自分が二人のベッドに上がって、一緒に痴戯にふけっている場面を想像すると、再びオナニーの衝動が湧き起こる。
その時だった。
玄関のチャイムが鳴り響いたのが聴こえた。
《誰?宅急便?こんな時間に?ま、まさか、奥様?》
私は急いでシャワーで浴槽を洗い流し、タオルで身体を拭くと、取り敢えず裸のままでドアの処まで走ってドアスコープを覗いた。
「お、奥様っ。今日、いらっしゃったのですか?」
私は驚いて声を上げた。
「貴方の部屋を見たくて堪らなくなって、貴方が何時でも良いって言ったから、来ちゃったの」
ドア越しに奥様の透き通る声が聴こえた。
「ちょ、ちょっと待って下さい。な、何か着ますから」
そう言って私は少し後悔した。
部屋では何時も裸でいる事を白状したようなものだったからだ。
私は下着を着けずに素肌のまま、昔健二とペアで買った部屋着を押し入れから引っ張り出して着て、急いでドアを開けて奥様を招き入れた。
「ごめんなさいね。本当に。迷惑かなとも想ったけど、貴方と一晩過ごしたいと想ったら、いてもたってもいられなくなって、主人に断って来ちゃったの。お詫びに美味しいワインを持って来たわ」
奥様は上がりかまちに立って、あの悪戯っぽい笑顔を見せて舌を出した。
「め、迷惑だなんて、とんでもないです。で、でも何もお迎えする支度してなくて」
勉強机とサイドテーブル以外ソファーもテーブルもない部屋だ。
私はベッドの縁に腰掛けて、奥様を傍に誘った。
「気にしないでね。いきなり来ちゃった私が悪いんだし」
奥様はそう言いながら狭いキッチンでワインの栓を抜き、ベッドの端に腰掛けた。
私は慌てて小さな食器棚から昔健二とペアで買ったワイングラスを運んで、サイドテーブルの上に置いた。
「良いの。貴方のか・ら・だ・だ・けあったら。でもやっぱり貴方もお部屋では裸なのね?さっき『何か着ます』って言ったでしょう?」
部屋着の胸の部分に突き出ている私の乳首を、奥様がしなやかな指を伸ばして摘まみ、軽く揉み立てた。
「お、奥様っ。は、恥かしいっ」
媚肉の奥底でどくんと熱い滴りが生まれ、疼きを起こした。
やはり、さっきの言葉で、利発な彼女は理解したのだ。
「嬉しいわ。同じ趣味で。私、独り暮らしなんて経験がなかったから、裸で暮らすなんて事なかったのよ。主人と結婚して、主人が望んだから悦んで、部屋にいる時は全裸で過ごすの。でも、そんな私を視て主人ったら昂奮して、料理している時とか、掃除機掛けている時とかでも、私を押し倒すのよ。昨日は貴方がいたから二人とも着てたけど」
そう言いながら、彼女はグラスにワインを注ぎ、乾杯した。
彼女が一気に飲み干すのを見て、一口だけ飲んだ私は、もう一度一気に飲み干した。
彼女は再び二つのワイングラスになみなみとワインを注ぎ、また一気に飲み干した。
私も釣られるようにそれに倣った。
まるで早く呑んで、早く酔って、次の行為に移ろうとするかのように。
あっという間にワインの中瓶が空になった。
身体が熱く火照って来る。
「でもね、私嬉しいのよ。主人が私の裸を見て昂奮してくれる訳でしょう?だからすぐに受け容れるのよ。貴方は?恋人とそんな事経験ないの?」
残念ながら、彼とのセックスはありきたりで、二人で抱き合い、ベッドに上がってから洋服を脱がせ合って、というやり方しかしたことがなかった。
「わ、私。された事なかったです」
「な・か・っ・たって?じゃあ今は恋人はいないのね?」
(続く)
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