アナルファンタジー(1)契機-第3話
作家名:優香
文字数:約4650文字(第3話)
公開日:2020年3月4日
管理番号:k021
「ねえ、小篠さんって、恋人いるの?好きな人いるの?いなかったら」
互いの生活を語り合い、会社での上司の悪口や噂話で、ストレスを発散しながら、お腹も満ち足り、かなり頬も火照って来た頃、彼が真剣な表情で私に尋ねた。
私は酔いに任せて即答した。
「立候補して下さい。私、ずっとフリーですから」
「よっしゃーっ。葛城健二。小篠早苗の恋人に立候補しますっ」
彼は立ち上がって、片手を上げ、大声で宣言した。
「せ、先輩っ、は、恥かしいっ」
私は低く叫んで辺りを見回した。
彼の純粋で奔放な一面を好ましく、逆に恨めしく想ったのも事実だった。
《嬉しい。でも、先輩。私、貴方が期待するような女じゃないかも》
一瞬、暗い気持ちになった私を微笑ませたのは、私達の周りで呑んでいたお客さんたちだった。
「よし、良く言った。兄ちゃん、頑張れよ」
「投票日は何時だ?あんたに入れてやるよ」
「そんな美人、もったいなかねえか?」
「何言ってんのよ。あんたよりずっと良い男じゃん」
「振られたら、この店においで。私が慰めてあげるから」
皆が振り返って拍手し、女将さんであろう女性まで、声を掛けた。
そしてお酒の瓶も料理のお皿も空になった頃、私達は立ち上がった。
「頑張れよーっ」
「これから、むにゃむにゃしに行くのか?」
「結婚式に招待しろよ」
背後から再び掛け声と拍手が起こった。
「二次会はこの店だよ」
レジに立った女将さん風が、皆を眺め回して、ぴしゃりと締め括った。
店の外に出ると、秋の冷たい夜風が気持ち良かった。
「腕組んでくれる?」
歩き出した彼が、後を追う私を振り向いた。
「ああ、は、はいっ」
私は追い付いて彼の左腕に両手を絡めた。
乳房が彼の腕に当たった。
酔いのせいか、歩く度に乳房が彼の腕に圧され、擦れるせいか、媚肉に疼きが起こった。
欲求に任せて、彼の腕に軽く乳房を圧し付ける。
彼の歩調に合わせて歩くと、乳首が擦れて勃起した。
彼も知ってか知らずか、ただ歩いていた。
「先輩。私、男の人と腕を組んで歩くの、生まれて初めてなんですよ。ああ、高校の時お父さんとした事があるけど」
「ほんとに?貴方みたいな美人が?すっげぇ。おれは、何て幸せなんだ。今日は何て良い日なんだ」
そのまま駅に向かって歩き、その手前の児童公園まで辿り着くと、彼は方向を変えて公園の中に入って行った。
そしてすぐ立ち止まると、振り返って言った。
「今日は帰したくない」
その真剣な表情に、私は戸惑った。
《貴方が望んでいるような女じゃないわ》
彼は勿論女性経験はそれなりにあるだろう。
しかし、肛門でエクスタシーを覚えるような女に望まれ、肛門を愛撫するような風には想えなかった。
「わ、私なんかでっ、い、良いんですかっ?」
「おれは、貴方が好きだ。ずっと愛してた。貴方が欲しいんだ」
彼は一層真剣な表情で言った。
「ああ、ごめんなさい。今日はだめっ。いきなりなんて。私、無理ですっ。明日の夜、私の部屋まで来てっ。何時でも、絶対待ってます」
お酒を呑みながら、自己紹介がてらに告げた、私の住んでいるワンルームマンションに、偶然彼の大学時代の友人がかつて住んでいて、何度か来た事があると、それでまた話が盛り上がったのだが、私は彼に部屋番号を伝えて、その場を走り去った。
部屋に戻るなり、私は洋服を脱ぎ棄て、ベッドに倒れ込むと、未だそれ程潤ってもいない女陰に化粧品の容器を挿入して激しく抽送し、滲み出て来た愛液を塗り込めた乳液の容器を、未だ解れ切っていない肛孔をこじ開けて肛門を貫き、何時ものように激しいオナニーで、何度もエクスタシーの大波に呑まれて裸身を痙攣させ、そのまま失神した。
《健二さん。貴方の恋する女は、こんな女よ》
オナニーしながら脳裏に想い描いたのは、私が彼に肛門への愛撫を求めて彼がそれに応じ、或いは私が望まなくても、彼が肛門を愛撫してくれ、最後に彼の勃起で私の肛門を貫いて激しく抽送し、挙句に夥しい精液を腸粘膜の奥底に噴射させてくれる場面だったのだ。
次の日の夜、体調が悪いからと言って残業を断って早くに部屋に戻った私は、買って来たワインを冷やし、生ハムと野菜サラダの盛り合わせを作って、彼を待った。
落ち着かなくて何度もトイレに行く。
媚肉が疼き続け、女陰は滴った愛液で妖しく滑っていた。
八時を過ぎた頃、ドア チャイムが鳴った。
ドア スコープを覗くと、彼は私の好きなスプレー バラの花束を抱えて微笑んでいた。
「ど、どうぞっ」
顔を引き攣らせながらも精一杯微笑んで彼を迎え入れた私を、いきなり彼が抱き寄せた。
「嬉しいよ。こんな嬉しい事は、今までなかった。貴方が好きだ。愛してる」
彼は私の顔を指で上向けると、キスの嵐を見舞い、そして激しく震える私の唇を塞ぐと貪るようにキスをした。
私は躊躇した。
いやらしい、人が顔を背けるようなオナニーをする私がキスの応じ方も知らなかった。
緊張と興奮の余りに全身が震え、震える歯が何度も彼の歯に触れて鳴った。
ただ夢中で彼の唇を吸い、彼の舌の動きに併せて唇を開き、舌を蠢かした。
しばらくして、キスを中断して彼が言った。
「もしかして、初めて?」
彼の瞳が、私の心を射た。
やはり、キスの稚拙さで、私の男性経験の少なさを知ったのだろう。
「ひ、一人だけっ。い、一度だけっ。貴方が二人目でっ、キスも、に、二度目」
最後まで言い終わらないうちに再び彼の唇が私の唇を塞ぎ、私は抱え上げられるようにして、ベッドに運ばれた。
「貴方みたいな美人が?おれが二人目で?キスも二度目なの?嬉しいね。おれが教えてあげる。なんちゃって、おれもそんなに経験豊富な訳じゃないけどね」
そう言いながら彼は私の洋服を脱がせ始めた。
「ああ、恥かしい。ね、あ、灯り、消して」
「だめだね。貴方の素敵な身体をこの眼に焼き付けたいんだ」
彼は私の額、瞼、耳、項にキスの雨を降らせながら、私の洋服を脱がし、ブラジャーを外して乳房を啄み、乳首を吸い立てながらショーツに手を掛けた。
れだけで先刻から疼いていた媚肉がさらに激しく疼き出し、熱い滴りが一気に膣内を潤すのを感じた。
お尻を浮かしてショーツを脱がされると、太腿の付け根が頼りなく感じた。
「ほら、想った通り、すごく素敵だ。こんな素敵な身体をしてて、おれが二人目で、これが二度目のセックスだなんて、信じられないよ。おれは何て幸せ者なんだ」
彼はそう言って、私の乳房から腹部、そして恥毛の叢を撫で回した。
《でも、私は、このベッドで、毎晩お尻でオナニーして快楽を貪ってる変態女よ》
ふと投げた視線に、ベッドの枕元に置いている二本の化粧品の容器が映った。
「ああっ、は、恥かしいっ」
彼が私の乳房を片手で優しく揉み立てながら、乳首を唇で啄み、吸い立てながら、もう片方の手指で女陰の襞をなぞり上げた。
その指が、夥しく溢れている愛液にぬめった。
「さ、早苗さん。す、すごいね?おれとセックスするのを期待して、こんなに濡れてくれてるんだ」
「いや、い、言わないでっ。私、ど、どうしよう。は、恥かしいっ」
彼はうろたえる私の脚を拡げながら、伸ばした手で乳房を愛撫し続けたまま、私の太腿の間にうつ伏せになった。
「こんなに、おま〇こ濡れてる」
彼の熱い吐息が女性器に降り掛かったと感じた瞬間、私の女性器全体が熱くぬめる粘膜に包まれていた。
「い、いやっ、み、視ないでっ、ああっ」
生まれて初めての、性器への男性の口での愛撫。
それは想像以上に甘美だった。
初めてのセックスの時は、乳房こそ口と手で愛撫されたが、女性器への愛撫は手指だけであった。
私は乳房を揉み立てている彼の掌に両手を重ねて、身悶えした。
女性器への男性の口での愛撫が、これほどまでに官能を燃え立たせるとは想っていなかったのだ。
直接的な唇と舌の蠢きに拠る快感に加えて、快感の源泉である女性器を、口で愛撫されているという観念的な快感が相乗効果を生み出す。
私は尻肉を浮かせ、彼の口と舌の動きに併せて蠢かせ、女性器を彼の口に向かって突き出していた。
「早苗さんって、すごく敏感なんだね?ほとんど未経験なのにこんなに感じてくれるなんて」
「い、いやっ。い、言わないでっ、は、恥かしいっ」
彼はそう言うと、乳房を愛撫する手に力を込め、乳首を指で摘まんで捻り転がし、クリトリスを舌先で弾いたり転がしたりしながら、膣孔に潜らせた指で膣粘膜を擦り始めた。
「ああ、そんなっ、は、恥かしいっ」
生まれて初めて迎える、自分の指以外の、男性の指が、潤い過ぎた愛液の淫靡な濁音を立てて膣粘膜を擦り立てる。
自身が興奮して滴らせた愛液の濁音が股間で響き、耳元にまで届く、その恥じらいが一層官能を煽り立てる。
《だ、だめっ。は、早過ぎるっ。ま、未だイッちゃだめ。ああ、で、でもイキそう》
媚肉の奥底に立ち上がっていたエクスタシーの波が揺れ、堰を切り始めた。
「せ、先輩っ、そ、そんなにされると、さ、早苗っ、も、もう、へ、変になっちゃうっ」
私は一層上下左右に尻肉を振り立て、彼の指を貪り尽くすように膣粘膜で締め付けた。
「もうイクんだ?本当に感じ易いんだね?イッても良いよ。ほら、イッてみせて」
「い、いやっ、こ、こんなの初めてっ、は、恥かしいっ。あ、ああっ、い、いやーっ」
それは嘘ではなかった。
オナニーで覚えるエクスタシーとは別の、激しい快感の嵐が私を襲った。
生まれて初めて自分の指以外の、男性の指での愛撫だからであったかも知れない。
愛すべき彼の指での愛撫。
また、自分では不可能である、女性器への口での愛撫で目覚めた新たな快感に拠ってであったかも知れない。
私は激しい痙攣を起こし、極限まで浮かせた尻肉を宙で静止させ、乳房をわし掴みにしている彼の手を両手で握り締めて、エクスタシーの大波に呑まれた。
「素敵だったよ。惚れ直しちゃった。早苗さんがこんなに感じ易くて、イキ易いなんて」
「い、いやっ、い、言わないでっ、は、恥かしいっ」
うっすらと涙が滲んだ眼を開くと、彼の優しい微笑みがあった。
私は甘えるように、彼の首に腕を絡め、ぶつけるようにして彼にキスを求めた。
彼は私の唇を吸い立て、舌を吸い立て、舌を挿入して私の口腔を舌先でまさぐった。
「良く恥かしい、恥かしいって言う子だね?でも、そこが初々しくて良いんだけど。ねえ、もしかしてフェラチオも初めてなんだろう?してくれる?」
いつの間にか全裸になっていた彼が、裸身をずらして、私の目の前に勃起を突き付けた。
「は、はい。初めてです。ど、どうするかは知ってますけどっ、じょ、上手に出来ない」
勃起をこんなに間近に視つめるのは初めてだったし、手で触れるのも初めてだった。
想い起こせば、初体験の時、私は相手に対して何もしなかったのだ。
ただ全裸で仰向けになって、脚を拡げていただけだった。
相手も、ただ射精すれば良い、そんな雰囲気だった。
震える掌でそっと握り締めてみる。
熱く脈打つ勃起は、その先端の小さな媚孔から透明の粘り気のある滴を滴らせて濡れ光っていた。
男性器を口で愛撫する方法は、勿論かつての友人達とのワイ談で知っていたし、週刊誌などでも読み知っていた。
私は、知識を総動員して、彼の勃起を手と口と舌で愛撫し始めた。
しかし全く経験のない私は、やはり稚拙であった。
「ああ、み、見ないでっ。は、恥かしいからっ」
彼が私の髪を掻き上げて、私が口で彼の勃起を愛撫している様子を視ようとしているのを感じた瞬間、再び媚肉が疼き出し、熱い滴りが生まれた。
私は、彼の勃起を咥えている口元を隠すように、掌で勃起の幹を愛撫しながら、舌と唇を夢中で動かした。
(続く)
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