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携帯占いの女たち-最終話



作家名:金田誠
文字数:約3020文字(第3話)
公開日:2020年11月11日
管理番号:k067


昔の出会い系は、今ほどシステムが固定化しておらず、緩さやバリエーションを持っていました。そうした特徴を突いて、出会えるかを日夜研究していたもんです。その一つをご紹介。



挿絵の官能小説画像


2週間後に裕子と再び会う約束を取りつけた。

池袋の北口でモツ鍋をつついた。

鍋から皿に具を盛ってくれる彼女のエスコートぶりに、これはいけると思った。

夜の9時を回って、そろそろ次の場所はどうするかと考えを巡らせていた。

すると、紙袋を差し出してくる。

「あのね。また作ってきたんだけど」

これにはびっくりした。

覗いて見ると中には、毛糸のマフラーが入っている。

「びっくりしたよ。これ、自分で?」

「うん」

これは、もうである。

もちろん、外に出てすぐにマフラーを首にかけた。

期待以上の入れ込みようだ。

そのままホテルへ誘ってもよかったのだが、クッションを置いて、西口地下にあるバーに向かった。

ここは外から中が透けて見えるので、入りやすい。

混んでいないのを確認して、端のカウンター席に隣り合わせで座る。

「今回も手作りのプレゼントをくれてありがとう。感激したよ」

「ううん。だって食事代を全部出してもらっているから。こんなのじゃ足りないんだけど」

「そんなことないよ。十分だよ」

裕子の日頃の人間関係、特に家族については、ほとんど触れず、2人の別世界を彼女が感じられるよう慎重に話を進めた。

薬剤師になるのが小さな頃からの夢だったこと。

家庭用の調度品づくりが趣味だということ。

海外旅行によく行くらしく、そのときのびっくりするようなエピソードなんかを引き出していった。

頃合いを見てカウンターテーブルに置かれた彼女の指にそっと手を触れる。

私はニッと笑って、軽く手を握った。

握り返してくる彼女の熱い肌の感触を確かめる。

小一時間お酒を飲んで、外に出て自然と手を繋いだ。

「少し、散歩しようか」

うなずく裕子に、彼女がしなだれかかるよう肩を引き寄せた。

そのまま北口のホテル街に向かう。

狭い路地を通っていくと、壁がレンガ風になっているホテルが左手に見えた。

肩に力を掛けて、思い切って聞いてみる。

「少し、休んで行こうか?」

俯きながら、裕子はうなずいた。

中に入ると、夜の闇に慣れた目から、明るいヨーロピアン風の白い壁が眩しい。

そこに、いくつもの部屋のパネルが掛かっている。

ここからは努めて明るい口調で話しかけた。

「たくさんあるね。どこの部屋に入ってみたい?」

じっとパネルを見る裕子。


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「ここ・・がいいかな」

と落ち着いた感じの部屋を選んだ。

中に入ると、派手な装飾品はないものの緑と木の匂いがしそうな北欧風の飾りつけが随所にある。

ベッドはブラウンを基調とした色合いだ。

「シャワー浴びる?」

ここまで来たら、駆け引きはもういらない。

直接問いかける。

「んー、先に浴びて来ていいよ」

「じゃ、そうするね」

と私はバスルームに入った。

彼女は、少し落ち着きたいだろう。

この環境と状況に慣れてもらって、ドキドキをじっくり彼女には味わってもらいたい。

なるべく時間をかけて風呂に浸かり、自分もゆったりと、ここにくるまでの経緯を堪能する。

バスルームから出ると、裕子は鏡の前に座って化粧を落としていた。

鏡に映る彼女と目が合う。

「ごめんなさい。落としちゃった。ちょっと待っててね」

薄化粧だったのかほとんど変わらない。

珠のように艶やかに輝く肌だった。

大きく垂れた目が、年齢にそぐわない幼さを醸し出している。

股間がビクビクとうずいた。

このまま押し倒したい。

彼女は、すっと立ち上がり、私の方に向き直ってニッコリ微笑んだ。

我慢できなくなった私は、彼女の肩をつかんで抱き寄せ、その白い頬に自分の頬を絡ませた。

吸いつくような肌だ。

頭を傾げてくちづける。

「んんん」

中空を彷徨っていた彼女の腕が、私の背中におずおずと回る。

熱い抱擁と口づけに我を忘れて、彼女をベッドに優しく押し倒した。

そのまま太ももから臀部をまさぐる。

「あっ。ダメ。お風呂に入ってないからぁ」

私の強い動きに、このまま艶ごとが繰り広げられてしまうと感じとったのだろう。

彼女の口を再び唇で塞ぎ、今度は背中から腕、腰と順番に手のひらを這わせていく。

彼女が顔をしかめて唇をずらす。

「あっ。あん」

オクターブ高い声をあげてしまった自分に驚き、口元を右手の甲で隠した。

セーター越しに胸をまさぐると、ふわっと柔らかい。

麓から先端にかけて、指で挟んで摘まむようにこねあげた。

「あっ。待って」

「もう、待てないよ」

優しくリズミカルに揉みしだいていく。

「うぅぅ」

呻くような声をあげるも、本気で抗う様子はない。

セーターをシャツごとたくし上げ、捲るようにして途中で止める。

腕が完全にで切らずに頭がセーターにすっぽり収まった。

タマネギ状態だ。

「ちょっと、何してるんですかっ?」

くぐもった声で抗議する彼女をほったらかしたまま、ジーンズのチャックを下ろし、腰から剥ぎ取る。

「やっ。待って待って」

慌てた声を上げるが、腿まで露出させて、バイオレット色の透けたショーツを挟んで露わになった太ももとうねるお腹に舌を這わせた。

「あぁん。やっ」

彼女は、海老のように身体をくの字に折り曲げた。

身体をバタバタさせて、頭を抜こうとするので、私は下半身を担当する。

ショーツも含めてジーンズを一気に引き下ろす。

淡い色の恥毛が視界に入った。

「あっ。ちょっと・・・」

脚をクロスさせて淫らな秘部が露わになるのを必死に隠そうとする。

膝小僧に手をかけて、グイッと左右に広げた。

「だから、ちょっと待ってってばぁ」

ようやく脱いだ彼女が、上半身をセーターで隠しながら、眉根を寄せ涙目でこちらを凝視する。

私は膝裏に手を添え、押すようにしてグッと力を入れた。

ジーンズはすでに脱がされ、片足首に残る皺くちゃになったショーツの残骸が中空を舞った。

屈曲の形に持っていき、充血でぬめり輝くあそこを舌で嬲る。

自らが望んだとはいえ、期待を上回る隠微な状況に私も耐えることができない。

舐めやめずに、自分のズボンとパンツを脱ぎ去り、急いで腰を前に進めた。

だらしなく透明な糸を垂らしたピンポン玉のような先端がクプッと入り込む。

「あぁぁ」

脳天を貫くような高音を口から吐くと、彼女は身体を小刻みに震わせ、私の逸物を膣内に吸い込んでいく。

彼女の横腹に手をやり、前後にゆっくり腰を動かした。

ペニス全体に圧がかかり、カリ首の裏側まで淫汁を滴らせた肉が、ググッと盛り上がってくる。

引き抜こうとすると、ペニスの薄皮が捲り上がるような快感が押し寄せてくる。

数回のピストンでたまらなくなった。

美人、幼い、恥ずかしがる、人妻、イヤらしい姿態、高い声の喘ぎ、滑るような真っ白い肌、女臭、柔らかい乳、舌にからまる淫液という言葉が、私の頭の中を駆け巡っては、心をかき乱してくる。

最後には、好きという言葉が浮かび上がり

「あっ。もうイクっ」

と私は小さく叫んだ。

「あっ。あっ」

声にならない彼女の苦悶音を耳に響かせたまま、急いで引き抜き、精を腹上に放った。

その後、数回身体を重ねたが、さすがに重く感じられ、切ったフリーター同様に自然消滅を狙おうと思った。

ところが、経験豊富な人妻だけあって、区切りをつけるようなメールが送られてきた。

「山崎さん。

これで最後のメールにします。

今まで、楽しく付き合ってくれてありがとうございます。

いろいろ差し上げてしまって、ご迷惑な思いを感じられたのではないかと思っています。

ごめんなさい。

貴方に一方的に私の気持ちを押しつけてしまって。

でも、山崎さんが嫌な顔一つせずにいてくれたことで、楽しいひと時を過ごすことができました。

では、お身体にお気をつけて。

あんまりタバコを吸うと身体に毒ですよ」




(終わり)





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