バーチャルセックス-第1話
作家名:城山アダムス
文字数:約3030文字(第1話)
公開日:2020年11月2日
管理番号:k064
ひろしの憧れの先生シリーズ第4弾 出会い系サイトで、顔も知らないアリサという女性とバーチャルセックスを繰り返す高校生、ひろし。あることがきっかけで、アリサが、ひょっとしたらひろしが憧れている英語の里沙先生ではないかと思い始める。ひろしはサイトを通してアリサと里沙先生との接点を探す。
僕の名はひろし。
県下でも有数の進学校に通う高校3年生だ。
僕は、インターネットで知り合った、顔も知らない女性と文字だけの会話でバーチャルセックスしている。
2学期始めの模擬試験が終わった日の夜、時間を持て余していたので、たまたまパソコンでネットーサーフィンしていたら出会い系のサイトを覗いてしまったのがきっかけだ。
「あなたにぴったりな方と出会えるマッチングサイトです!ぜひ覗いて見ませんか」
このキャッチコピーに惹かれて、ラブメールという出会い系サイトにアクセスしてしまった。
「ひょっとしたら年上の女性と出会えるかもしれない。」
僕には今、付き合っている彼女がいない。
僕の学校は男子校なので、女の子と知り合うきっかけがほとんどない。
でも、友人の多くに彼女ができ、試験の終わった日など一緒に映画を見たり、お茶を飲んだり彼女と楽しそうにデートしている。
同じ年や年下の彼女のいる友人を見て、羨ましいなあと思うこともあるが、僕はなぜか年上の女性に惹かれてしまうのだ。
僕が年上の女性に惹かれるようになったきっかけは、去年の夏のアルバイト先の30代の女性店長と関係を持ったことだ。
ファミレスで夏休み限定のアルバイトをしていた僕は、スタイルが良くて美人の店長に一目惚れした。
毎日ファミレスで店長と会うのが楽しみだった。
店長も僕を可愛がってくれ、アルバイトの最終日、僕を食事に誘ってくれたのがきっかけで、男女の関係を持ってしまったのだ。
店長はセックスの経験の乏しい僕を優しくリードしてくれ、生まれて初めてとろけるような快感を味わった。
大人の女性の魅力を教えてくれた店長とは、それからも5回ほどセックスしたが、その年の12月末、東京の本社に転勤になりそれから会っていない。
僕は、またあの大人の女性の魅力を味わいたいという想いが強く、年上の女性にどうしても惹かれてしまうのだ。
「ひょっとしたら、この出会い系サイトでそういう女性と知り合えるのではないか?」
僕は期待を抱きながら、ラブメールのサイトにアクセスした。
「出会いがないとお悩みのあなた。ラブメールでは大学生から社会人まで、毎日たくさんの出会いを提供しています。恋人、遊び友達、メル友など、あなたの出会いをサポートします。」
大学生から社会人までサポートしているということは、大人の女性と知り合うチャンスがあるということだ。
さっそく登録し、自分のプロフィールを作成した。
ニックネームはマイク。
ファミレスの店長が僕につけてくれたニックネームだ。
バイトを始めた頃、接客に慣れず大きな声が出ない僕に、大きな声を出せという意味で、店長は僕を「マイク」と呼んでいた。
年齢は20歳に設定した。
18歳だとこのサイトでは一番年下になるので、子ども扱いされて、なかなか相手が見つからないのではと思ったからだ。
プロフィールを作成し、登録が完了すると、女性のプロフィール検索というボタンをクリックしてみた。
するとたくさんの女性のプロフィールが縦に並んでいた。
その中で、ふと、気になる女性のプロフィールに目が止まった。
ニックネームはアリサ。
年齢 28歳
星座 双子座
職業 秘密
趣味 旅行・カフェ巡り
自由コメント 初めて登録しました。
バーチャルな世界で素敵な出会いがあればいいなと思いこのサイトに登録しました。
少し刺激も欲しいです。
僕はアリサという女性のプロフィールを読みながら、ある女性が脳裏をよぎった。英語の里沙先生だ。
3月までイギリスの大学に留学していて、今年の4月、新規採用で僕の高校の英語教師になった。
スーツ姿のよく似合う、色白でスレンダーな美人教師だ。
里沙先生は、僕のクラスの英語を担当している。
僕は、里沙先生にずっと好意を抱いていた。
先生は、赴任した時の自己紹介で27歳と言っていた。
双子座なのですでに誕生日を過ぎ、今は28歳のはずだ。
僕は、
「アリサが里沙先生だったらいいな。」
という想いで、アリサのプロフィールに、メールを送った。
「アリサさん。はじめまして。マイクと言います。アリサさんのプロフィールを見て、気になったのでメールしてみました。よろしければ、楽しくメールのやり取りなどできればと考えています。メールお待ちしています。よろしくお願いします。」
すると、すぐにアリサという女性から返事が来た。
アリサ・・・マイクさん。アリサです。はじめまして。メールありがとうございます。こちらこそ、よろしくお願いします。
マイク・・・こちらこそ。すぐにメールいただき嬉しいです。
アリサ・・・マイクさん。お歳はいくつですか?
マイク・・・20歳です。
アリサ・・・若いのね。私、28です。あなたより8歳も年上よ。
マイク・・・気にしたりしますか?そういうの。僕は、かまわないけど・・・。
アリサ・・・ありがとう。私も年にはこだわりませんよ。
マイク・・・僕でいいんですか?
アリサ・・・ぜひ、あなたで・・というか、なんとなく、マイク、あなたのことが気になるの。
マイク・・・僕が気になるって、どういうことですか?
アリサ・・・よくわからないんだけど。あなたとは、何か縁がありそうで。
マイク・・・縁がある・・・ですか?
アリサ・・・私、最近5年間付き合っていた彼と別れたの。だから今、とても人恋しくて。バーチャルな世界でいいから、だれかいい人いないかなと思って、このサイトに登録したら、その直後にマイク、あなたからメールが来たの。なんか・・縁というか? 運命的なもの感じるの。
マイク・・・アリサさんも、今、登録したんですね?僕も、今、登録したばかりなんです。
アリサ・・・それは偶然ね。何かあなたとの運命の糸みたいなもの感じる。
マイク・・・運命の糸みたいなもの?
アリサ・・・そう。不思議なくらい、あなたが気になるの。
マイク・・・実は、僕もアリサさんのプロフィールがとっても気になり、メールしたんです。
マイク・・・本当に?嬉しいわ。もう敬語はやめて。私をアリサと呼んで。
マイク・・・じゃあアリサって呼ぶ。アリサ。
アリサ・・・はい。マイク。今日は何してたの?
マイク・・・今日はバイト。
僕はとっさにバイトと答えた。
僕のプロフィールの設定は20歳だ。
高校で模擬試験を受けたなんて言えない。
大学と言えば嘘になる。
僕は大学のことはあまり知らない。
嘘はすぐにばれるだろう。
だから、とっさにバイトと答えた。
アリサ・・・何のアルバイトしてるの?
マイク・・・ファミレス。
ぼくは、去年の夏休みファミレスで小遣い稼ぎにアルバイトした。
ファミレスのバイトなら嘘がばれない。
アリサ・・・ファミレスでバイトしてるんだ。接客は大変でしょう。
マイク・・・忙しくてそれなりに大変だよ。アリサは今日、何してたの?
アリサ・・・私は一日仕事だったの。
マイク・・・何の仕事かな?
アリサ・・・ううん・・・それは秘密ってことで。
マイク・・・何関係の仕事くらい、言えないの?
アリサ・・・そうね。ちょっとお堅い仕事かな?
マイク・・・お堅い仕事?弁護士とか?
アリサ・・・そんなんじゃないけど・・・
マイク・・・こんなサイト使ってるの、バレたらやばい仕事かな?
アリサ・・・そうね。ちょっとやばいね(笑)
マイク・・・じゃあ、これ以上詳しいこと聞かないね。バーチャルな世界だもんね。
アリサ・・・ありがとう。優しいのね。マイク。
マイク・・・アリサは、一人で暮らしてるの?
アリサ・・・一人暮らしよ。
マイク・・・どんな部屋に住んでるの?
アリサ・・・マンションよ。
(続く)
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