「優しいレイプ犯-後編」官能小説 - セクシーランジェリー通販エロティックなレディース下着専門店のインナージュエリー

アダルトコンテンツを含むため１８歳未満はこちら

優しいレイプ犯-後編

作家名：くまあひる
文字数：約4530文字(後編)
公開日：2020年7月21日
管理番号：k043

「なんか、やっ、やめて」
「気持ちいい？香奈のココ、ヒクヒクしてる、すごい熱いよ」

「ダメ、そこしちゃっ、俊介さんっ！」
彼を止めようと手を掴むけれど、驚くほど力が入らず、されるがままだ。

指の動きが激しくなり、感じたことのない快楽が彼の指から全身に放たれる。
「ああっ、もうっ！」

私は経験したことのない波に突き上げられるように、全身が震えた。
ぐったり横たわる私に、俊介さんはうれしそうな顔でキスをする。

「香奈、ちゃんとイケたね」
満点をとった小学生のように頭を撫でられ、抱きしめられる。

私は泣いていた。
イケたことがうれしくて泣いたわけじゃない。

祐樹とそのセフレから欠陥品のように言われて心は壊れた。

でも私の反応を見ながら大切なもののように扱い、まるで初めて抱く恋人のように愛されて生まれて初めて心が満たされたのだ。

今が決して愛のあるセックスではないことはわかっている。

でも、私は名前すら本名かもわからない俊介さんの手で、祐樹では得られなかった快楽を得たのだ。
それは壊れた心を少しだけ元に戻してくれた。

「香奈ごめん、ツラかった？」
「ちがっ、俊介さん、ありがとう」

お礼のキスをすると、彼はとてもうれしそうな顔をしてくれた。
「香奈のイク顔見たら、我慢できなくなっちゃった」

そういうと、太ももに顔をつけ、キスを繰り返す。
チクリと痛みが走る。

俊介さんが一つだけと言う。
足を開かせ、そこに顔をうずめる。

「香奈、濡れて光ってる、キレイだよ」
自分ではおよそキレイとは思えないソコを舌で弄ばれ、恥ずかしさで顔を隠す。

自分から発せられる高い声は絶えることはない。
蜜口からその上にある敏感な芽を舌で転がされた瞬間、腰が跳ねた。

「香奈、入れたい」
「うん、私も欲しい」

ゴムを着けて、蜜口にその先端をこすりつけられる。
つくづくレイプ犯っぽくないと笑ってしまう。

「こら、何で笑う？」
「だって優しいなって思って」

俊介さんの顔が曇る。
「それは褒め言葉じゃないよ！」

そう吐き捨て一気に貫いた。
強い衝撃に目を固く閉じる。

「痛い？」
「ううん、驚いただけ」

「香奈のナカ、すごく気持ちいいよ」
「・・・気を使わないでよ、俊介さんもフリなんてしないで」

「んなわけない、香奈にキュウキュウ締めつけられて、ヤバい」
「嘘でもうれしい」

キスを求め、彼の首にすがる。
彼にかきまぜられ、私のナカは卑猥な音をさせながら、更に蜜をあふれさせる。

その音は私を追い詰め、彼を喜ばせる。
「すごいよ、香奈っ！」

うわ言のようにこぼされた言葉に身も心も喜ぶ。
「そんな顔をされると自惚れそうだ」

「自惚れていいよ、すごく気持ちいいからっ」
そう言った瞬間私のナカにいる彼がドクンと膨らんだ気がした。

「そんなこと言って煽るとっ、くっ」
再び彼が動き出した。

太ももを抱え激しく打ち付けられる。
彼の眉間に皺を寄せた耐えるような顔を見ると、私のナカが更に締まる。

「香奈、ごめん、もうイキそう」
「私もっ！」

最奥に打ちつけて、俊介さんは果てた。
私のナカから出て行った彼は私の横に並び、私を抱きしめた。

私が体を動かすと「もうちょっとこのままでいて」と離れることを拒む。
祐樹は・・・コトが終わるとすぐにシャワーを浴びるかタバコを吸っていた。

それが普通だと思っていたけど・・・。
彼の寝息が聞こえ始めた頃、腕の中から出てシャワーを浴びる。

俊介さんと交わした時間の証拠が一つだけ太ももに残っている。
祐樹に負わされた傷は俊介さんによって少しだけ癒された。

“ちょっと苦い思い出”になるにはまだ時間が必要だけど、少なくとも祐樹とあの女の呪いにはかからずに済んだと思う。

レイプまがいで始まったけど、有意義だったと思うと少し笑えた。

彼を起こすことなくホテルを出た。
今日のことはすべて忘れよう、祐樹もあの女も、・・・俊介さんも。

ありがとうと言いたかったけど、感謝を伝えたからといってどうなるものでもない。
起こさなかったのは、名残惜しいという気持ちと

初対面の男に抱かれたことに対しての罪悪感が交互に襲ってくるから。

そして自分はもっと固い女だと思うし、これからもそうであらねばならないと戒める自分がいるから。

自分の部屋に帰り、自分の身に起こった激動の数時間を振り返ることなく私は眠りに落ちた。

またいつもの日常が始まった。
一人ランチを食べながら、あの女が言ったことを思い出している。

「アンタとじゃ満足できない・・・」
あの言葉は一生忘れられないと思うけど、私も祐樹とのセックスは苦痛だった。

ただ受け入れるだけで祐樹の心が満たされているかなんて考えたことがなかった。
正直男性は出してしまえば終わりだと。

私の気持ちを祐樹は感じ取っていたのかもしれない。

私の中でセックスって男性と付き合う上で、仕方なくついてくるモノという存在だったが、俊介さんと過ごしたあの時間で私の考え方は全く変わった。

一度でこんなに変わってしまうのだからセックスってすごい。
今、祐樹を恨む気持ちがないのは俊介さんのおかげ。

もしいつか誰かと付き合うことになったら、お互いを愛し合うセックスをしたいと思う。

あの日の記憶が自分の中で穏やかなものになりかけたころ、会社帰りに最近お気に入りの定食屋さんで晩御飯を食べていたら、二人席の対面にいきなり誰かが座った。

「香奈って名前でいいのかな」
その顔を二度と見ることはないと決めたその人が目の前にいる。

「ちょっと待ってて」
すぐに戻ってきた彼は自分の荷物と彼の晩御飯が乗っていると思われるトレイをテーブルに置いた。

「どうして黙って消えた？」
「・・・・・」

「後からちゃんと話したいことも謝りたいこともあったのに」
「ごめんなさい、自分でも気持ちの整理がつかなくて」

「今日これから時間ある？話したいんだけど」
頷くと、彼は安心したように食事を再開し、あっという間に平らげた。

私はのどを通らず殆ど残してしまった。
店を出て彼は私の手を掴んで歩く。

あの時とは違い、私が逃げないようにガッチリと。
そして連れていかれたのはあの公園だった。

「ここなら多分邪魔は入らないから、ゆっくり話せる」
今さら蒸し返さないでほしい、もう私の中ではカタが付いているのに。

「香奈・・・さん、まずはあの時はゴメン、許される行為ではなかった」
「ううん、私は自分の意志であなたについて行ったし、それに今は感謝してる」

「感謝？」
「あなたに色々教えてもらったから」

「なんか・・・もう過去形だね」
「うん、そうできたのも俊介さんのおかげだよ」

「香奈さん・・・、コレ本名？」
「そうだよ」

固かった彼の表情が少し緩んだ。
「今さらだけど、俺の話聞いてくれる？」

そういって彼は自己紹介から始めた。

「一之瀬俊介といいます。31才、ごくごく普通のサラリーマンだよ。
　あの時、彼女にフラれたばっかりでさ、男としては結構屈辱的なフラれ方だったんだ。
　で、ホントにそうなのか確認したくて、そしたらここで香奈さんがずっと泣いてて。
　結構長い時間泣き続けていたから、よほどつらいことがあったんだろうなって。
　そっと近づいてみたら“ひどい”とか“あんな男”とか泣きながら言ってて、
　男がらみだと分かったんだ。
　じゃあってわけじゃないけど・・・あとは君の知ってる通りだよ」

「彼女に何て言われたの？」

「顔以外取り柄なし、セックスは生ぬるいし、男として魅力を感じない役立たず、
　時間の無駄だって」

ちょっと恥ずかしそうに笑う彼もあの夜よりは穏やかな顔してる。

「だから、レイプしたかったわけじゃなくて、試してみたかった。
　というよりは、彼女の言う通りじゃないって証明したかったんだと思う。
　乱暴にするつもりはなくて、俺で女性が満足できるかどうかを
　確かめたかったんだ」

「香奈さんもそんな感じだったのかな？」
「うん、満足できない、つまらないって浮気現場で彼のセフレに言われた」

「うわっ、それは・・・」

「だから、私としてもあなたは後悔すると思った、
　でも気持ちいいって言われて、そんなこと言われたの初めてで・・・
　うれしくて、体が熱くなるのが分かった。
　セックスってホントはこういうモノなんだって理解できたの。
　元カレとのセックスはホントに義務の一言だった。
　当たり前だけどそんなんじゃ楽しくないよね。
　相手を喜ばせようとか全然思わなかったし、セフレが勉強したらって
　言ったのが今なら理解できるよ」

「勉強って・・・そもそもそういうのって男が女に教えるんじゃないの？
　香奈さんみたいに元カレが初めての相手なら尚更だよ。
　男は自分の女を自分好みに染めていくのも楽しみの一つだよ。
　何も知らなかった女が自分の手で乱れるようになるなんて男のロマンだよ。
　まっ、偉そうなこと言えないけどね。
　俺も香奈さんが気持ちいいって言ってくれて救われた。
　でも目が覚めたら君はいなかった。
　捨てられたような、裏切られた気がした。
　あの時過ごした時間はウソのない時間だったと
　香奈さんの口から聞きたかったんだけど」

「ごめんね、ホントは私ももう少し一緒にいたかった。
　自分を認めてくれた人のことをもう少し知りたいと思ったよ。
　でもね、彼にフラれたからってその日に他の男と関係するような自分を
　どう肯定したらいいかわからなかった、だから逃げたんだ」

「元カレとは？」
「あれっきりだよ、会いたいとも思わないし、向こうもそうだと思う」

「元カレはきっと後悔するよ、こんな優しくていい女手放したんだから」

「それは俊介さんもですよ、出会い方には問題があったけど俊介さんは
　全然生ぬるくないし、魅力的だと思いますよ。
　これからいい人に出会って、素晴らしい恋をして、いい時間を過ごしてね」

「香奈さんは優しいね」

「それも俊介さんのおかげ、トラウマにならなくて済んだんだもの。
　出会ってなかったら、まだ地獄から脱出出来てないと思うから」

「香奈さん、本名聞いてもいい？」

「渡辺香奈です。27歳にしてフラれちゃったけど、あなたのおかげで
　また誰かと恋がしたいと思えるまでになりました。
　その時まで自分なりに精進しようと思います！じゃあ帰るね。お元気で！」

「渡辺香奈さん、また会ってくれませんか？」
「は？」

「次はご飯でもどうですか？」
「・・・・」

「次の恋のトップバッターに一之瀬俊介を指名してもらえませんか？」
「・・・・」

「順番が逆になりましたが、デートから始めませんか？」
「・・・・」

「素晴らしい恋をして、いい時間を過ごす人を僕はもう見つけた気がするんだけど」

「出会い方があんなだったから信用できない？
　一度だけチャンスを下さい。俺は絶対香奈さんを理不尽に裏切ったりしない」

「なんか美化されすぎている気が・・・お互いの傷を慰めあっただけです」
「そこから始まったらダメなの？」

「傷が治ったら、必要のない存在となるかも」
「もっとわかり合えるパートナーになっているかも」

「見ず知らずの男と寝る女だよ」
「原因は俺だから」

「私のこと何も知らないクセに」
「それは間違い。色々知ってます」

「あなたのこと何も知りません」

「それも間違い。知らないとは言わせません、でももっと知ってほしいし
　香奈さんのことも知りたい」

「・・・・」
彼は手を差し出した。

少しして「香奈」と呼ばれて私は思わず一歩踏み出した。
重ねたその手は懐かしい、あの夜と同じ暖かさだった。