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詩織の冒険・リベンジ-1話



作家名:キラ琥珀
文字数:約3950文字(第1話)
公開日:2020年6月23日
管理番号:k035


挿絵の官能小説画像


茜が丘は、東京の南西に位置する町である。
渋谷まで電車で三十分ほどの位置にある。

通勤に便利なため早くから発展した。
それだけに、今では、老朽化している、という印象を受ける町になってしまった。

そういうことで、近年、新茜が丘駅を中心に再開発が行われた。
駅ビルが新しくなり、コンコースが整備され、商業施設が倍増したのである。

タワーマンションも建てられた。


そのタワーマンションの最上階に新田詩織は住んでいる。
朝起きて、窓のカーテンを開けた。

さすがにタワーマンションである。
さえぎるものがなく、東京都下の景色が広がり、彼方には富士山が見える。

(私にふさわしい住居ね)

顔を洗い、さっと朝食を作り、食べた。
スクランブルエッグにベーコン、それにサラダとトースト。

イングリッシュ ブレックファストである。

(朝食をしっかりとることが一日の活力なのよ)

富士山を見ていると、さあ、がんばろう、という気持になる。


食事の後片付けをして、準備をした。
クインシー・ジョーンズの〈テル・ミー・ア・ベッド・タイム・ストーリー〉が部屋を満たした。

朝日が満ちる部屋に官能の音楽――。
このギャップがいいではないか。


パジャマを脱ぎ、全裸になった。
そして、官能的な下着を取り上げた。

大胆なカッティングの、黒色のブラジャーとパンティである。
セクシーランジェリー専門のネットショップで買ったのだ。


そのショップのトップページには、〈あなたのことを教えて下されば、最高の夜をお届けします〉とあった。
詩織は、自分のデータを入れていった。


年齢は? 
三十歳。
……女の脂が乗り始めた年よね……。

サイズは?
91/59/88。
……この数字が変わることはないのだ……。

カップは?
D。
……これが自慢なの……。

性癖は?
どちらかというとS。
……SでもMでもなんでもアリよ……。

回数は?
週三回。
……本当はゼロなんだけど……。

好みのパートナーは?
男らしい人。
……夫は、まあまあかな……。

これまでの人数は?
約六人。
……本当は二桁なんだけど……。

好きな体位は?
騎乗位。
……なんだって好きよ……。

性感帯は?
スペンス乳腺。
……ほぼ全身よね……。


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こうしたデータを入れた結果、〈あなたはエッチを楽しんでいますね〉と出てきた。
そして、〈さらに夜を楽しくするためのランジェリーをご紹介します〉として、エロいランジェリーが表示されたのである。

その中から選んだのが、大胆なカッティングの、黒色のブラジャーとパンティである。
いや、〈大胆なカッティング〉というのは正しくない。

ほとんどが紐で出来ているのだ。
乳首の周囲と股間に、申し訳程度にレースがついているだけである。


ブラジャーの肩紐に腕を通す。
バックベルトを回し、ホックを止めようとした――。

少しきつい。
乳房が大きすぎるのだ。

なんとか乳房を持ち上げて……ホックが止まった。
花柄のレースから乳首がはみ出している。

(ちょっと小さかったけど、ま、いいか)

次はパンティを穿く。
パンティ――というより、ほとんど紐である。

もつれそうになる紐を整理して足を通す。
クロッチはない。

前部の秘所の所のレースを整える。
尻の部分は完全に一本の紐である。

ちなみに、アンダーヘアーの処理は完璧にしてある。

(うん、なかなかいいぞ)

よし、準備完了。
ソファーベッドに深く座り、両足をベッドの上に乗せた。

そのまま両足を大きく開く。
ソファーベッドはベージュ色なので、黒い下着と上気した肌が映えて見える。

そう、もうすでに上気しているのだ。
これからすることを考えただけで興奮しているのだった。

白い肌が桜色に染まっている。
ムッチリした体形にふさわしい大きな乳房は、ふっくらと盛り上がっていた。


詩織は、まっすぐに前を見た。
睨むような、訴えるような目つきである。

どう、私、エロいでしょう?
いやらしいでしょう?

そしてフっと笑って、ゆっくりと乳房を揉み始めた。
両手で、左右の乳房の付け根を揉み上げる。

しなやかな手で、丁寧に揉んでいく。
しっかりと息を吸い込んで、ゆっくりと吐く。

深呼吸で、さらに快感を磨いているのだ。


「ん、ん、ん……」

もうすでに声が漏れ始めている。
乳首が立ってきた。

右手の指先で、固くなった乳首をはじく。

ピン――。

「あっ、あっ」

腰が、少し浮く。
左右の指先で、両方の乳首をはじく。

ピン――。


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「あっ、ん、ん」

ピン――。

「ああ、ああぁ……」

男がいるなら舐めてもらいたい場所である。
しかし、独りではそれが出来ない。

せめて、乳首をはじくだけであった。
だが、それでも十分に快感が得られる。

揉むよりもはじいた方が快感が強いのだ。
Mの気があるのだ。

股間が潤ってくる。
パンティのレースに染みが出来てくるのが分かる。

ピン――。

「ああ……」

ピン――。

「ああん、ああ……」

左手を乳房から離す。
右手は乳房を掴んだまま。

人差し指は乳首を弄んでいるまま。


そうしながら、左手を下におろした。
腹に左手をおき、そのままズラしていく。

パンティの紐に到達すると、ニヤリと笑ってレースの中に手を差し入れた。

すでにぐっしょりと濡れていた。
左手の人差し指を女淫突起に当てた。

「あっ」

身体全体が、ピクンとする。
指で女淫の突起を擦る。

「ああ……、ああん……」

夢中で擦る。

「ううん……、ああ……」

顔が快楽で歪む。
出来るならば、じっと前を見ていたいのだ。

だが、あまりの快楽で目を閉じてしまった。
眉毛の間にシワが出来るくらいに顔が歪み、目を閉じ、口が大きく開く。

(ああ、この快楽を、もっと味わいたい。もっと、もっと)

詩織は女淫突起を擦る運動を速めた。
それを誇示するように腰を前に突き出す。

夢中で擦る。

「ああ……、ああ……」

一気に淫液が溢れだした。
でも、まだ、まだよ。

腰を浮かせると、ビショビショになったパンティを両手で脱ぎ始める。
怖いような顔つきで前方を見たまま、腰からレースのついた紐を外した。

目はそのままにして、左手を伸ばした。
ソファーベッドの端に置いてあるモノに手が当たる。

それを引き寄せた。


白い棒状のモノ。
それはバイブであった。

ハイグレードシリコン製で、かなり太い。

表面は多数のパールで覆われている。
動作はAIで制御されている。


スイッチを入れた。
低いモーター音がした。

単なる無粋な音ではない。
どこかに仕掛けがあるのであろうか、官能をくすぐるような音なのである。

バイブが、グリグリとまわり、パールが上下して、全体がクネクネと動き出した。
クネクネの動きに合わせて、モーター音が変化する。

その音は、部屋を満たしているジャズのメロディに、なぜか調和していた。
さらに、音の変化に合わせて、バイブ全体が光った。

ピンク色、青色、薄緑色と変化する。


詩織は、前を見ながらバイブを軽く握った。
手がネットリと濡れた。

バイブからローションが出ているのだ。

「こんなローション必要ないのにね。もうたっぷり濡れているんだから」

独り言をいってニヤリと笑い、腰を突き出し、バイブを淫壺の入口に当てた。

「うっ」

指で襞を分けると、そっと刺し込む。
少し刺し入れただけで、わざと止める。

淫液が溢れ出てきた。

「うっ、うっ」

太股が濡れた。

「ああん……」

リズミカルに出し入れした。

「ああん……、あん、あん、あん、あん」

出し入れに調和して声が漏れる。
腰が痙攣した。

ガクンガクンと腰が揺れるのだ。

「ううん……、うん、うん、うん、うん」

訴えるように前方を見た。

「も、もう、だめぇ……」

バイブを押し込む。
淫壺の中がきっちりと埋まった。

バイブが淫壺の中で蠢いている。
だが、それだけでは満足出来ない。

埋めたままバイブを激しく動かした。

「あああ、イ、イ、イく、イくぅ、イくぅぅ……」

腰がガクガクと上下左右に動いた。

「うわぁぁぁ……。死んじゃうよぅ……」

詩織は余韻に浸っていた。
ゆっくりと、乱れた髪を整える。

「ああ……」

大きくため息をついた。
詩織は、親しみを込めて、そして妖艶に笑った。

ソファーベッドから立ち上がる。
ソファーベッドのすぐ前には、デジタルムービーカメラが設置してあったのだ。

「今日は、お終いよ」

詩織はカメラのスイッチを切った。

新田詩織は大正緑林大学理学部を卒業している。
いわゆる〈リケジョ〉なのだ。

コンピュータ関係では世界的規模の会社のISHに就職した。
そこで社内恋愛をし、寿退社した。

そして、茜が丘のタワーマンションを買い、新婚生活を始めたのである。


それから一年が経過して、問題が出てきた。
夫がロンドンへ転勤になったのである。

半年間だけ、という約束であった。
これは、中途半端な期間である。

二人揃ってロンドンで新しい生活をするには短すぎる。
というわけで、夫が単身赴任をすることになった。

半年間だから、我慢しようね、というわけである。

ロンドンでの住居は、会社が用意してくれた。
海外出張手当が出るので、それで生活することが出来た。

給料は詩織の生活費に使うことが出来たのだ。
離ればなれの生活の問題は、ほとんど解決出来た。

ただ一つを除いては。

セックスである。
これが問題である。

放っておけば、ロンドンで女を作るかもしれない。
それで、詩織がみずみずしい肢体の動画を送ることにしたのだ。

というわけで、エロい下着を着てオナニーをしている姿を撮影したのである。

(これを見ながら、独りでヤってね。半年間の我慢よ)

もちろん、ライブチャットではない。
あんな低解像度でフレームレートが低い映像では夫が可哀想である。

詩織のプライドが許さない。
4Kでバッチリ撮影するのが当たり前ではないか。


ちなみに、この撮影は一週間に一回である。
ちょっと間を開けて旦那サマを焦らす……詩織の作戦である。

ジャズを止め、撮影機材を片付けた。
紐のブラジャーとパンティを脱いだ。

大きい乳房が解放されて喜んでいる。

(さてと……今日の予定は……)

その時、電話が鳴った。




(続く)





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