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アナルファンタジー(2)溺愛-第1話



作家名:優香
文字数:約5230文字(第1話)
公開日:2020年5月26日
管理番号:k030


挿絵の官能小説画像

昨年末から官能小説を連載してもらっている雑誌社の編集担当者との、連載終了後の新しい連載小説の打ち合わせが長引いて遅くなった私は、急いで家の近くのスーパーで夕食の買い物を済ませ、マンションに戻った。

リビングに通じるドアを開けると、マーラーの交響曲第五番第四楽章「アダージェット」が流れていた。
私も初めて聴いた時、《こんな美しい音楽を、人間が創れるのだ》と驚嘆さえした。

マスネーの「タイスの瞑想曲」、ドビュッシーの「月の光」、チャイコフスキーの「ただ憧れを知る者のみが」、ヘンデルの「ラルゴ」、スメタナの「水の精の踊り」、バッハの「G線上のアリア」、グノーの「アヴェ マリア」などもそうだ。

人間とは、醜いものだと想う。
精神的には、自我欲。肉体的には、食べて排泄する。

だから逆に、永遠に美しいものを求めるのかも知れない。
彼女はオナニーをする時、大抵そうした美しい音楽を聴いていた。

私も随分前から、朝の目覚めにそんな音楽を聴くと、逆に淫靡な気分に襲われるようになっていた。

夕食の買い物を詰めた袋をキッチンの冷蔵庫の脇に置き、テーブルの傍で全裸になりながら、ソファーに美しい裸身を横たえている彼女を眺める。

夕焼けの陽光がレースのカーテン越しに挿し込み、彼女の白い裸身をシャクナゲ色に染める。
私はゆっくり彼女に近づいて、大きく寛げられた彼女の両脚の間にひざまづいた。

私の存在に気付いても、それが当然のように彼女の淫靡な表情も動きに変化はない。
潤み加減の円らな瞳が半ば閉じられ、鼻孔が彼女の淫靡な喘ぎ声の混じる息遣いに合わせて開いたり閉じたりしている。

興奮して乾いているのだろう、愛らしい舌が時折軽く開いたままの唇を舐めて潤す。

左手の細いしなやかな指が、彼女の淫靡な息遣いと共に起伏する形の良い乳房を二つ歪めてわし掴みに揉み立て、小粒のピンクの真珠のような乳首を指がこそぎ、摘んで転がし、挟んで捻り上げる。

「ゆ、優香さんが帰るまで、が、我慢できなくて、か、感じてる、すごく」
潤みを帯びた瞳が恥じらいと淫靡な光を宿して私を見つめ、彼女は小さく喘いだ。

「良いわよ。視ててあげるから、続けなさい」
右手の行方を追って、下腹部に視線を遣る。

清純な美貌に似つかわしくない程生え茂った恥毛の叢の下で女性器が淫猥に息付き、開いた女陰の襞に熱い愛液を溢れさせ、下方の端から粘って滴り、やはり驚くほど生え茂った恥毛に囲まれた肛門の窄まりに溜まり、さらにソファーまで垂れていた。

細い指が、開き切って妖しく蠢く女陰の襞が重なる頂上で、包皮から飛び出すように勃起したクリトリスを頻りに擦り立て、揉み込む。

「ね、ねえ、優香さん」
彼女がキスをねだって細い顎を突き出した。

私も愛らしい彼女の余りに淫靡な行為に興奮して、キスをしたくなった。
私は膝立ちになって彼女の肩を抱き、熱い喘ぎを洩らす唇を塞いで、貪る様なキスを施す。

彼女はオナニーを中断もせずに私のキスを受け容れ、くぐもった呻き声を上げながら私の唇と舌を吸い立てる。
二人の舌が互いの口腔を行き来し、絡み合い、愛撫し合う。

新たな官能の疼きが湧き起こったのだろう、彼女がいやいやをするように顔を振った。
私はキスを中断して、再び彼女のオナニーを見守った。

乳房を愛撫していた左手が震えながら女性器に伸び、二本の指が女陰の襞を何度かなぞり上げた後、膣孔に潜り込んだ。
「いやらしい子ね?悠美は。でもいやらしいから、可愛いわ。すごく」

「ああ、い、虐めないで。わ、私、ゆ、優香さんだから、み、視られたいの」
悠美は、そう言うと、膣粘膜に潜り込ませた二本の指をいきなり激しく抽送させた。

「悠美。素敵よ。わ、私、視ててあげるから、一杯、イ、イッてっ」
私は悠美の女陰に息が噴きかかるほど顔を近づけ、彼女のオナニーと表情を交互に視つめた。

《だ、だめ、ゆ、悠美っ、可愛いっ、い、いやらし過ぎるっ》
私は悠美の痴戯に興奮して、思わず自分のクリトリスを擦り立てていた。

「ゆ、優香さんっ。い、良いのっ、か、感じるっ。お、おま○この奥っ、す、すごいっ」
悠美が一層激しく指を挿送すると、とめどなく溢れる愛液が、やがて白濁して、淫猥な濁音が部屋中に響き始めた。

マーラーの「アダージェット」はリフレインになっていた。
「ああ、ゆ、悠美っ、い、いやらしい音っ。わ、私もっ、こ、興奮して来ちゃったっ」

悠美の愛らしい仕草、淫靡なオナニーに激しく興奮した私は、あっと言う間に女陰に溢れた愛液を指に塗し、膣粘膜に突き立てた二本の指を激しく蠢かした。

「い、いやっ、ゆ、優香さんっ、じ、自分で、イ、イッちゃいやっ。わ、私をっ、み、視てっ、わ、私がっ、イ、イクのっ」

自分でオナニーしてエクスタシーに?まれそうになっているのに、私がオナニーをしてはいけないなんて、何て我が儘な事を言うのだろう。


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しかし、そんな悠美が堪らなく愛おしかった。
「ゆ、悠美っ、イ、イクのっ?」

「ああ、イ、イキたいっ、ゆ、優香さんに視られてっ、イ、イキたいっ、ね、ねえっ、お、お尻っ、し、してっ、ゆ、指っ」

悠美がソファーの背もたれに上半身を委ねて脚を大きく拡げ、私の目の前に恥部を突き出して尻肉を浮かせ、膣粘膜に潜り込ませた指を一層激しく抽送させた。

私は名残惜しそうに締め付ける自分の愛おしい膣粘膜から指を引き上げ、滴る愛液に塗れて別の生き物のように蠢いている悠美の肛門の窄まりに指を当てた。

悠美の肛孔は、何時ものように異様に柔らかく解れ切っていて、二、三度抜き挿ししただけで私の指をあっと言う間に根元まで受け容れていた。

悠美の腸粘膜が、膣粘膜を扱き立てる悠美の指の動きに呼応して、私の指を断続的に締め付ける。
「ああ、ゆ、優香さんっ、お、お尻っ、い、良いのっ、か、感じるっ、う、嬉しいっ」

私は悠美の余りの淫猥さと愛らしさの虜になり、夢中で悠美の窄まりに埋めた指を、腸粘膜のきつく妖しい締め付けに逆らって激しく抽送させた。

「ね、ねえっ、ゆ、優香さんっ、い、良いっ、す、すごいっ、も、もうだめっ。イ、イクわっ、ああっ、イ、イクのっ、イ、イクッ、イクッ、イクーッ」

悠美はしなやかな裸身を激しく痙攣させ、引き締まった尻肉を宙に浮かせると、女陰を抽送させていた指を膣粘膜に奥深くめり込ませ、尿孔から夥しい愛液を噴出していた。

私は、間欠泉のように噴き出す悠美の愛液を口で受け止め、彼女の恥毛の叢に降り注いだ愛液を啜り、舐め上げ、呑み込んでいた。
悠美のエクスタシーの痙攣が収まると私は彼女の唇を塞ぎ、溜めていた愛液を口移しで流し込む。

彼女は片手で私の首にしがみ付き、貪るようなキスを返し、愛液を飲み込んでいた。

何時もそうしているように、肛門を抽送していた私の指と、膣粘膜を抽送していた悠美の指を一緒に二人の唇で挟み、一緒に舐め合い、しゃぶり合う。

「お風呂に行こう。私もしたいの」
私は悠美の手を取って、誘った。

これから、浴室で二人だけの淫猥な痴戯を愉しむのだ。


悠美が私の部屋に住み着くようになったのは一月ほど前だった。

数年前からの行き付けだったジャズスナックにいきなりふらりとやって来た悠美は、カウンターで?んでいた私の隣に座ると、ウオッカをロックで飲みながら、何故か私に興味を抱いたようで、頻りに私に質問し、私も受け応えしているうちに、彼女は酔い潰れてしまっていた。

マスターが泥酔した彼女から、住んでいる処をどうにか聴き出したのだが、偶然私の住まいと同じ方向だったせいで、私が帰りがてら送って行く事になった。

ところが、悠美が口走った住所の辺りまで来ると、彼女は少し意識を取り戻して言ったのだ。
「ごめんなさい。私の家、なくなっちゃったの」

その意味も判らないまま呆れ果てたが、若い女の子をこんな深夜、道端に放り出す訳にも行かず、仕方なしに部屋に連れ帰り、ソファーで寝かせたのだ。

朝眼が覚めると、悠美は既にいなかった。
何て子だろう。

二度呆れたが、別に私が危害や損害を受けた訳でもない、そのまま忘れようとした。

《でも可愛くて、波長が合いそうな子だったな。もしかして私と同じ、レズのアナルマニアだったりして。あんな子だったら、愛せそう》

遅い朝食を採ってから、デスクに向かい、新しく連載する事になった官能小説のネタを考えているうち、昨晩の、悠美の清楚で愛くるしい、それでいて何処か被虐的な翳りを帯びた美貌や、少し呂律の回らないしゃべり方が脳裏を一杯にした。

悠美と私の関係を書いてみようか。
私はパソコンのキーを叩き続け、ふと気付くと、既に窓の外は日が暮れかけていた。

何杯目かのコーヒーを注ぎにキッチンまで歩きかけた時、ドアチャイムが鳴った。

この部屋のドアチャイムを鳴らすのは、宅急便の配達しかないのだが、心当たりはなかったので、恐る恐る玄関まで行って、防犯カメラをオンにすると、何と悠美が立っていたのだ。

「ゆ、昨夜は、ごめんなさい。お詫びに来ました」

まさにたった今、悠美との初めてのセックスシーンを書いている最中だったせいか、彼女の突然の登場で媚肉の奥底に妖しい疼きを覚えた私は、それでも平静を装って悠美を部屋に招き入れた。

「お詫びに、美味しいお酒を?んでもらおうと想って」
「オツマミはないわよ」

元々少食で、滅多に食べない私は、キッチンからグラスを二つ取って来てテーブルに置き、悠美から受け取ったお酒の包装紙を開いた。


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昨夜、私がシェリー酒を?んでいたから、私の好みだと想ったのだろうか、中身は私が愛飲している銘柄だった。
「わ、私も一緒に?んで良いんですか?」

「良いわよ。こんな立派な酒を独りで不味そうに?んでももったいないし」
私の顔色を伺うようにしていた悠美の美貌が、子供のように無邪気な笑みを湛えた。

名の知れたシェリー酒をグラスに注ぎ、名前を名乗り合って乾杯する。

悠美は美術学校に通ってクロッキーを勉強していると言い、私が官能小説を書いていると言っても驚きもせず、むしろ彼女の美しい瞳が淫靡な潤いを帯びたような気がした。

普通、初対面に近い人間が二人だけで目的もなく酒を?むと、ぎこちないものだが、悠美とは何故か、永い交際いの恋人のように想え、沈黙が気まずくはなく、むしろ官能的だった。

それは恐らく、悠美と私を主人公にした官能小説を書き始めたせいだっただろう。
私も、悠美も、空きっ腹にきつい酒を?んだせいか、大分酔っ払っていた。

「一緒にシャワーを浴びようか?」
《な、何を言い出すの?!私って・・・》

悠美との性愛を小説に書き始めたせいか、私の心情としては、悠美は既に恋人だった。

悠美は、私のあり得ない申し出に、当然一瞬驚き、美貌を強張らせたが、すぐに恥じらいを浮かべて頷き、円らな瞳に淫靡な色を浮かべた。

酔ったせいで口を滑らせたが、もう成り行きで良い。
私は悠美を浴室に誘い、脱衣所で彼女の洋服を脱がせた。

悠美のしなやかで白い、美しい裸身が私を一層彼女の虜にした。
悠美は私の為すがまま全裸になり、私が全裸になると、いきなり抱き付いて来た。

「ゆ、優香さんが、す、好きっ」
それは勿論、私にとっては、期待はしていたが、予想以上の言動だった。

悠美が反応を失った私に、貪る様なキスを見舞って来た。
ほとんど初対面に近い私とでは当然であろう、唇を堅くしたぎこちないキス、しかし彼女の感情が解る激しい情熱的なキス。

私は彼女を抱き締めて、彼女のキスに応じていた。
シャワーなんて要らない。

私は悠美をベッドに連れて行き、横たえると覆い被さった。
私はレズの経験はあるし、いや、どちらかと言うと、男性より、女性との性愛を好んだし、悠美は実に好ましいタイプだった。

だから彼女との関係を書こうと考えたのだ。


悠美が、私の愛撫を受け容れながら、私を好きだと言った経緯を語った。
意外な事に、ここまでの経緯は偶然ではなく、全て悠美が意図したものだったのだ。

本屋でたまたま見つけた私の“アナル ファンタジー”を読んで虜になり、私のブログを見て行き付けのジャズスナックを知って、毎晩のように通っているうちに遭えると考えて、初めて行った日に偶然私が?んでいたのだ。

私はブログで、勿論自分の正体を明かさず、年令も不詳で、男性か女性かも解らないようにしていた。

しかし、極度の欲求不満状態であった私は、誰かが私の正体を知って、私に関係を求めて来たとして、よほど厭な相手でなければ、相手が男性であっても拒むつもりはなかった。

いや、むしろ、相手がだれであれ、男であれ女であれ、私の素性を知ってくれたら、という願望があったから、ブログに必要最小限ではあったが書いていたのだ。

悠美はスナックで初めて私を見た瞬間、直感で私だと判ったそうで、話して酔い潰れ、会話に上がった私の住まいの近くの住所を言えば、私が送ってくれると謀ったらしい。

悠美の思い切った行動もそうだが、余りにもあっけない出遭いから、今ベッドで抱き合っているまでの経緯が偶然以上のようにも思えた。



(続く)





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