人妻順子 虜の悦楽 開発篇-1話
作家名:邪道
文字数:約4050文字(第1話)
公開日:2020年3月21日
管理番号:k024
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<第一夜>睦みあい
ある深夜、寝室では夫、間嶋誠の腰遣いに合わせて妻、順子は淫らに、そして艶めかしく喘ぎ悶える。
騎乗位の体位で夫の激しいピストン責めを受け、順子はその微笑むと三日月型になる瞳を潤ませた。
Dカップの豊満な乳房がゆさゆさ揺れる。
「…順子」
「あッ、あッ、あぁッ…誠さん、すっごいッ、こ、今夜は…ど、どうしたの…い、いいぃぃ――――ッ!!」
夫の夥しいスペルマと、順子の愛液が混ざり合い、卑猥な音が結合部から漏れる。
ラブ・ジュースが、シーツの下に敷いたバスタオルにまで滴り落ちる。
結婚から三年、高校時代からの付き合いで無数に肉体を重ねてきた二人。
だが、妻の今宵の燃え上がり方は尋常ではない。
順子は絶頂寸前という表情で、夫を見つめ返す。
SEXのイニシアティブを握っているのは誠の方である。
その絶倫ぶりは相当なもので、ほぼ確実にイクのは順子の方が先だ。
それ自体が生き物のような誠のペニスは、妻の膣内でその性感を昂ぶらせるべく貪欲に膨張を続ける。
順子の愛の言葉に感極まったのか、誠はピストンを小刻みかつ大胆に繰り返し妻を絶頂に導く。
コリコリに勃起した乳首を優しく扱かれ、もう昂ぶり切った性欲を抑えきれない、という感極まった表情の順子。
「あんッ、いいッ、あッ、あッ、あぁッ…ああぁぁッ!!」
愛くるしい顔を左右に狂おしげに振り、ウエストのくびれを淫らに捩らせながら、順子は歓喜の絶叫をあげるのだった。
誠は、燃え上がった後も乳首への愛撫をはじめ、丹念にペッティングを続けた。
順子の感じやすい部分を知り尽くした夫ならではの可愛がり方に、素直に人妻は燃え上がる。
「やだ…誠さん…うぅ」
「ふふふ、順子はやっぱり可愛いな。そんなに恥じらうなんて相変わらずの純情だね。それにしても今夜は随分肉体の感度が良いね。乳首がコリッコリじゃないか?」
誠は高校時代から変わらない爽やかな口調で、それでいてなかなか卑猥な言葉を紡ぐ。
「いやだ。もう十年以上も長い付き合いの、《三十路前の自分の奥さん》を揶揄うみたいに…」
「いいじゃないか。俺も君以外の女は知らないし、順子だってそうだろ?」
誠は、夫の愛と甘い背徳的遊戯に勃起しきった順子の乳首を口に含む。
「あんッ…。そ、そうよね、相思相愛…ていう感じかな…」
順子も素直に応じる。
夫の舌遣いは乳首を存分に可愛がってくれた後は、下腹部にまで移動する。
やがて、妻の豊満な肉体を倒し、存分にその柔らかな肌触りを愉しんだのち、秘所にまで愛撫を続け、やがてそれは濃厚なクンニリングスへと移行する。
順子の嬌声が寝室に溶け込む。
(ああッ、誠さん、今夜はとっても私を欲しているんだわ…)
淫唇を優しげに広げられ、熱い吐息を陰核にまで感じると同時に、順子の口から歓喜の呻きも漏れる。
肉体を弄ばれるだけで、適度な緊張感と快感が順子をなんともいえぬ陶酔感に誘う。
「あッ、あぁッ!」
みるみるうちに緊張しきったクリトリスを愛する男の口で奉仕され、得も言われぬ幸福感に浸る妻。
しかし、間髪を入れない貪欲な誠の責めに、順子は先ほど昇天し、ふしだらな液体を噴出したばかりの膣内を、新たな熱い愛液で濡らす。
「順子…好きだ! 愛しているよ」
「誠さ…ん、あんッ…。私も…よ」
魅惑のボディをシーツの上で艶めかしく悶え狂わす妻。
そんな彼女に酔いしれる様に、その肉体を求める夫。
かくして相思相愛の夫婦の甘い夜は続く。
<第二夜>淫夢に妻は濡れる
―――夢だった。それは順子自身気が付いている。
が、彼女は狼狽していた。
その状況は、過去の実体験をリアルに再現したものだからだ。
手首と足首に食い込むベルト式拘束具の感触、逃れようと身悶えるたび、軋むX字の磔板。
その邪な器具に大の字に縛めを受けた全裸の肉体。
そして、羞恥に悶え狂う囚われの順子の姿を余すことなく、映し出さんとする三脚に据え付けられたカメラ―――。
『どうかね、順子ちゃん? 囚われの身となり、素っ裸で磔の刑に処されたご感想は?』
『ど、どういうことですッ!? 私をどうする気ですかッ!?』
どんな目に遭わされるか、自分でその末路を知りつつも順子は声を震わし、目の前で全裸磔となった自分を小気味よく眺める男を観念した様子で見返す。
その諦観に満ちた表情を浮かべた理由、それは秘所にセッティングされた責め具。
まるで、順子の膣の内部を知り尽くしたものが作成したようにフィットする人工の男根が心地好くない筈もなく…。
『ふふん、上の口では白々しくシラを切る癖に、下半身の御口は随分正直な様子じゃないか』
『あ、あぁッ…』
指摘されるまでもなく、じゅるりと熱―い液体が膣内を濡らし、そのふしだらな蜜が、挿入されたバイブに塗れる感覚に気を失いかねない快感交じりの羞恥心に苛まれる順子だ。
『あ…あぁッ…』
下腹部にバイブホルダーでキッチリ固定された人造の男根は、いかに身悶えようと、抗おうと、にっちりと順子の女陰を侵したまま、その起動を今か今かと待ちわびている状態だ。
順子の方はといえば、恥ずかしく、情けなさでいっぱいになりつつ、膣内を刺激するバイブの疣の感触に、今ここでソレが振動すれば、嬌声を上げない自信がないほどの快楽に身を委ねるしかない状況だ。
『さあ始めようか…』
『始めるって、何を!?』
磔板と手枷を繋ぐチェーンをビンと突っ張らせながら、身を乗り出すようにして尋ねる順子だが、何をされるかなどとうにわかっていることだ。
が、それを認識するだけで、秘所がまた熱い液体で塗れ、挿入されたバイブの間から滴る感覚に、死にたいほどの羞恥心を覚える順子。
『決まっているだろう、君の強制自慰シーンを撮影するのさ』
『そ、そんなッ、やめて、いや、拘束を解いてッ!!』
ナイスバディを捩り、悶え、哀願する順子を愉しむように眺めつつ、虜の秘所に挿入したバイブの遠隔スイッチを手に、カウントダウンを開始する男。
『スリー…ツー…ワン…』
観念したように瞳をつぶり、睫毛を震わす順子。
その表情が、何事が身の上に起きたか理解できぬ、という表情に変わり、自らの意思に反し、天を仰いだままのけ反った。
『あううううぅぅぅぅ―――――ッ!!』
ヴィーンヴィーンヴイーン…低いモーター音とともに始まる、秘所を軸にした悦楽の波に嬲られ、手首足首に食い込む拘束具の硬い感触に酔いしれる順子―――。
「はあはあはあ…夢、なのね…」
夫婦の同衾の後、僅かな下着姿で寝入ってしまった順子。
夫を起さぬように、ベッドを抜け出した魅惑の肉体は明らかに火照っていた。
(やだ…濡れてる・・)
ショーツの陰毛が浮かび上がるほどに、淫らな液体が湧き出る熱い股間に戸惑う順子だった。
<第三夜>黒幕の出所と再会
―――いつもと変わらぬ間嶋家の朝食。
順子は夫の弁当を手早くまとめると、3歳の息子、成太にスープを口に運びつつ、誠との夫婦の会話を交わしていた。
ふいに誠が言う。
「そういえばさ、透さん…いや松宮さん、出所したみたいだって。大学時代の友達がメールくれたよ」
松宮透…。
その名を聞いた時、何の悪い冗談かと、胸がどきんと痛んだ。
「そう…」
無関心を装いつつも、動揺を隠せない順子。
松宮透――。
夫の大学時代の先輩にして、順子の痴態を知る男。
今朝ほど見た実体験でもある淫夢にも登場し、順子を弄んだ『責め役』その人である。
「僕も近々、連絡してみようと思う。久しぶりに先輩と話をしてみたいしね」
「え…また…お付き合いするの?」
フリーのビデオジャーナリストでもあった松宮は5年前、ある傷害事件で逮捕起訴され、服役していた。
が、順子の心配は夫が前科のある者との交際を、することではない。
しかし、有名私学高校の教師である誠は、博愛主義で分け隔てのない交際をポリシーにもしていた。
それ故、順子の真意を理解できずにいる。
というより、順子自身知られてはならない過去を抱えている事を理解できるはずもないと、彼女は思うのだが。
「君の気持はわかるよ。確かに松宮さんは過ちを犯した。人に大怪我を負わせたことも事実だけど、ジャーナリストとしての信念に基づいた行動だったと思う」
松宮は、現代の貧困問題を題材にしたドキュメンタリーを売り込み、大手の番組制作会社のスタッフの心無い態度に激高して相手を殴打し、障害の残る怪我を負わせたのだ。
しかし、誠は知らないのだ。
社会派の正義の顔以外にも、松宮には別の顔が…それも飛び切り淫靡で、不埒、そして邪な策略に長けた『性戯』の男であることを。
順子の心が波立った―――。
その男との再会の時は、意外にも早く来た。
パテシェとして勤務する洋菓子店から帰宅すると、既にその男は夫と向き合い談笑していた。
松宮透は、人懐っこさと狡猾さの入り混じる、狐のような顔の笑みを浮かべ、微かな粘着性を感じる声音で、後輩の妻との再会を喜ぶ。
「いやあ、順子さんじゃないか。久しぶりだねぇ、そうか、そうか、いい夫婦になったんだね、君たちも」
後輩の生活の変化、ことさら結婚という人生のステップを一段上がったことを祝福しているようで、どこか夫婦の生々しい肉体関係にまで思いを巡らしているような視線に、順子は嫌悪し、狼狽もする。
開いた口の間から、たばこのヤニで汚れた歯が見え隠れする。
「お久しぶりです…お元気そうで、なによりです…」
それ以上の言葉が出てこない。
「先輩は、今後どんな仕事に?」
誠は妻の心境など察する様子もなく、松宮のこれからを案じている。
「うん、『オツトメ』をしてきた後だと、なかなか仕事は見つからないけどね…。幸運にも、昔、映像関係の下請けで一緒に仕事していたやつから誘いがあってさ」
「それは良いですねぇ」
(よかった、真っ当に生きるつもりなのね…)
一癖も二癖もある男だが、そこは更生している様子が見て取れ、順子は少しだけ安堵した。
「やはりメディア関係の仕事からは離れられないからねぇ」
が、そのそこはかとない絡みつくような物言いにも、順子は昔の傷が疼く様に胸の鼓動が全身を駆巡った。
そのいやな予兆は、すぐに的中することとなる。
(続く)
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