指切り-１話
作家名：橘キキョウ
文字数：約4390文字(第１話)
公開日：2019年12月30日
管理番号：k018
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お義母さんと同じ屋根の下で生活して何日が経っただろうか
ミステリー作家の拓也はそんなことが気になり行っている執筆を止めて指を折り曲げて数え出した
親指から中指まで折り曲げたことに気づきため息をついたて顔を曇らせた
すると部屋に扉を軽く叩く音が響いた
「たっくん 晩御飯にしない？」
お義母さんの佳恵の明るい声が扉の外から聞こえた
「わかりました ちょうど原稿も一区切りついたんで」
拓也はそう言うと立ち上がり部屋を出るとニッコリと笑顔を浮かべた佳恵がそこにはいた
「今日はトンカツ作ったの
若いんだからいっぱい食べて精をつけなきゃね」
「ありがとうございます
本当にご迷惑おかけします」
拓也はニッコリと笑顔を浮かべている佳恵に申し訳なさそうに頭を下げた
「いいのよ、夫婦なんだから喧嘩するのは当たり前
それにどうせうちの彩がまた意地張って許してないんでしょ
たっくんはちゃんと謝ってるのに」
佳恵はそう言うとリビングの扉を開けトンカツが置かれたテーブルの椅子を引き座った
拓也もトンカツを見て
「美味しそう」
と言い笑顔で佳恵を見つめると佳恵は満足そうな顔を浮かべていた
2人はそれぞれの席に着くと手を合わせて食事を始めた
拓也は今日は朝ご飯は出勤前の佳恵と一緒に食べたが昼ご飯は部屋に缶詰になっていたため何も食べていなかった
そのため佳恵の作ってくれたトンカツがとても空腹に染み渡り箸が止まらなくなっていた
「美味しい？」
佳恵は拓也を見つめて尋ねると拓也は口をパンパンにさせてこくりと頷いた
その様子を見た佳恵は嬉しそうに
「これも食べて」
と箸で自分のトンカツをふた切れ掴み拓也のトンカツが並べられている皿に乗せた
すると拓也は慌てて自分の口に入っているご飯を飲み込んだ
「悪いですよ
お義母さんの分が……」
「うんうん、いいの、私 最近食欲なくてさ
歳かな
それより今日もたくさん小説書いたんでしょ！
たくさん食べて頑張らなくちゃ」
佳恵はそう言うと拓也より少なく盛られたご飯茶碗に手をつけた
「ありがとうございます
じゃあ、いただきますね」
拓也はそう言うと佳恵が作った美味しいトンカツが目の前で増えたことが嬉しくまた箸を使い食事を進めた
その様子を見た佳恵は嬉しそうに拓也を見つめた
「それにしても小さい時 彩にあんなに泣かされていた たっくんが今や小説家か！
年が経つのは早いね
そりゃ私もおばさんになるわけだ」
佳恵は感慨深くそう言うと拓也は箸を止めた
「そんなことないですよ
佳恵さんはまだまだ若いでしょ
実際40代だし」
「お世辞でも嬉しいな
ありがとう」
佳恵はそう言うと嬉しそうにトンカツを食べ進めた
拓也は佳恵の艶のある黒髪や張りのある白い美しい肌を見つめて
「そんなことないですよ」
と言うと佳恵はふふっと笑った
2人は食事を終えると佳恵は皿を重ね台所に運び出し皿を洗いだそうとした
すると拓也は急いで椅子から立ち上がった
拓也は一日中座って執筆をしてたため腰が少し痛かったがそんなことお構いなしだった
「俺が皿洗いしますから大丈夫ですよ」
拓也は腰をさすりながらそう言うと佳恵は申し訳なさそうな顔をした
「大丈夫よ
すぐに終わるし
座ってテレビでも見といていいわよ」
「いいですよ
俺がやります
佳恵さんがテレビ見といてください！」
「でも……」
「その代わりいつも通り仲裁お願いしてもいいですか？」
拓也は申し訳なさそうにそう言うと佳恵は納得したような顔をした
「あ〜、そうね
そろそろ仲直りの時間ね」
「喧嘩した時 家から主人を追い出すような彩でもお義母さんの言うことは聞きますからね」
拓也はそう言うと笑顔を浮かべた
「そりゃそうよ
小さい時から別れた夫の代わりにお父さん役もこなして育ててきたんだから」
佳恵はそう言うと無邪気な笑顔を浮かべて腕を曲げ力こぶを作る真似をした
それをみた拓也も笑顔になった
「じゃあ、ここは僕に任せてお義母さんは座ってテレビでも見ててください」
拓也はそう言い佳恵を椅子に座らせた
「はーい！」
佳恵は元気に返事をするとテレビのスイッチを入れた
拓也はそれを見ると安心して皿洗いを始めた
「この前の喧嘩も4日目で仲直りしたんだっけ？」
テレビを見ながら佳恵は優しい口調で拓也に尋ねた
「いや、この前は5日目です
その前が4日目でした」
拓也は皿洗いをしながら答えた
「喧嘩の原因って何だっけ
そっかあれか
1個前の喧嘩と同じ洗濯物のたたみ方か！」
「いや、今回のは洗濯物のたたみ方ですけど1個前はあれです
晩御飯を手抜きしてるってやつですよ
洗濯物のたたみ方は３つ前ですよ」
拓也がそう言うと佳恵は腹を抱えて笑った
「あはは、2人とも昔から喧嘩ばっかりだね
でも、ちゃんと仲直りしてるってことは仲がいい証拠か！
私は初めての喧嘩で別れちゃったからな」
佳恵は少し寂しそうにそういった
「俺らが小さい時ですよね……
俺もちょっと記憶ありますよ……
彩のお父さん」
拓也は少し気まずそうにそう言うと逆に佳恵は明るく振る舞った
「まぁ、昔のことだよ
今は可愛い娘のおかげで可愛い息子ができたからね
私は幸せ者だよ
彩もたっくんと一緒にいるとすごい幸せそうだよ」
「うーん、あいつ幸せですかね
俺にたくさん怒るし……」
「幸せだよ
彩はたっくんのことが好きだから甘えて怒ってたりするんだよ
彩を1人で育てた私がそう言うんだよ
信じなさい！」
佳恵は胸を張ってそういった
「まぁ、あいつが幸せなら俺も幸せですよ」
拓也は嬉しそうに照れながら皿洗いを続けた
その後ろ姿を羨ましそうに満足そうに佳恵は見つめた
「幸せ者だな
彩はこんなにいい人にもらって貰えて」
「彩を産んでくれたお礼に何かプレゼントしましょうか
この前出した本も売れたし」
拓也は幸せそうに尋ねた
すると佳恵は考え出した
「うーん、それなら結婚して2年も経つんだしそろそろ孫の顔が見たいかな」
「うーん、一応 それなりに2人で考えてそろそろかなーっては話してるんですけどね」
拓也がそう言うと佳恵は嬉しそうな顔をした
「お！そろそろかな！？
楽しみだな」
「まぁ、頑張ります
俺も子供欲しいんで
よし！洗い物終わり」
拓也はそう言うと濡れた手を台所にかけられているタオルで拭いた
「ちょっと興味本意で聞くけど結構してるの？
夜の営みの方は」
拓也はハッとしたが佳恵の優しく包み込むような温かい眼差しに引き込まれるように答えた
「仲がいいときは週2回くらいですかね
彩が機嫌いいときは割りかしあっちから誘ってきますね」
「お〜、若いっていいね
この前までおもちゃ買ってって駄々こねてた子がもう女の喜びを得ているとは……
若いってすごいな
よし！洗い物も終わったしお風呂にでも入ってきな
明日の彩との仲直りに向けて早く休みな」
佳恵がそう言うと拓也は
「はい！」
と元気よく返事をして痛めている腰を少し叩きながらお風呂場へ向かった
その様子を佳恵は心配そうに見つめていた
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「お風呂お先しました〜」
拓也が機嫌よくリビングに入っていくとそこには佳恵の姿はなくテレビだけ付けっ放しであった
「たっくん
ちょっとこっちおいで〜」
佳恵の寝室から声がして拓也は呼ばれるままに寝室に向かった
「どうしました？」
寝室を覗くとそこには布団が敷かれ枕元にアロマが焚かれていた
「こちらにきて横になってください！」
佳恵は布団の横に正座して手招きをした
「これどうしたんですか？」
「いいから いいから
早く横になって うつ伏せね」
拓也は言われるまま佳恵の布団に横になった
すると佳恵は拓也の腰を押し出した
「うわ、気持ちいいですね」
拓也はうつ伏せになりながら気持ち良さそうな顔をしていた
「でしょ、って言うか凝ってるのね やっぱり座ってばっかりだから
今 私 体汚いからお風呂はいってきたらマッサージしてあげるね
これ会社の男の人からもらったアロマでリラックス効果があるらしいの
それまでこれ楽しんでてね」
「え、悪いですよ
マッサージなんて」
拓也は体を起こした
「いいから いいから
ほら腰が悪くなったら孫の顔を見るのが遅れるでしょ！」
佳恵はそう言うと立ち上がり風呂場に向かった
拓也は少し悪い気もしたが先ほど受けた腰のマッサージが気持ちよかったため大人しくアロマを楽しみながら横になることにした
拓也は佳恵の布団からは彩と同じような匂いがして3日ぶりに彩と一緒に寝ているような気持ちになった
拓也はさらに匂いを嗅ごうと佳恵が浴びているシャワーの音を確認して枕に顔を埋めた
するとさらに彩と同じ匂いがして落ち着いた
しかし、匂いを嗅いでるうちに彩より女の匂いが強いことに気づいた
拓也は枕から匂う自分の愛している女性のよりフェロモンが強くなっている匂いを嗅いで少し興奮して酔ってしまいそうになっていた
拓也は顔を上げてアロマの匂いを嗅ぐことにした
その瞬間 このアロマはお義母さんのことを好きな男性がプレゼントしたものではないかという考えがよぎった
拓也は子供の頃から美人と思っていたお義母さんが知らない男と交際していると考えると少し寂しくなって余計なことを考えないようにするためアロマの匂いを嗅がないように枕にもう1度顔をふてくされるように埋めた
しばらくすると佳恵が濡れた長い長髪を拭きながら寝室に入ってきた
拓也は少し眠くなりだしていた
「たっくん寝ちゃいそうになってるじゃん
かわいいな
じゃあ、このままマッサージしてあげるね」
「お願いします」
拓也が寝ぼけながら答えると佳恵は布団の横に正座して拓也の腰を揉みだした
すると佳恵の指が拓也の腰のツボに入ったのか拓也は目を覚ました
「痛い！そこやばいです」
拓也はあまりの痛さに体を起こして佳恵を見つめた
するとそこには濡れた髪のパジャマ姿でおそらくブラをしていないためか普段より胸が強調された色っぽい佳恵が座っていた
「ごめん、痛かったかな？」
佳恵がそう言い手を合わせて小さく頭を下げると拓也の目の前で佳恵の胸は大きく揺れた
それを見た拓也は先ほどまでの佳恵の布団の匂いで得た興奮と相まってお義母の目の前で男性器を膨らましてしまいそうになった
拓也は慌ててうつ伏せになって
「大丈夫です」
と言い枕に顔を置きうつ伏せになった
すると今度は優しく佳恵が腰を揉みだした
拓也は先ほど見た佳恵の柔らかく揺れる胸と枕から匂う大人の女性の香りで男性器が膨らんでしまっている
それをどうにか落ち着かせようと顔を上げ周りを見渡すとアロマが目に入りアロマの話題を振ることにした
「これってもしかしたら男の人からのプレゼントだったりします？」
「うーん、まぁね」
佳恵は腰を揉みながら答えた
すると拓也は予想はしていたが少し寂しくなった
「え、その男の人とは恋人的な」
「告白はされたかな」
「どうしたんですか？」
拓也はおそるおそる尋ねた
「断った！
でも、やっぱり1人でいるとさ、いろいろ寂しくなっちゃうから少し後悔はしてるかなー
それより腰の気持ちはいいかしら、少し仰向けになって体を起こしてごらん」
「え！今はちょっと」
拓也は自分の男性器の膨らみが収まってないため慌てた
（続く）
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