蓮
作家名:橘キキョウ
文字数:約4140文字(全1ページ)
公開日:2020年4月1日
管理番号:k026
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「ママ、見てみて!露天風呂がついてるよ、この部屋」
大輔は予約していた部屋に入ると、子供のようにはしゃぎながら露天風呂に向かった。
「もー、なんでそんなに元気いいの?私はくたくただよ!」
春美は重い足取りで大輔の後をつけた。
「せっかくの旅行なんだし元気出していこうよ!」
「私は子育てで疲れてるんだよ!大輔みたいにはしゃげないよ!それに子供達だって心配なんだし……」
春美が少し苛立ちながらそういうと、大輔は春美の腕を優しく引っ張った。
「ごめんごめん。じゃあ、疲れを落とすためにお風呂入ろうよ!」
大輔はそう言うと春美を脱衣所に連れて行き、腕を離すと素早く服を脱ぎ、外に備え付けられている露天風呂に向かった。
「もー、勝手なんだから」
春美はため息をつき、しぶしぶ着ている服を脱ぎタオルを持ち露天風呂に向かおうとすると、脱衣所に備え付けられている鏡が目に入った。
春美は鏡に映った自分の姿を見ると、もう一度ため息をついた。
「早く来てよー!外の景色がすごいよ!」
春美は大輔に呼ばれ露天風呂にでた。
すると、そこには春美の想像を上回る絶景が広がっており、今まで疲れたような顔をしていた春美でさえ思わず声をもらしてしまった。
「うわー、本当にすごいね!」
「だろ!綺麗だよな!」
「でも、こんないい部屋、相当高かったんじゃない?旅行に連れて来てくれるのは嬉しいんだけど、あの子達もこれからどんどんお金がかかってくるんだし……」
春美が心配そうに置かれている桶にお湯をすくい、体にかけている大輔を見つめた。
「そんなこと心配してたのかよ!大丈夫だよ!この旅行のお金は俺の小遣い削って貯めたやつだから。お金が心配だったから今日一日中なんとなく不機嫌だったのか!」
「違うよ、お金だけじゃないよ!香織と紗香だってまだ小さいんだし、私がいないとさ……」
「大丈夫だよ!さっき俺の親父とお袋から写真送られて来ただろ。二人共楽しそうだったじゃん」
「何よ!あなたは心配じゃないの?」
春美が怒って大輔を睨みつけると、大輔は桶にお湯を注ぎゆっくりと春美の背中に掛け流した。
「心配だよ。でも、俺は子育てで疲れて毎日暗い顔してるママの方が心配だよ」
「……」
春美は大輔の言葉を聞いて黙り込んだ。
すると大輔は春美の腕をひいて温泉に入った。
「入ろうよ!」
「……うん」
二人は湯に入ると、外に広がる絶景を肩を並べて見つめた。
「綺麗だなー」
「うん…… ねぇ、私そんなに暗い顔してた?」
「世界で1番、ママのことに詳しくて、世界で1番、ママのことが好きな俺にはそう見えました!」
大輔は少しふざけながらも真剣に春美を見つめてそう言うと、春美の肩に腕を回した。
「ねぇねぇ。旅行の間はママじゃなくて春美って呼んで欲しいなー」
春美は大輔の腕の隙間から顔を見つめた。
「いいね!新婚に戻った気分を味わえそう!」
「でしょ!でしょ!」
春美は、先ほどまでの暗い顔とは違って笑顔で大輔を見つめた。
「なら、俺からもお願いしたいな!」
「何?」
「膝の上に座って」
大輔はそう言うと、伸ばしていた足を折りまげてあぐらをかいた。
「仕方ないなー」
春美は立ち上がると、照れながら一回り大きい大輔の体に寄りかかって座り込んだ。
すると、大輔は腕を回して優しく春美を抱きしめた。
「ありがとうね。いつも子供達の面倒みてくれてさ。本当に感謝してるよ。春美はよくやってくれてるよ」
「いいよ、そんなに感謝しなくて!大輔が外で働いてくれてるんだから当たり前のことだよ、母親として。普通だよ、普通。そんなこと褒めなくていいよ!」
「嫌だ、褒めるよ!だって俺は春美と結婚する時に、春美をたくさん甘やかしてたくさん幸せにするって決めたんだもん」
大輔はそう言うと、さらに力強く春美を抱きしめた。
「何それ」
春美は腕の中から照れながら振り向き、大輔を見つめた。
「春美はきちんと子育てできてるんだから気負わなくていいんだよ。できれば家の中では春美に笑顔でいて欲しいなー」
「……実はね、子育て以外にも悩みがあるの……」
「え、何?もしかしてどっか悪いとか?」
大輔が腕の中の春美を心配そうに見つめると、春美は恥ずかしそうにもじもじしだした。
「実はね、最近太りやすくなってるみたいなの…… 昔はきちんとくびれてたのに……」
「そんなことかよ!」
「そんなことって!私にとっては大問題なんだよ」
「そりゃ、子供を二人も産んだら体つきも丸くなるだろ!体質も少しくらい変わるし、気にしなくていいよ!」
「気にするよ!私の体に魅力がなくなったせいで抱いてくれなくなったじゃない……。昔はあんなにおっぱいが好きで料理中とかでも触ってきたくせにさ!」
春美は、不機嫌そうに大輔の腕を振りほどき振り向いた。
「子供達がいるのにおっぱい触れるわけないだろ!それに言っとくけどな、今の少し丸くなった体の方が俺は全然好きだぞ!春美が疲れてなければ毎日抱きたいんだぞ!こっちは!」
大輔はそう言うと、春美の肩をガッチリと掴んだ。
「え、そうだったの?じゃあ、今もおっぱい触りたいの?」
春美はそう言うと、腕で胸を寄せて谷間を作り大輔に見せつけた。
「触りたいし、揉みたいし、セックスだってしたいよ!」
大輔は、春美の寄せられた胸を物欲しそうに見つめた。
「私のこと大好きだな!大輔は」
「そりゃ、好きだからプロポーズしたし結婚したんだよ!」
目を見て真剣に想いを伝えてくる大輔に、春美は照れずにはいられなかった。
「もー、私は幸せだな……。おっぱい触る?」
春美はそう言うと、もう一度ムニッと胸を寄せて大輔を誘惑した。
「いいの?」
大輔はそう言うと、肩に置いた手を胸の前に移動させようとした。
「やっぱり待って!」
春美はそう言うと、胸に手を伸ばそうとする大輔の腕を遮った。
大輔は寂しそうな顔をした。
「なんで?」
大輔がそう言うと、春美は大輔の頭に腕を回した。
「キスからして欲しいな!」
春美はそう言うと目を閉じた。
「わかった」
大輔は頷き、春美の腰に腕を回し体を寄せゆっくりと唇を重ねた。
大輔は久しぶりに感じる春美の唇の感触に興奮しながら、唇の隙間から舌を入れ込んだ。
春美はそれを受け入れ舌同士が重なり合い、いやらしい音が露天風呂に流れるお湯の音とともに鳴り響いた。
2人の唇の間からどちらのものかわからない細い唾液の糸が流れ出ると、春美は大輔の肩を押し、顔を離した。
「ベッド行っちゃおうか……」
春美が顔を赤く染めてそう言うと、同じように顔を赤く染めた大輔は頷いた。
2人は脱衣所で体を拭き終わると、裸のまま手を繋ぎベッドに向かい、ベッドの端に腰をおろした。
「なんか、私、変にドキドキしちゃってる。私たちは夫婦でたくさんセックスもやってきたはずなのに」
春美は照れ臭そうに大輔を見つめた。
「久しぶりだからじゃないか?」
大輔も同じく照れ臭そうに答えた。
すると春美はベッドから立ち上がり、大輔の前で膝をついた。
「ご主人様!ご奉仕させていただきます!」
春美はそう言うと満面の笑みを浮かべた。
「なんだよ、急に!AVみたいだな」
大輔は照れ臭そうに笑った。
「こう言うの好きかなって思って」
「まぁ、嫌いじゃないけど……」
「よかった!」
春美は照れた笑みを浮かべると、早速大輔の男性器を手でしごきだした。
「うっ……」
大輔は、久しぶりに性器をいじられる感触に嬉しそうに体を震わせた。
「たくさんたくさん気持ちよくさせていただきますね!」
春美がそう言って男性器をしごいていくと、大輔の男性器はみるみるうちに膨らんでいった。
「春美、気持ちいい」
「いえいえ、こんなのは序の口。ご主人様にはもっと気持ちよくなっていただきます」
春美はそう言うと、たくましく膨らんだ男性器から手を離した。
するとゆっくりと口を開くところを大輔に見せつけるようにして、いやらしく開いた。
そして上目遣いで大輔を見つめたまま、口の中に男性器を含んだ。
「うっ」
大輔は嬉しそうにその光景を見つめ、男性器から春美の口内の熱を感じ声を漏らした。
「うごかすね!」
春美は大輔の男性器に歯をあてないように気を使いながらそう言うと、頭を動かしだした。
「うっ、やばい。気持ちいい……」
大輔は気持ちよさそうに春美の頭に手を添え、優しく撫でだした。
春美はその行為が嬉しかったのか、嬉しそうにより一層激しく頭を動かしだした。
「くちのなかにだしていいよ!」
春美が上目遣いで気持ちよさそうな大輔を見つめそう言うと、大輔は逆に春美の頭を手で優しく抑え動きを止めた。
「待って!」
春美は口内から男性器をとりだし、不思議そうに大輔を見つめた。
「どうした?気持ちよくなかった?」
「うんうん、春美に挿れたくなった。おいで!」
大輔はそう言うと腕を広げた。
「わかった」
春美はそう言い頷くと立ち上がり、大輔の肩に手を伸ばし、ベッドに足をかけ大輔のたくましい男性器が待ち受けている股に自分の秘部を擦り付けながら落とした。
「んんっ、あん」
春美は大輔の男性器を受け入れ、心地好さそうな喘ぎ声をあげた。
大輔は自分の腕の中で快楽を得る春美を見ると、嬉しそうに力強く抱き寄せた。
「動かすよ」
大輔はそう言うと腰を動かし出した。
腕の中の春美も、さらに自分の秘部を大輔の男性器と擦り合わせれるように体を小さく動かし出した。
「んっ、ダメ。大輔の大きくなっちゃってる。イッちゃう!」
「俺もイク!もうちょっと我慢して」
大輔がそう言うと、春美は歯を食いしばった。
「んんっ!」
春美は言われた通り、快楽を解放するのを全身に力を入れ我慢していた。
「イク!だすよ!」
大輔は興奮が最高まで高まると、そのまま大量の精液を男性器から飛び出させた。
「んあ!」
春美も、それと同じ瞬間に興奮を解放させた。
すると、大輔は春美を腕の中に抱いたままベッドに倒れこんだ。
「気持ちよかった……」
大輔はそう言うと、息を切らしながら腕の中の春美を覗き込んだ。
すると春美は腕の中から顔を上げた。
「私も気持ちよかった。これ、できちゃったかもね、3人目」
「かもな、いっぱい中に出したしね」
大輔がそう言うと、春美は首を振った。
「それだけじゃないよ!」
「じゃあ、なんで?」
大輔は、不思議そうに春美の頭を撫でながら尋ねた。
「すっごい、幸せなセックスをしたからね」
春美はそう言うと、屈託のない笑顔を浮かべた。
(終わり)
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