椿弁護士の身の下相談-第一話
作家名:バロン椿
文字数:約5140文字(第一話)
公開日:2020年2月24日
管理番号:k020
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山崎鈴子さん
「椿(つばき)先生、もう我慢が出来なくて」
43歳になる山崎(やまざき)鈴子(すずこ)さんは恥ずかしそうに切り出しました。
中肉中背、どこにもいるような女性ですが、笑うと何ともいえない色気があります。
私は弁護士ですから、いろんな女性のお話を聞いてきましたが、いきなり性欲が強くて困ると打ち明けられたのは、彼女が初めてでした。
「一昨年、夫のカバンの中にコンドームがあるのを見つけ、問い詰めたら、職場の女性と深い仲になっていると白状しました。一緒に住めば、姑と諍いも一度や二度ではありません。でも、全ては夫のためと我慢してきましたが、まさか、その夫に裏切られるとは。まあ、そこで『悪かった』と素直に謝ってくれれば、私も許したかも知れませんが、『遊びだ、遊びだ』と開き直ったので、もう、我慢できませんでした」
溜めていたものを吐き出した彼女はアイスコーヒーを一気に飲み干してしまいました。
「それで、家庭内別居が始まりました。子供がいますから、最低限の会話はありますが、食事も洗濯も、それから、夫が入ったお風呂は『汚い!』って、生理的に受け入れられなくて、シャワーで済ませていました」
「生活費は旦那さんから?」
「はい、それは当然です。でも、家にいると、いろんなことを考えてしまうんです。それで、パートですが、働きに出ました」
曲がったことやずる賢いことを許せない、そして何でも自分の力や自分の頭で考えてやろうとする、甘え下手。彼女の話を聞いているだけで、「ああ、この人は勝気な女の典型的な特徴を持っているんだなあ」と感じました。
「大変でしたね」
「はい。でも、こんなことでは負けない、絶対に負けない、弱音を吐かないと突っ張っていたら、心よりも先に体が悲鳴を上げてしまったんです」
彼女はそう言うと、最初の過ちについて語り始めました。
最初の過ち
半年前のことです。当時、私は疲れ切っていました。おまけに肩凝りが酷く、大学病院や、「ここは効くわよ」と紹介されたマッサージ、針、灸など、ありとあらゆることを試しましたが、どうにもならず、最後に、辿り着いたのが「佐野気功院」でした。
「どうなさいましたか?」
「あの、全身の疲れがひどくて」
白衣を着た佐野さんは物腰が柔らかく、壁に掛けてある額縁には「佐野師、日本人初の中国国家賞受賞!」、「日本と中国の両国家資格保有!」、「オリンピックメダリストも感謝!」などの雑誌記事が飾られていましたが、最初はやはり不安でした。
でも、私がうつ伏せになって、佐野さんが背中に手を当て、「うっ!」と気を送ると、それまであった首、肩、背中の張り、それに頭の痛みや眼のかすみが、嘘のように取れて無くなりました。さらに、翌日には苦しかった動悸が無くなっていました。
これで、私は「ここしかないわ!」と完全に信じてしまい、定期的に通い始めました。
「今日はどうしましたか?」
「はい、気持ちが悪くて」
「ちょっと頑張り過ぎたのかな?」
佐野さんにこんな風に優しく言われただけで気持ちが楽になりました。
初めて吸い玉治療を受けた時、体中が吸い玉の跡で真っ黒!施術直後はだるかったのですが、その日の夜からぐっすり眠れるようになり、疲れが抜けなくて困っていた私にとって、佐野さんは「神様」のような存在でした。
その日も、同じ、「先生、疲れちゃった」と施術室に飛び込んでいきました。
佐野さんは私をベッドに寝かせると、手を握ってきましたが、抵抗はありませんでした。
「そんなに肩肘張って生きなくたっていいじゃないか」
いつものように、そんなこと言われると、気持ちが落ち着いてきました。
それから、「突っ張りすぎだよ」と下腹部に気を送ってくれたのですが、それだけなのに、自分でも信じられないことですが、体は震え、股間がしっとり潤ってきました。
そして、スカートを下ろされた時は死ぬほど恥ずかしかった。パンティがぐっしょり濡れて、ストッキング越しにもはっきりと分かるくらいに色が変っていました。
でも、彼は意地悪なんです。「どうしたんだね?」となんて聞いてくるんですよ、分っている癖に。
もう、自分ではどうにもなりません。「いや、そんなことは聞かないで……」と彼の胸に顔を埋めていました。
それから、身に着けていたものを全て取り去られ、生まれた時の姿になりましたが、恥ずかしいとは思いませんでした。
「きれいだよ」
「は、恥ずかし……」
佐野さんは女の体を扱いなれていたと思います。膝裏に手を入れ、私の腰を持ち上げるような形で、性器に息を吹きかけてから舌で舐めてきました。私は思わず「あ、あん……」と声を出してしまいました。
これだけでも私には十分なのに、彼は舌で包皮を剥いて、充血したクリトリスをたっぷり弄ぶのです。
「あ、あ、あっ、いや、いや……あ、あ、あっ、あっ、いや……」
全身にピリピリするような快感に、もう恥じらいも何もありません。叫び声のような大きな声が出てしまい、腰はガクガクしていました。
佐野さんは私の太腿を抱えると、膣口に亀頭をあてがって一気に根元まで挿し込んできました。
覚えているのはここまでです。気がつくと、佐野さんが「鈴子さん、可愛いね」と言いながら、ティッシュであそこの汚れを拭っていました。
これだけでなかった!
「ちょっと、ちょっと、すみません」
やはり自分の性体験を話すことが恥ずかしいのでしょう、彼女は顔が赤くなり、コップの水を飲み干していました。
「遊びだってことは分っていたんですけど、ダメなんです。『先生、疲れちゃった』なんて、甘えて施術着に着替えるんですけど、下着なんか取っちゃいますから、治療時間はセックスです。声が外に聞こえないように、タオルを口に押し込んで……いや、恥ずかしい」
エアコンが効いているとはいえ、汗ばむほどではありませんが、彼女の額には汗が滲んでいました。
「冷たい物でもいかがですか?」
「あ、いえ、お茶を頂けますか」
秘書がお茶を用意する間、彼女は手帳を見たり、スマホを触ってみたり、一言も喋りません。しかし、秘書が出ていきますと、「でも、先生、女ってバカなんですよ」と話を続けました。
「え、どういうことですか?」
「さっきも言ったように、遊びだって分っているんですけど、佐野さんが私だけじゃなく、他の女と同じことをしているのが分ると、『裏切者!』だなんて、施術室で枕を投げたり……それで、急に熱が冷めちゃって」
「そうですか。皆さん、治療に来ているだけじゃないんですね」
「あら、先生。そんなこと言って、いやだあ、知ってるくせに……」
私は皮肉のつもりでしたが、鈴子さんは恥かしそうに笑っていました。
それで、「もう懲りましたか?」と聞きますと、「いえ、違います。体に火がついちゃったんです」とあっけらかんと言うのです。
「お友だちの息子としてしまったんです」
「えっ、お友だちの息子さんと!」
これには私も驚いて、お茶を溢しそうになりました。
「どういうことですか?」
「はい、魔が差したって言えば、魔が差したんですけど……いえ、違います。遊んで、遊んでみたかったんです」
鈴子さんはお茶を一口啜ると、そのことを詳しく語ってくれました。
許されない過ち
12月の中旬です。お友だちの由美子(ゆみこ)さんから3泊4日のスキー旅行に誘われました。
「主人が仕事で行けないのよ。ねえ、鈴子さん、一緒に行ってくれない?」
まあ、穴埋めですが、同じ時、娘は学校のスキースクールなので、私には嬉しいお誘いでした。
もっとも、私のスキーはよちよち歩き程度ですから、上手な由美子さんとは一緒に滑ることは出来ません。もっぱら、夜のお酒だけのお付き合いです。
由美子さんの息子、亨(とおる)君は私の娘と同学年です。子供の頃はとても可愛らしく、娘と一緒に遊んだりましたが、今はすっかり体が大きくなって、男らしくなっていました。
そんな亨君とセックスしてしまったのは2日目の夜です。
夕食の後、由美子さんと一緒に飲んでいたのですが、昼間のスキー疲れが出たのでしょう、彼女は酔いつぶれて、そのまま眠ってしまいました。
私も寝てしまえば良かったのですが、なんとなく、隣の部屋の亨君のことが気になり、飲み物とお菓子を持って彼のところに行きました。
「いいかしら?」
声を掛けましたが、中から反応がありません。テレビの音がしていましたので、気軽な気持ちで「入るわよ」と、中に入って襖を開けたのですが、ビックリです。
テレビと思っていたのは、なんと、無修正のアダルトビデオです。
亨君は私が入って来たのに気がつかず、布団の上に寝転び、浴衣の前を開いてパンツの中に手を入れていました。
「何を見ているの?」
「あっ、お、おばさん……」
彼は大慌ててビデオのスイッチを切りましたが、パンツの前は尖がり、何をしていたかは明らか。とてもバツが悪そうでした。
私は意地悪したくなって、隣に座って体を寄せると、「おばさんにも見せてくれない」とスイッチを入れました。
すると、画面に映しだされたのは、フェラチオに続き、挿入するシーンです。とても鮮明な画像で、見ているうちに、私の方がおかしくなって、亨君を布団に押し倒して、唇を重ねていました。
ビデオからは、見ていなくても「ああっ、あっ、あっ、あっ、うっ、うっ、うっ、ああっ、あああっ……」なんて切ない喘ぎ声が聞こえてきます。
もう止まりません。私は体を起こすと、亨君の浴衣の紐をほどいて前を開き、破れそうなくらいに前が尖がっているパンツに手を掛けましたが、彼も望んでいたのでしょう、腰を浮かして協力してくれました。
股間から反り立つオチンチンはまだ皮を被っていましたが、ちゃんと剥いてあげると、グーンと伸びて、気功の佐野さんには敵いませんが、立派なものです。亀頭は瑞々しいピンク。
それに、夫のようにどんな女と交わったか分らぬ不潔なものとは違って、本当にきれいでした。
私も紐をほどいて浴衣を脱ぎました。ブラジャーは最初から付けていませんから、後はパンティだけですが、それももどかしくて、右手でパンティを下ろしながら、左手でオチンチンを握りました。
熱い。そして硬い。亨君は私をじっと見つめていました。
目で「いいわね」と言うと、「うん」と頷きました。
私はオチンチンを口に咥えました。唇で亀頭にキスをするようにして、ゆっくりと咥え、それから舌を絡めて、飴玉みたいに舐めてあげました。
しかし、これが童貞なんですね。直ぐに「ああ、ああ……」と声を出して逝ってしまいましたが、喉の奥にビュッ、ビュッと飛んでくるんです。
彼は「はあ、はあ、はあ……」と息を吐いてぐったりしていましたが、私の方は収まりません。
亨君の精液を飲み込み、口の周りの汚れをティッシュで拭うと、彼の上に乗って唇に吸い付きました。舌を絡め、何度も何度も彼が応じるまで吸い返し、それから、手を乳房に導きました。
でも、亨君、初めてだから、ダメなんです。焦れったくなっちゃって、彼の手を掴んで、私の股間にもっていって、中指を膣に挿し込みました。
彼、「あっ……」って声を出していたけど、いいんです。一緒に手を動かして、クリトリスの場所も教えているうちに、私もどんどん濡れてきました。
亨君のオチンチンはすっかり硬くなっていましたから、チャンスは逃しません。
私が彼の上から転げ落ちるようにして布団に仰向けになると、亨君も何をするか分かっています。脚を開いて待つ私に覆い被さってきました。
「お、おばさん……」
何とも言えない、情けないような声でしたが、私は彼のオチンチンを掴んで亀頭を膣口に挿し込み、彼を抱き寄せました。すると、突き刺さるって感じで、根元まで入ってきました。
彼も私をギュッと抱き締めてきたので、体はぴったり合わさりました。温かい。素肌の温もりは格別です。
でも、私が腰を使ったら、「あ、ああ、ダ、ダメ……」って、直ぐに逝ってしまいました。仕方ないですね、初めてですから。
だけど、若いって凄いですね。朝まで5回、最後は私も逝きました。
これで調停ができるか?
「それで、相手のお母様には気が付かれなかったのですか?」
私は呆れて、そう聞きましたが、鈴子さんは「ええ、それは……」と歯切れの悪い返事でした。
それもその筈です。
「東京に戻って、お別れする時、『鈴子さんって、あんなことをする人だとは思わなかった』って由美子さんに言われました。すっかりバレてたんですね」と。
もう何も言うことはありません。
しかし、鈴子さんは悪びれた様子もなく、「だけど、どうしようも無いんです。娘にだけは知られたくありませんが、亨君とは今も続いているんです」と笑っていました。
はたして、これが離婚の相談なのか。先が思いやられます。
(第一話終わり)
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